FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:朝高の後利益確定売りに上げ幅縮小

米中通商合意への期待が高まり、前日の米国株主要3指数がそろって上昇した。東京市場でも中国関連株をはじめ、幅広い銘柄に買いが先行した。日米が貿易協定で合意し、車への追加関税回避が確認されたことで、自動車株はしっかりだった。寄付き後には上げ幅を一時160円超に拡大したが、徐々に利益確定や調整の売りなどに押された。結局、前日比28円高の2万2048円と小反発して終了した。

 

東京外国為替市場:107.60円前後でこう着相場

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅縮小や米長期金利を眺めたドル売り・円買いが先行し、107.60円付近まで下落した。しかし、前日に伝わったトランプ米大統領の米中通商交渉に対する楽観的な発言が好感されているため、下押しは限られた。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、107.65円を挟んでもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価の動向をにらみながら、107.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。月末に絡む本邦実需筋の売り買いは午前で一巡した。ユーロ/ドルは、1.0960ドル前後で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国政府は財政面での支援強化と金融面では小出し緩和

足下の中国経済は内・外需双方で景気への下押し圧力が強まる展開が続いている。ただし、来月には建国70周年という政治イベントを控えるなか、金融市場では景気下支え強化を期待する向きは根強い。事実、先月以降に中銀は事実上のステルス緩和に動き、政府も20項目の消費喚起策を発表した。こうしたなか、建国70周年を前にマクロ政策を統括する高官が一堂に記者会見に臨み、当面の景気動向を占う材料と期待された。易鋼人民銀総裁は、先行きの金融緩和に含みを持たせる一方、大規模緩和に消極姿勢を示すなど今後も小出し緩和を続ける可能性を示唆した。寧吉哲発改委副主任は自動車購入に関する規制緩和及びインフラ投資の加速に言及し、劉昆財務部長もインフラ投資加速に向けた財政支援を進める考えを示した。ただし、彼らは米中協議を担うにも拘らず、その動向に言及がないなどその行方に不透明感は残る。インフラ投資の加速など下支え策は期待されるが、米中摩擦激化なども懸念され、当面は『良くて底這い』の展開が続く可能性が高い。

 

憶測を呼びそうなECB理事の退任

欧州中央銀行(ECB)はラウテンシュレーガー専務理事が任期切れを待たずに10月31日付けで退任すると発表した。ドイツ出身の同氏は量的緩和政策の再開に批判的な立場だった。任期を2年以上残しての突然の辞任発表だったことから、市場では『憶測を呼びそうだ』との声が聞かれている。

 

トランプ米大統領の弾劾リスクの後退

トランプ米大統領の弾劾への脅威が後退しリスク回避の動きも一段落した。まず、最終的に大統領の弾劾にいたるまで、相当の時間がかかる。弾劾の確率は上昇したものの依然50%以下となる。何の決め手となる証拠がない中での弾劾調査開始発表は政治的なリスクとの見方もある。ペロシ下院議長は24日にトランプ大統領への弾劾調査を開始したと正式発表したが、下院での支持票は承認に必要となる下院数の3分の2にあたる218票には届いていない。一部の委員会ではすでに、弾劾調査は始まっているため、状況が急激に変わったわけではないとの見方である。 また、何らかの重要な証拠が表面化しない限り、共和党が過半数を占める上院で、弾劾が可決される可能性も少ない。 

 

トランプ大統領にとっては許せない状態:GM全面スト

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の工場従業員らによる全面ストが長期化の様相を呈している。賃金や医療費負担の水準など労働条件をめぐる旧来の争点に加え、電気自動車(EV)重視の経営戦略に対する労働組合の懸念も対立が長引く一因となっている。GMと全米自動車労組(UAW)は、4年に1度の労使協約の改定で折り合えず、31工場に勤務する組合員約4万6000人が12年ぶりとなる全面ストに突入。ストは25日で10日目を迎えた。前回の2007年のストは2日間で収束したが、今回は労使とも落としどころを見いだせていない。

 

米国市場では国内総生産(GDP)確定値が公表

4-6月期米国内総生産(GDP)確定値は前期比+2.0%と、改定値から横バイの内容が見込まれる。速報値の+2.1%と大きな差はなく、米国経済は底堅いとの見方が広がった場合、追加李さえ観測を弱める要因となる。

 

欧米イベント

○15:00   10月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:9.7)
○17:00   8月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比5.1%)
○18:30   8月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比4.6%)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率2.0%)
           個人消費(確定値、予想:前期比4.7%)
           コアPCE(確定値、予想:前期比1.7%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.2万件/166.5万人)
○22:30   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○22:45   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○23:00   8月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.9%/前年比1.3%)
○23:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、あいさつ
○27日00:45   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、あいさつ
○27日02:00   米財務省、7年債入札
○27日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.75%に引き下げ)
○27日03:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○27日05:30   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ