FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外短期筋の先物買いが下支え

前日の米ダウ平均28ドル高の続伸やオブライエン米大統領補佐官等の米中貿易交渉進展への前向き発言を好感した買いが先行した。また、政府が5日に閣議決定した経済対策への期待感と相まって海外短期筋の先物買いに一時上げ幅は100円を超えた。ただ、週末で動きが取りにくい上に手掛かり材料も乏しいこや、今晩発表される米雇用統計を見極めたいとのムードが強く様子見が広がった。結局、前日比54円高の2万3354円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:為替相場は全般小動きもみ合いの動き

ドル/円は、米長期金利の低下を手掛かりに一時108.65円と昨日安値の108.66円をわずかに下抜けた。もっとも、持ち高調整の範囲内に過ぎず、動きは総じて緩慢となった。この日の値幅は13銭と狭い。 午後3時前後に中国が大豆など輸入関税一部免除との報道などが材料になりドル買い・円売りが優勢となった。ユーロ/ドルは、直近の高値圏の1.110ドル近辺でこう着相場が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀は金融政策決定会合を来年12回に増加

トルコ中銀は、今年の8回開催した金融政策決定会合を来年は12回実施すると発表した。中銀のトップは、金利引き下げを訴え続けるエルドアン大統領に任命されたウイサル総裁であり、総裁就任後は3会合連続で利下げを実施し、下げ幅は合計1000bp(10%)に達した。その総裁のもとで会合回数の増加は、更に緩和しやすい環境を整えたと見られている。

 

南アフリカの景気浮揚の糸口見えず

南アフリカでは今年5月の総選挙を経てラマポーザ政権が2期目を迎えたが、同政権下の景気は力強さを欠く展開が続いている。7-9月の実質GDP成長率は前期比年率▲0.55%と2四半期ぶりのマイナス成長に転じ、概ねすべての産業で減産圧力が掛かる一方、公的部門への依存姿勢が強まっている。また、外需も鈍化するなかで物価安定や利下げにも拘らず家計消費も力強さを欠き、企業の設備投資意欲も弱含む展開が続いている。足下では計画停電などによる企業マインド悪化の動きもみられ、景気浮揚の糸口がみえない状況にある。 政府が10月末に公表した『中期財政計画』では、当面は景気が弱含む一方で財政赤字の拡大が続き、22-23年度末には公的債務残高がGDP比71.3%に上昇する見通しが示された。

 

米10月貿易赤字は予想以上に縮小

米商務省が発表した10月貿易収支は472億ドルの赤字となった。赤字幅は9月の511億ドルから7.6%減、16カ月ぶりの低水準となった。輸入が大幅に減少した一方で、輸出の減少が小幅にとどまったことが奏功した。輸入は前月比1.7%減の2543憶ドル。輸出は前月比0.2%減の2071憶ドル。しかし、米国の2019年度貿易赤字は10月までで5201億ドルと、2018年の同時期5130億ドルを依然上回っており、通年では11年ぶり最大の赤字が予想されている。

 

米国市場では11月雇用統計が公表

先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いとされる民間部門の雇用者数を示す米11月ADP雇用統計は前月比+6.7万人と、10月から拡大予想に反して伸びが鈍化した。5月来の低い伸びに落ち込んだ。このため、雇用統計でもネガティブサプライズの可能性が警戒される。米供給管理協会(ISM)が発表した全米の製造業活動を示すISM製造業景況指数の11月分の雇用は46.6と、10月47.7から低下し、4カ月連増で50割れとなった。米国経済の7割を消費が占めるため特に注目されるISM非製造業景況指数の雇用は55.5と、10月53.7から上昇した。7月来の高水準で、6カ月平均54.0も上回ったことは、安心感につながる。 ただ、全般的にひっ迫していた米国の労働市場も鈍化し始めた傾向が見られる。製造業の低迷をよそに、雇用の強さが今までと同様に今後も強い消費をけん引し、米国経済の成長持続を助けていくことが可能かどうかに注目が集まる。雇用の低迷が確認された場合は懸念材料となる。

〇市場予想失業率:3.6%(10月3.6%)非農業部門雇用者数:前月比+18.5万人(10月+12.8万人)民間部門雇用者数:前月比+17.9万人(9月+13.1万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.0%(9月+0.2%、+3.0%)

 

欧米イベント

○16:00   10月独鉱工業生産(予想:前月比0.1%/前年同月比▲3.6%)
○16:45   10月仏貿易収支(予想:50.00億ユーロの赤字)
○16:45   10月仏経常収支
○21:00   11月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.46%)
○22:00   11月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)
○22:30   11月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1.00万人/失業率5.5%)
○22:30   11月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化18.0万人/失業率3.6%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.0%)
○24:00   10月米卸売売上高
○24:00   10月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○24:00   12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:97.0)
○7日05:00   10月米消費者信用残高(予想:160億ドル)
○石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国の閣僚会合(ウィーン)

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