FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株高と円安を好感するも上値の重い展開

米国株高や為替の円安基調などを好感し、朝方から買いが先行した。23500円台に乗せたところでは戻り売りに押された一方、23400円は下回らず、狭いレンジでの小動きが続いた。結局、前営業日比64円高の2万3437円と4日連騰で終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は上値重いも109円台を維持

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、109.15円近辺までじり高となった。しかし、前日につけた109.21円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、28日の米感謝祭を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り109.10円近辺へ緩んだ。午後に入っても、109.10円台を中心とした狭い値幅での取引が続いた。米中通商交渉の行方を見極めたいとの雰囲気から、上下に動きにくくなっている。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国19年1-10月の工業企業利益は前年同期比で減少傾向

中国国家統計局が27日に発表した統計によると、2019年1-10月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比2.9%減の5兆151億元となった。減益幅は1-9月の2.1%から0.8ポイント拡大した。

●調査対象の41業種のうち30業種が増益、11業種が減益。
●業種別では、電力・熱供給が16.2%増、電気機械・器材製造が15.0%増、専用設備製造が12.0%増、非金属鉱物製品が10.9%増。
 コンピューター・通信用設備・電子設備製造が6.0%増、非鉄金属精錬・圧延加工が5.4%増、農産物加工が5.1%増、石油・天然ガス採掘が3.4%増、汎用設備が2.8%増。
 半面、石油精製・コークス・その他燃料加工が51.2%減、鉄鋼精錬・圧延加工が44.2%減、化学原料・化学製品製造が25.3%減、自動車製造が14.7%減、繊維が6.4%減、石炭採掘・選炭が2.1%減などとなった。

 10月単月の税引き前利益は前年同月比9.9%減の4275億6000万元。減益幅が9月の5.3%から4.6%ポイント拡大した。

 

英国の保守党の支持率が低下傾向

12月12日の英総選挙を控え、26日にカンターがまとめた世論調査では、与党・保守党の最大野党・労働党に対するリードが11ポイントと、前週の18ポイントから縮まった。保守党の支持率は2ポイント下がって43%、労働党の支持率は5ポイント上昇し32%だった。親欧州連合(EU)の自由民主党は2ポイント下がり14%、ブレグジット党は1ポイント上がって3%だった。カンターの調査は、11月21日─25日に1097人に対し実施された。25日に公表されたICMの調査でも、保守党の労働党に対するリードが10ポイントから7ポイントに縮小していた。

 

来年のトルコの経済と通貨はインフレ率低下で様変わりすると強調

トルコのエルドアン大統領は、同国の金利とインフレ率について、『あらゆるプレッシャーにもかかわらず』望ましい水準に向かっているとした上で、2020年には1桁台に低下するとの見方を示した。NTVが26日伝えた。
大統領は、金利とインフレ率の低下は恒久的なものになるとし、1桁台になればトルコの経済と通貨は『様変わりする』と強調した。トルコによるロシア製地対空ミサイルシステム『S400』購入を巡り、トルコと米国が対立している問題については、トルコと米国の政府高官が解決に向けて来年4月まで努力を続けると語った。どのように解決策を見つけるのかとの質問に対して、エルドアン大統領は『4月まで続くプロセスがある。国防相と外相がこうした努力を担う』などと応じた。

 

米規制強化で年末越えのドル不足懸念に大量資金供給

米金融市場でドル不足の懸念が出ている。米銀が規制に基づいて手元資金を現金などの安全な形で積み増すよう求められ、市場でドルを融通しにくくなっている。年末にかけて資金は一段と逼迫しそうで、米連邦準備理事会(FRB)は資金供給を拡充した。ドルの調達は邦銀にとっても大きな経営課題になっている。FRBの金融調節を担当するニューヨーク連邦準備銀行(NY連銀)は25日、国債などを担保に、返済期日が年末を越える資金を250億ドル(約2兆7千億円)供給した。金融機関からは490億ドルの応札があった。NY連銀による資金供給はこれまで、翌日物などで期間が短かった。今回は1カ月を超える資金を融通する。資金需要が高まる年末に向けて、金融機関の資金繰りを安定させる狙いがある。米国市場では過去10年、欧州銀が事業を縮小する一方で邦銀が存在感を高めてきた。ただ邦銀の資金調達は米銀に比べると、現地企業の決済に関わる預金や個人からの預金は少ないとみられる。金利の急な上昇や経済危機があれば、外貨の調達は難しくなる恐れはある。

 

米国市場では7-9月期国内総生産(GDP)改定値が公表

速報値は前期比年率+1.9%で市場予想を上回った。成長率は鈍化しているものの、個人消費はまずまず順調だったことから、市場予想を上回る伸びとなった。ただし、企業設備投資の軟化や輸出低迷の影響は小さくないことから、改定値の数字が上方修正される可能性は低いとみられる。

 

米国市場では10月耐久財受注が公表

9月実績は前月比▲1.2%だった。設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本材)は2ヵ月連続で減少した。民間航空機・同部品は前月比10%超の大幅減となった。10月については民間航空機・銅部品の受注減は一服するとみられているが、米中対立が続いていることから、前月比で減少する可能性が高いとみられる。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%/前年比▲3.6%)
○16:45   11月仏消費者信頼感指数(予想:103)
○18:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○19:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○21:00   10月メキシコ貿易収支(予想:19.38億ドルの赤字)
○21:00   10月メキシコ失業率(季節調整前、予想:3.6%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   7-9月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率1.9%)
           個人消費(改定値、予想:前期比2.8%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比2.2%)
○22:30   10月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.8%/輸送用機器を除く前月比0.1%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.1万件/169.0万人)
○23:45   11月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:47.0)
○24:00   10月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.2%/前年比6.0%)
○24:00   10月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       10月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       10月米PCEデフレーター(予想:前年比1.7%)
       10月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.7%)
○28日00:30   EIA週間在庫統計
○28日01:30   米財務省、7年債入札
○28日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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