FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:週末控え午後から上げ幅縮小

中国の劉鶴副首相が21日に米国との第1段階合意について『慎重ながらも楽観』と述べたことが引き続き好感されたほか、中国がさらなる通商協議を行うため米交渉担当者を北京に招くという一部報道も材料視された。市場では『昨日まで3日続落していたこともあり、比較的買いに向かいやすい環境だった』との指摘もあった。午後に入ると香港株が上げ幅を急速に縮めたことで投資家心理が悪化したほか、週末を控えて手仕舞い売りに押された。結局、前営業日比74高の2万3112円と4日ぶり反発して終了した。

 

東京外国為替市場:材料乏しく108.60円付近でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、108.70円付近までじり高となった。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドル買い戻しにつながった。ただ、20日につけた108.74円上値目処として意識されると、上げ幅は一服した。その後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り108.65円前後でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、108.60円台を中心とした狭いレンジでもみ合いあった。ユーロ/ドルは、1.1065ドル前後でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国取締り警戒からビットコイン下落

インターネット上の暗号資産(仮想通貨)ビットコインが下落している。香港に拠点を置く交換業者バイナンスを巡り『中国当局の捜査により上海事務所が閉鎖された』との観測が広がり、中国当局の規制強化を意識した売りがビットコインに膨らんだ。バイナンスの上海事務所はもともと存在しないというが、『中国当局の取り締まりへの警戒感は根強く、ビットコインへの買いは鈍いまま』との声があった。ビットコインは10月下旬に一時1万ドルを回復するなど急上昇したが、その後は下落基調が続いている。

 

経済協力開発機構(OECD)の世界経済見通しを下方修正

OECDは21日、最新の世界経済見通しを発表した。2020年の世界経済成長見通しを2.9%と前回の3.0%から下方修正した。なお、2019年は2.9%で据え置いた。 一方、2019年の中国経済成長見通しを6.1%から6.2%、ユーロ圏の2020年経済成長見通しを1.0%から1.1%へそれぞれ上方修正した。また、2019年の日本の実質経済成長率が1.0%になるとの見通しを発表した。前回9月時点の予想を据え置いた。10月の消費増税の影響は財政支出や20年の東京五輪によって和らぐと分析。人手不足感から賃金上昇や設備投資の拡大が続くため、20年に0.6%、21年に0.7%と潜在成長率並みの経済成長が続くと見込む。

 

欧州市場では11月ユーロ圏製造業PMIが公表

10月改定値は45.9で9月の45.7から改善したものの、節目の50を9カ月連続で下回った。対米貿易摩擦や、英国の欧州連合(EU)離脱を巡って企業投資や需要の減少が指数低迷の要因となっている。この状況は11月も特に変わらず、節目の50を大幅に下回る見込み。

 

英国保守党の圧倒的な政治献金額

英国で来月12日の総選挙に向けた選挙戦の第1週に各政党が受けた政治献金の額は、ジョンソン首相が率いる与党・保守党が最大野党である労働党の26倍となった。 保守党が11月6日からの6日間で570万ポンド(740万ドル)の資金を集めたのに対し、労働党への献金は21万8500ポンドにとどまった。全政党への献金のうち87%が保守党に向けられた。 これほど高額の献金を集めたジョンソン氏の手腕から、同氏の人気の高さが浮き彫りになった。これは世論調査で他党をリードしている保守党に追い風となる。だが、保守党は大富豪や銀行、大手企業の味方だとする労働党の主張を裏付けることにもなりかねない。労働党には比較的小口の献金が集まる傾向があるとはいえ、より規模の小さい2政党よりも献金額が少なかった。同じ週の政治献金額は親欧州連合(EU)派の自由民主党が27万5000ポンド、ブレグジット党が25万ポンドだった。

 

米国市場では11月製造業PMIが公表

10月実績は51.3で市場予想をやや上回った。米中貿易摩擦の影響は多少緩和されているが、企業投資の抑制や輸出の伸び悩みなどの影響は消えていないことから、11月については、10月並みの水準にとどまるか、多少悪化する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○未定   11月月例経済報告
○16:00   7-9月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比0.1%/前年同期比0.5%)
○16:00   7-9月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比1.0%)
○17:15   11月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.9)
○17:15   11月仏サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○17:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○17:30   11月独製造業PMI速報値(予想:42.9)
○17:30   11月独サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○18:00   11月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.4)
○18:00   11月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.5)
○18:30   11月英製造業PMI速報値(予想:49.0)
○18:30   11月英サービス部門PMI速報値(予想:50.0)
○22:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○22:30   9月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.1%/自動車を除く前月比0.1%)
○23:45   11月米製造業PMI速報値(予想:51.5)
○23:45   11月米サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○23:45   11月米総合PMI速報値
○24:00   11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:95.7)
○23日01:20   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)外相会議(名古屋市、23日まで)
○24日 香港区議会(地方議会)選挙

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