FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高や中国経済指標の悪化を嫌気した売り

朝方に発表された日本の7-9月期実質GDP(国内総生産)は年率プラス0.2%と市場予想のプラス0.8%を下回ったが、株価は反応薄だった。そうした中、為替が円高に振れたことで、見送りムードが強まり、前日に軟化した地合いを引き継ぐ格好となっている。中国の経済指標が予想より下振れしたこともマイナス材料となった。結局、前日比178円安の2万3141円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:株価下落でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、米中通商交渉の先行き不透明感から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、108.70円近辺まで下落した。中国国家統計局が発表した10月鉱工業生産や小売売上高が予想を大きく下回り、日経平均株価が急速に伸び悩んだことも、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、日経平均株価の下げ幅拡大をながめて108.63円程度までじり安となった。その後は、本邦実需筋などの値ごろ感からのドル買い・円売りで108.70円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速に対する根強い懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.10ドル台を割り込み1.0995ドル近辺で値を下げた。

 

過激化する香港の警察とデモ隊

反政府抗議活動が続く香港では、13日も朝から交通妨害が行われ、鉄道やバスなどの主要交通網は3日連続で一部まひ状態となった。各地で火炎瓶や催涙弾を使ったデモ隊と警官隊の衝突が頻発し、混乱は香港全土に及んでいる。教育局は、14日の域内全ての学校の休校を決定した。香港警察は13日の記者会見で、前日の抗議活動に関連して1567発の催涙弾と1312発のゴム弾を撃ったと発表した。6月の「100万人デモ」後、100日間で使われた催涙弾約2400発の半分超の数を1日で放ったことになる。

 

欧州市場では7-9月期ユーロ圏域内総生産改定値が公表

速報値は、前年比+1.1%だった。米中の貿易摩擦などを背景にドイツを中心に輸出が落ち込み、生産にも影響が波及しつつある。改定値ではいくつかの項目が修正される見込みだが、上方修正される項目は少ないことから、速報値と同水準となる可能性がある。

 

英国総選挙終了するまでは最新支持率調査でポンドが振れる展開

調査会社Kanterによると、最新の支持率調査で保守党は37%、労働党は27%、自由民主党は17%、ブレグジット党は9%という結果が出た。昨日に市場調査会社YouGovが発表した調査では保守党の支持率は42%だったため、これを受けてポンドは売りで反応した。

 

米10月コア消費者物価指数の前年比は予想外に低下

米労働省が発表した10月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と9月0.0%から予想以上に上昇した。3月来で最高となった。前年比では+1.8%と、予想外に9月+1.7%から上昇し7月来で最高となった。変動の激しい原油や食品を除いたコアCPIは前月比+0.2%と予想通り9月+0.1%から上昇した。特に連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している前年比では+2.3%と予想外に9月+2.4%から低下し7月来で最低となった。 そのため、米10年債利回りは1.86%まで低下後も6日来の低水準付近で推移した。

 

パウエル米FRB議長の議会証言の内容

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエルFRB議長は13日、上下両院合同経済委員会での公聴会に参加し、経済が軌道上にある限り『政策は適切』との見解を示し、10月FOMCで示した年内政策を据え置く姿勢を確認した。ただ、見通しが大きく修正された場合、FRBはそれに対応していくと加えた。現在、政策据え置きを見込む判断の基盤となるもっとも可能なシナリオとして、①緩やかな成長と②強い労働市場、③インフレは2%前後で推移すること、と説明した。景気に関し、基本見通しは『楽観的』としたものの、『リスクは依然下方』で、『注目に値すべきリスクが残る』と慎重な姿勢を見せた。さらに、インフレに関しても『低インフレのリスクは上昇リスクより大きい』と指摘するなど、FOMCの次の行動は利上げよりも利下げに依然傾斜していることも確認された。国外の不景気、貿易の不透明性がリスクを生むと指摘した。今後の連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げの行方は結局、米中通商協議、関税の行方次第になる。

米大統領選にヒラリー・クリントンの参戦の可能性も

ヒラリー・クリントン元米国務長官(72)は12日、2020年米大統領選への出馬について『絶対にないとは言わない』と述べ、排除しない考えを示した。民主党の候補指名争いは中道派の本命と目されていたバイデン前副大統領(76)の支持が伸び悩み、他の中道候補も出馬を探っている。クリントン氏の発言は本命不在で深まる混迷ぶりを映し出す。クリントン氏はかねて出馬に意欲があると伝えられていた。中道派の候補ではマイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長(77)も出馬を検討している。出馬に必要な手続きを進めているとされ、同氏のスポークスマンも事実関係を認めた。

 

欧米市場イベント

○15:30   10月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比▲0.24%)
○16:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比0.5%)
○16:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.9%)
○16:00   9月トルコ鉱工業生産
○16:30   10月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲0.1%)
○16:45   10月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比0.7%)
○17:30   10月スウェーデン失業率
○18:30   10月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.2%/前年比3.7%)
      英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
○18:45   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:00   7-9月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.2%/前年比1.1%)
○19:30   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、あいさつ
○20:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   9月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○22:30   10月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比0.9%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/168.7万人)
○23:00   クラリダFRB副議長、講演
○23:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○23:10   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○24:00   パウエルFRB議長、米下院予算委員会で証言
○15日01:00   EIA週間在庫統計
○15日01:45   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、あいさつ
○15日02:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○15日02:20   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○15日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○15日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.50%に引き下げ)
○新興5カ国(BRICS)首脳会議(ブラジリア)

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