FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:アジア株下落でつれ安

前日の米国株式市場は感謝祭に伴い休場となり、手掛かり材料に欠ける中、円安を好感して高値圏で寄り付いた。その後は為替相場に連動しながら前日終値付近で一進一退していたものの、香港ハンセン指数や上海総合指数をはじめとするアジア株が下落したことが売り材料となった。結局、前日比115円安の2万3,293円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台半ばで底堅い展開が継続

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、109.60円付近まで上昇した。しかし、27日につけた高値109.61円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、日経平均株価のさえない動きやアジア株安をながめてたドル売り・円買いに押された。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、109.40円台を中心とした狭いレンジ内でのもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1010ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国総選挙では与党優位報道に対してはポンド買い

12月12日の総選挙を2週間後に控えた世論調査によると、解散総選挙に打って出たボリス・ジョンソン首相の与党・保守党が過半数議席を獲得する可能性が高い。来年1月31日に英国が欧州連合(EU)を離脱するシナリオが現実味を帯びてきた。調査会社ユーガブが実施した最新の世論調査によると、保守党は議会定数650議席のうち359議席を獲得し、他の政党の議席合計を68議席上回る見通し。

保守党が優位な報道では、英国の秩序だった欧州連合(EU)離脱が実現するとの期待感からポンド買いにつながりやすい。

 

英国への純移民数過去6年で最低

英国立統計局が発表した移民統計によると、今年6月までの1年間で英国に入国した移民数から出国者数を差し引いた純移民数は21万2000人となり、2013年9月以来過去6年間で最低を記録した。英国のEU離脱問題が長引く中、EUからの就労移民数が減少した。EUからの純移民数は4万8000にんと、09年の四半期統計開始以降で最低を更新した。英国からEUへの出国者は過去最高の15万1000人に上った。EU以外からの純移民数は22万9000人だった。統計局では『EUからの移民数が純増とはいえ16年以降落ち込んでいる背景には就労移民数の減少がある。一方、EU以外からの純移民数は留学移民の増加に伴い過去6年間で徐々に拡大している』と指摘した。

 

香港人権法成立で中国は米国に報復できるのか

トランプ米大統領の署名で香港人権法が27日に成立したことを受け、中国はあらためて報復措置を警告しているが、これまでのところ具体策は示していない。中国外務省報道官は28日の定例記者会見で、中国はいつ報復するのかや、貿易協議に影響するかどうかといった記者団からの質問に直接答えることはなく、『このまま見守ってほしい。来るものは来る』と語った。準備する時間が十分あったにもかかわらず中国が具体策を打ち出せないでいるのは、自国経済に跳ね返ることなく対米制裁を行うのが難しいためだ。

 

米中貿易戦争『停戦』で米景気再加速の可能性も

米中貿易戦争『停戦』の暁には、関税コスト増を販売価格に転嫁できず採算悪化を懸念した企業のリストラ圧力が弱まり、世界減速と企業収益悪化が底入れ、企業コスト高のピークアウトに住宅市場底入れ、強い労働市場と株高『資産効果』が個人消費を押し上げるという。欧米中銀の金融緩和が家計消費やサービス業の堅調を支援しつつ、米経済1割強を占める製造業の減速を相殺し、米経済に垂れ込めた暗雲を払拭しつつある。もっとも、つい数ヶ月前まで米経済にはリセッション懸念の暗雲が垂れこめていた。8月に米国債の長短金利の逆転『逆イールド』が発生し、米ISM製造業景況感指数の好不況境目50割れ10年ぶり低水準が米景気下振れに追い討ちをかけた。
『逆イールド』は景気後退(リセッション)の『炭鉱のカナリア』と俄かにリセッション懸念が高まったが、7月以降10月までの3度にわたるFRBの機動的「Preemptive」(予防的)利下げにより『逆イールド』は解消、米10月ISM製造業景況感指数は50を上回る改善を示すと米リセッション論はすっかり鳴りを潜めた。米中協議を巡る不確実性が後退し、米中首脳『第1段階合意』署名への期待が景気回復見通しとなって中小企業センチメントを押し上げつつある。未だ紆余曲折を孕むも市場は米中貿易戦争『停戦』を織り込み、世界経済減速の底入れに来年の米景気再加速を見込みつつある。

 

欧米イベント

○15:00   10月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比6.90%)
○16:00   10月トルコ貿易収支(予想:18億ドルの赤字)
○16:00   10月独小売売上高指数(予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
○16:45   10月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45   10月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○16:45   11月仏CPI速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.0%)
○16:45   7-9月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.3%)
○17:00   11月スイスKOF景気先行指数(予想:95.0)
○17:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○17:30   7-9月期スウェーデンGDP(予想:前期比0.2%)
○17:55   11月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化5000人)
○18:00   11月ノルウェー失業率(予想:2.2%)
○18:30   10月英消費者信用残高(予想:9億ポンド)
○18:30   10月英マネーサプライM4
○19:00   10月ユーロ圏失業率(予想:7.5%)
○19:00   11月ユーロ圏HICP速報値(予想:前年比0.9%)
○19:00   11月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   7-9月期インドGDP(予想:前年同期比4.7%)
○21:00   10月南アフリカ貿易収支(予想:16億ランドの赤字)
○22:30   9月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比1.4%)
       7-9月期カナダGDP(予想:前期比1.2%)
○22:30   10月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比横ばい)
○22:30   10月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲2.0%)
○29日01:10   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場は短縮取引

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