FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:権利落ちで軟調地合い

朝方は、配当権利落ち分を考慮すると実質的にプラスで始まったものの、前場中盤から利益確定売りが先行する展開となった。ドル/円相場に重さが感じられるなど買い材料が乏しく、幅広く売られた。ただし、権利落ち分が160円であり日経平均は事実の下げは小幅に留まっており、心理的な不安を誘いながらも、大崩する雰囲気にもなっていない。前営業日比169円安の2万1878円と下落して終了した。

 

東京NY外国為替市場:ドル/円は107.70円前後でもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価の反落を眺めたドル売り・円買いが先行し、107.65円近辺へ下落した。トランプ大統領に弾劾の可能性が浮上していることも、ドルの重石となった。しかし、来月10日にも再開される閣僚級の米中通商協議の進展期待が高まっているため、下押しは限られた。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りが入り、107.75円前後まで値を戻した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.70円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、ECBが利下げや量的緩和に積極的な姿勢を見せていることから、1.09ドル台前半で上値が重い展開となった。

 

米国短期金融市場機能不全ならQE4の大義名分の可能性も

『米国株が織り込む景気後退(リセッション)確率は34%』と米モルガンスタンレーのストラテジストは23日公表した試算で、1年以内の米リセッション懸念は少数派と言い切る。むろん、9月18日のレポ金利10%への急上昇が金融緩和要因となりかねない。レポ金利急上昇はリーマンショック発端ベアー・スターンズ破綻(08年3月)時にも起きただけに不穏な兆候である。レポ金利の急騰は、法人税支払いや米国債入札等の資金需要が高まったことによるが、NY連銀が公開市場操作(オペ)を通じて531.5億ドルを供給する極めて異例の事態となった。FRBはレポ金利急騰の警告を真摯に受け止めざるを得ず、バランスシート拡大『QE4』(量的緩和第4弾)に戻る大義名分となる可能性がある。何より、FRB議長に『QE4辞さず』の構えでFRB包囲網を強化しているのはトランプ大統領であり、大統領選で現職大統領の再選を阻む最大の障害がリセッションであることは言を待たない。

 

トランプ大統領の弾劾問題が長引く可能性も

トランプ米大統領の弾劾への脅威がくすぶり慎重な展開が継続している。トランプ大統領が弾劾される確率は50.51%。任期中に離職する確率は20%となっている。ホワイトハウスが25日、問題となるトランプ大統領と、ウクライナ大統領との電話会談の記録を公表したことに続いて、米下院は内部告発の申し立てを公表した。第3者による証言が行われており、警戒感が台頭する。トランプ大統領の弾劾には超党派の支持が必要となる。現状では弾劾の論拠は低く、政治的な動きと見られている。しかし、弾劾調査は2020年大統領選挙まで継続する可能性が強く、トランプ大統領の経済政策の前進を一段と困難にし、年初からすでにペースが鈍化している成長に影響を与える可能性が懸念されている。

 

米国市場では8月PCEコア価格指数が公表

7月の実績は前年比+1.6%だった。経済成長の減速見通しは後退していないものの、個人支出の伸びが一層鈍化する兆しはみられない。8月については、財・サービスの支出増が予想されており、伸び率は7月実績をやや上回る可能性がある。

 

米国では米8月耐久財受注が公表

7月の実績は前月比+2.0%で市場予想を上回った。民間航空機受注の急増が寄与した。8月については輸送用機器の受注額が大幅に減少し、全体の受注額も大幅に減少し、全体の受注額も大幅に減少する可能性が高いものの、コア資本財の受注はやや増加する可能性がある。

 

 

欧米イベント

○15:00   8月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.3%/前年比▲2.6%)
○15:45   8月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   8月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○15:45   9月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比1.0%)
○16:00   サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○16:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、クノット・オランダ中銀総裁、講演
○17:00   9月ノルウェー失業率(予想:2.2%)
○18:00   9月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲6.8)
○18:00   9月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:103.0)
○21:30   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○21:30   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○21:30   8月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       8月米個人所得(予想:前月比0.4%)
       8月米PCEデフレーター(予想:前年比1.4%)
       8月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.8%)
○21:30   8月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.0%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○22:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:92.0)
○28日02:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○安倍晋三首相、ベルギー訪問
○29日 NZが夏時間に移行

 

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