★日経平均株価:香港のデモ混乱を嫌気した売り優勢
前週末の米国株式市場が上昇した流れを引き継ぎ、朝方は買いが先行した。上げ幅を一時80円近くまで拡大した。ただ、その後は米中通商協議をめぐる不透明感や連騰後の高値警戒感などから売りが優勢となり、マイナス圏に沈んだ。香港で警官とデモ隊が激しく衝突し、混乱が広がっていることを懸念材料となり、午後から軟調地合いで推移した。結局、前日比60円安の2万3331円と5日ぶりに反落して終了した。
★東京外国為替市場:香港のデモでの混乱を嫌気してリスク回避
ドル/円は、日経平均株価の反落や中国株安をながめたドル売り・円買いに押され、109.00円近辺まで下落した。香港で警官とデモ隊が激しく衝突し、混乱が広がったこともリスク回避の円買いを誘った。午後に入ってもドル売り・円買いは続き、108.97円近辺まで値を下げる場面があった。しかし、米中通商交渉の行方を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、日中の株価動向をにらみながら、109.05円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは1.10ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★英国のEUからの合意なき離脱の可能性残る
6日に英下院が解散し、12月12日の総選挙に向けての選挙戦が本格的に始まった。クリスマス前の繁忙期で天候も厳しい12月の総選挙は1923年以来となる。この総選挙はジョンソン首相にとって国民に初めて評価される『審判の場』であり、離脱の命運を有権者に委ねる『事実上の国民投票』でもある。最近の世論調査では、保守党はおおむね40%弱の支持率を保ち、2位の労働党に10%以上の差をつけている。世論調査は、ジョンソン首相が離脱の実現を国民に託す方針の正しさを示唆しているといえるが、過半数を取れるかどうかは不透明だ。2017年のメイ前政権下の総選挙で、世論調査では保守党の大勝が見込まれていたが、結果は過半数割れとなった。保守党が過半数を獲得できれば、EUと合意した離脱案で来年の1月末までの離脱の可能性が高まるが、保守党が単独過半数を獲得できなかった場合は離脱をめぐる不透明感は払しょくされず、『合意なき離脱』のリスクも残される。
★米大手2銀行が金のポジションを解消
ウォール街の大手銀行2行は金のポジションを解消したという。米メディアによると「JPモルガン・チェースの資産配分チームは金のヘッジを解消するとともに投資判断を『オーバーウエート』から『アンダーウエート』に引き下げた」もよう。シティ・グループのストラテジストも「金のロングポジションを解消した」と7日付けのリポートで明らかにしている。米国株が史上最高値を更新し米国債の下落傾向が顕著な状況とあっては、1400ドル付近までの調整の可能性もあるので注意。
★パウエルFRB議長とクラリダFRB副議長などの発言に注意
今週、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が両院経済合同委員会、下院予算委員会の公聴会で景気見通しに関して証言を予定している。リスクは依然、存続しており、金利のバランスは下向きだ。そのほか、FRBの中でもパウエル議長と同じく影響力のあるクラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長やウィリアムズ米NY連銀総裁も講演を予定しており、発言に注目が集まる。また、米国経済の7割を消費が占めるため注目される小売売上高の10月分も9月のマイナスからプラスに改善が予想されている。また、利下げを実施する一因ともなった重要なインフレ指標も発表予定されている。
★予断を許さない米中通商協議の行方
11月中旬に予定されていた米中首脳会談が12月に先送りされる可能性が報じられたことで、米中通商『第1段階』の部分合意に向けた米中通商協議が難航しているのではないかとの警戒感が高まりつつある。10月の米中通商協議では、『第1段階』としての部分合意に到達し、中止となった11月16-17日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて予定されていた米中首脳会談で合意文書に署名することが予定されていた。トランプ政権は、11月中に米国で米中首脳会談を開き合意文書に署名したい意向と報じられていたが、中国側が第1段階での米国産農産物輸入の見返りとして追加関税撤回を要請し、第1段階の部分合意に達した場合、段階的に関税を撤廃することを要請している模様で、予断を許さない状況が続いている。トランプ政権は、対中追加関税第1・2・3弾(約2500億ドル・25%)は30%への引き上げを保留し、第4弾(15%)として、9月15日(約1250億ドル)に発動し、12月15日(約1600億ドル)も発動を示唆している。
★欧米イベント
○16:00 10月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.8%)
○16:00 10月独卸売物価指数(WPI)
○18:30 9月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.1%)
○18:30 7-9月期英GDP速報値(予想:前期比0.4%/前年比1.1%)
○18:30 9月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:100.00億ポンドの赤字/20.00億ポンドの赤字)
○18:30 9月英鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.2%/前年比▲1.3%)
製造業生産高(予想:前月比▲0.3%)
○21:00 9月メキシコ鉱工業生産
○21:00 9月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲2.3%)
○22:15 ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○12日00:30 メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場
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