★日経平均株価:重要イベント多く様子見ムード強い
米国の中国に対する追加関税の発動見送りの可能性が指摘される一方で、欧州中央銀行(ECB)理事会、英国総選挙、明日のメジャーSQ算出など見極めたい材料が多い。そのため、日経平均は高寄りしてからマイナスに転じた後は前日終値前後で推移した。ただ、半導体関連株への買いが主導して上げに転じた。結局、前日比32円高の2万3424円と小反発で終了した。
★東京外国為替委市場:パウエルFRB議長の会見受けドル下落
ドル/円は、パウエルFRB議長の会見が利上げに慎重なハト派寄りの内容だったため、ドルは主要通貨に対して下落した。東京市場でもこの流れは続き、108.46円付近まで下落した。日経平均株価がプラス圏から一時マイナス圏へ転じたことも、円買いを誘った。しかし、15日期限の米国による対中制裁関税『第4弾』発動の有無を見極めたいとの雰囲気から、下値を追う動きは限られた。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売り基調が続き、108.60円近辺まで切り返した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向をにらみながら、108.50円台を中心とした狭い値幅で取引された。ユーロ/ドルは、FRBの低金利政策が長期化するとの思惑から、ユーロ買い・ドル売り基調が続き、およそ1か月ぶりの高値圏となる1.1140ドル台で推移した。
★欧州市場ではECB定例理事会が開催
ラガルドECB総裁は欧州議会で証言し、『緩和的な金融政策は景気回復期に内需を押し上げる大きな力になった』と述べた。近く開始する戦略的見直しでは、インフレや気候変動などを対象にするとの見方かを示している。ただ、一部報道によると、ユーロ圏の財務相はECBのマイナス金利政策への批判を強めているもようであり、来年以降の理事会でマイナス金利の問題点について議論を深めていく可能性がある。
★バラつきのある英総選挙の世論調査:結果みるまでは予断許さない
英調査会社サバンタ・コムレス英紙デーリー・テレグラフの委託で実施した最新の世論調査によると、保守党の支持率は41%で変わらずだった。一方、労働党の支持率は3%ポイント上昇して36%となった。保守党のリードは10月半ば以来の差に縮まった。労働党にとっては1月以来の好調な結果となった。
サバンタ・コムレスは、調査結果について『総選挙が接戦となって予断を許さないことを示している』と指摘している。およそ5人に1人は態度を変える可能性があるとしており、いずれの政党も過半数を取れないハングパーラメントになる可能性があるとした。
11日に公表された他の3つの世論調査では保守党のリードはより大きい。
★FOMCについて:利上げより利下げに傾斜
米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。反対票はなかった。全会一致での決定は、5月の会合以降初めて。経済活動やインフレの判断は前回の声明に一致。委員会は景気見通しに与える影響を監視していくとの文言に、『世界の展開やインフレ圧力の抑制を含めて』、と加えた。今後の金融政策を探る上で注目されていたFRBのスタッフ予測では、全てのFOMCメンバーが2020年を通じて政策金利の据え置きを想定している。
また、FOMC後の会見で、パウエルFRB議長は、金融緩和が『依然緩和的』と言及した。さらに、利上げには『著しく、持続的なインフレの上昇が必要になる』と、利上げの壁が非常に高いことを示唆した。このため、市場は、FRBの潜在的な次の行動が依然、『利上げよりも利下げに傾斜している』ととられている。ドル売りに拍車がかかった。
★ゴールドマンサックスの米FOMCの評価リポート
ゴールドマン・サックスは12日付けリポートで、『FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長が緩和的な環境が維持されていると述べ、現在のやや融通の利いた政策スタンスに満足感を示していた。また、実際に大幅なインフレが達成されるまでは利上げを見送るとも述べた。これらの発言自体は10月の発言と概ね一致している』と指摘した。さらに、『注目すべきはパウエルFRB議長がこれ以上のハト派的な政策アプローチお支持することを避けた狙いもある』との見方を示した。
12月のFOMCでは各メンバーによる景気見通しも示されている。ゴールドマンは2020年の経済見通しについてFOMCの景気予測見通しの中央値を上回る予想を示している。
FOMC GD予想
・経済成長率 2.0%増 2.5%増
・失業率 3.5% 3.25%
★米国の対中製品に追加関税を発動するか今晩協議
トランプ米大統領が、約1600億ドルの中国製品に対する追加関税を15日に発動するかをめぐり、通商・経済顧問らと12日に協議する可能性が高いと報じている。協議にはライトハイザー通商代表部(USTR)代表、ムニューシン財務長官、カドロー国家経済会議(NEC)委員長、ナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)などが出席する見通しとのこと。
★欧米イベント
○16:00 11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.8%/前年比1.1%)
○16:30 11月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲0.1%)
○16:45 11月仏CPI改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.0%)
○17:30 スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:30 11月スウェーデン失業率(予想:6.3%)
○18:30 11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.8%)
○19:00 10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%/前年比▲2.3%)
○20:00 トルコ中銀、政策金利発表(予想:12.50%に引き下げ)
○21:00 10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲5.0%)
○21:00 10月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲1.2%)
○21:45 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:00 7-9月期ロシアGDP改定値(予想:前年比1.7%)
○22:30 ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30 11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比1.2%)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○22:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.3万件/167.8万人)
○13日02:30 ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○13日03:00 米財務省、30年債入札
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、13日まで)
○英下院総選挙
○メキシコ(聖母グアダルーペの日)、休場
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