FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中通商協議報道に振れる展開

米中通商協議の『第1段階』の合意が来年まで持ち越される可能性が出てきたことから米中対立が激化しそうとの不安ムードが急速に広がり、幅広く売られる展開となった。また、香港株式市場が大幅安で始まったことも嫌気された。しかし、中国の劉鶴副首相が、米国との第1段階合意について『慎重ながらも楽観』と述べたとの報道が相場に安心感与えた。日経平均を始め、上海総合株価指数や香港ハンセン指数などアジアの主要株価指数も下げ幅を縮小した。結局、前日比109円安の2万3038円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中通商協議報道で上下に振れる展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅安やアジア株安を背景にドル売り・円買いが先行し108.25円近辺まで下落した。朝方に伝わった『米上院で可決された香港人権・民主主義法案について、トランプ大統領が署名する見通し』との一部報道も、米中関係の悪化を警戒したリスク回避の円買いを誘った。しかし、14日につけた108.24円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後、中国の劉鶴副首相が米中貿易協議の第1段階合意について『慎重ながらも楽観的だ』と発言すると、短期筋などからショートカバーが持ち込まれ、108.50円付近へ急反発した。午後は日経平均株価の下げ幅縮小をながめた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、108.60円近辺へじり高となった。ユーロ/ドルは、1.1075ドルを挟んでこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

マイナス金利政策や地方経済低迷で本邦地方銀行経営は厳しい

東京証券取引所などに上場する地方銀行78行の2019年9月中間決算は、約7割に当たる56行で最終(当期)利益が前年同期に比べて減少した。このうち2行は最終赤字に転落した。 日銀のマイナス金利政策や地方経済の低迷で本業の貸し出し利益が減っているのに加え、融資先の倒産に備えた引当金費用が増えているのが要因となっている。地銀の経営は一段と厳しさを増している。 地銀78行の最終利益の合計は15.6%増の5515億円と中間決算としては4年ぶりに増加した。

 

ロシアのプーチン大統領はOPECとの協調減産に強力

ロシアのプーチン大統領は20日、原油市場の安定と予見可能性を維持する目標をロシアは石油輸出国機構(OPEC)と共有していると述べ、引き続き協調減産に強力する姿勢を示した。OPECと非加盟国で構成するOPECプラスは12月5日にウィーンで会合を開き、協調減産などについて協議する。ロシアの10月の産油量は日量1123万バレルと、9月の日量1125万バレルから減少した。ただ、OPECプラスの強調減産合意に基づくロシアの産油量(日量1117万-1118万バレル)は超えている。

 

香港人権法案は米下院が可決し大統領に送付

米下院は20日、中国が香港に高度の自治を保障する『一国二制度』を守っているかどうか米政府に毎年検証を求める『香港人権・民主主義法案』を賛成417・反対1で可決し、トランプ大統領に送付した。ホワイトハウスは、大統領が法案に署名するかコメントを控えている。ただ、共和党主導の上院と民主党主導の下院の双方が、ほぼ反対なしに法案を可決しており、大統領が拒否権を発動しても覆される可能性ある。拒否権を覆すには、上下両院で全体の3分の2以上の支持が必要となる。中国外務省も20日に国家の主権と安全保障を守るため必要な措置を取ると表明している。

 

米中通商協議の第1段階合意は来年にずれ込む可能性も

米中通商協議の『第1段階』の合意が来年にずれ込む可能性があると、ホワイトハウスに近い関係者などが明らかにした。中国が関税撤廃拡大を求めているほか、米国もしれに対応して要求を強めているのが要因。トランプ大統領とムニューシン財務長官は暫定合意を発表した先月11日、合意の文書化には最長5週間の時間を要すると述べていた。通商関係者や協議の説明を受けた関係者によると、この発言から約5週間が経過した現在でも合意の見通しはまだたたず、交渉がさらに複雑化する可能性がある。

 

米国市場では11月フィラデルフィア連銀景況調査が公表

米11月フィラデルフィア連銀景況調査は6.7と、10月の6.5を若干上回る見通しとなっている。直近のISM製造業景況指数は低水準に落ち込んでおり、製造業の地合いの悪さが示されれば追加利下げへの思惑が広がる。

 

欧米市場イベント

○16:30   7-9月期スイス鉱工業生産指数(予想:前年同期比3.5%)
○16:45   11月仏企業景況感指数(予想:105)
○17:10   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   10月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.2%)
○18:40   デギンドスECB副総裁、講演
○21:30   ECB理事会議事要旨(10月23日-24日分)
○22:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○22:30   11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:7.0)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.9万件/168.5万人)
○22:40   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○24:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.3)
○24:00   10月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○24:00   10月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.4%/年率換算547万件)
○22日00:10   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

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