FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:戻り待ちの売りで上値の重い展開

前週末の米国株高を好感し、寄り付きで高値を付けた後は利益確定売りが強まり、上げ幅を縮小した。その後は為替相場に連動しながらプラス圏でもみあった。米国による対中関税『第4弾』の全面発動の期限を15日に控えて、米中貿易協議の先行きを見極めたいとの見方から、戻り待ちの売りが出やすかった。結局、前週末比76円高の2万3430えんと続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:108.50円台を中心としたもみ合い相場

ドル/円は、米中通商交渉の先行きを警戒したドル売り・円買いが先行し108.54円まで値を下げた。日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことも、円買いを誘った。しかし、6日に付けた108.52円が下値目処として意識されると、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、108.60円を挟んでもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、108.50円台を中心とした狭い値幅で取引が続いた。今週予定されている重要イベントを控え、様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の11月貿易統計は予想反して減少

中国税関総署が発表した11月の貿易統計では、市場予想に反して輸出が4ヵ月連続で減少した。米中貿易摩擦による製造業への影響が根強いことが浮き彫りになった。11月の輸出は前年比1.1%減少し市場予想の1.0%増を下回った。また、19月は0.9%減少だった。輸入は前年比0.3%増加し、市場予想の1.8%減少を上回り、4月以来のプラスとなった。また、10月は6.4%減少だった。貿易収支は387億3000まんドルの黒字となり、市場予想の463億ドルの黒字を下回った。10月は428億1000万ドルの黒字だった。

 

英総選挙の結果は13日午後に大勢が判明すると予想

JPモルガン証券のリポートでは、投票は英国時間12日午後10時に投票が締め切られるとしながら、『日本時間では13日(金)午前7時となるため、投票締め切り後の出口調査が日本時間朝から市場を動かす可能性がある』と指摘した。その上で『日本時間13日の午後には大勢が判明すると予想される。保守党が過半数を確保することが予想されており、ハングパーラメント(宙ぶらりん議会)となる確率は25%以下とみている』と見込んだ。

 

12日発表のトルコ中銀・政策金利(1週間レポレート)が注目

ウイサル氏が中銀総裁に就任後、3会合連続で利下げが実施され、その引き下げ幅は1000bp(10.0%)にも達した。利下げへの動きは小休止するかと思われたが、先週発表された11月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで、市場は4会合連続の引き下げを見込み始めている。エルドアン・トルコ大統領の更なる利下げ要求も強く、その大統領に任命されたウイサル総裁は要求にさからえない。トルコ景気の回復には利下げは必要であるが、あまりにも急速で大幅な金利低下となった国の通貨は買いにくい。まだしばらくは19円台の重さが感じられる展開を予想される。
 トルコと北大西洋条約機構(NATO)同盟国との関係は、首脳会議を終えて決裂という最悪の事態は避けられたものの、依然として脆弱なまま。トルコが露製ミサイルS400の再購入を検討しているとの話もでているなかで、欧米による対トルコ制裁への懸念は残る。

 

11月米雇用統を受けて:ゴールドマン・サックスレポート

6日に発表された11月の米雇用統計で非農業部門の新規雇用者数が前月比26万6000人増となり、市場予想18万4000人増を大幅に上回った。1月以来、10ヵ月ぶりとなる大きな伸びを記録したことになる。10~11日のFOMCを控え、米FRBが追加利下げを行う必要性を薄れさせる強い数字だった。ゴールドマン・サックスはレポートで『米自動車大手ゼネラル・モーターズのストライキが終わった影響で4万4000人増の要因があったものの、それを考慮しても11月の増加ペースはかなり堅調だった』と指摘した。その上で米感謝祭が今年は月末で例年より遅かったことと、寒波の要因によって『小売業と建設業の雇用増加の一部が12月にシフトした可能性もある』としながらも、『我々は、短期的に追加的にな利下げの可能性をさらに排除することを除いて、今回の米雇用統計が金融政策に対して重要なインプリケーションがあるとは思っていない』と指摘している。

 

欧米市場のイベント

○15:45   11月スイス失業率(季節調整前、予想:2.3%)
○16:00   10月独貿易収支(予想:193億ユーロの黒字)
○16:00   10月独経常収支(予想:200億ユーロの黒字)
○21:00   11月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.83%)
○22:15   11月カナダ住宅着工件数(予想:20.75万件)
○22:30   10月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比3.0%)
○10日03:00   米財務省、3年債入札

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