FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:1ドル=108円割れを嫌気して上げ幅縮小

米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過したことで、朝方から幅広い銘柄に買いが先行した。米国の追加利下げ期待が後退する中、米長期金利が上昇してドル高・円安基調となったことも支援となり、一時300円近い上昇となった。しかし、日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したと発表したことで、為替が円高に振れ、1ドル=108円を割り込んだことをにらんで上げ幅を縮小した。結局、前営業日比83円高の2万2044円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:日銀の追加緩和見送りで円買い優勢に

ドル/円は、国内輸出企業などがドル売り・円買いに動き、108円台半ばから108円近辺へ下落した。8月豪雇用統計の弱い数字を背景に、豪ドル/円の下落が波及した面もあった。昼前に、日銀金融政策決定会合の結果が発表され、短期金利をマイナス0.1%。長期金利を0%程度に操作する大規模な金融緩和を維持することを決定したが、市場の反応は限定的だった。午後は、日銀の追加緩和見送りが改めて意識され、108円を割り込んで107.74円近辺まで軟化した。日経平均株価の伸び悩みや米長期金利の低下も、ドル売り・円買いを誘発した。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に下落した反動から、利益確定などのユーロ買い・ドル売りが持ち込まれ1.1040ドル台へじり高となった。

 

日経平均株価の上昇は裁定売り残の買い戻し

技術的な要因が背景と言われているものの、根本的に流動性が不十分である証拠となる。また、今回は信用ひっ迫の結果ではないものの短期金利の突然の急伸は、急激で無秩序なリスクに繋がるため度々警戒材料となる。機関投資家の期末ショートカバーに個人の売り方の買い戻し等、怒涛の買戻しが10連騰を支援した。何より、ネット裁定残(裁定買い残高-裁定売り残)が歴史的な規模の売り越し超過の状況にあり、こうした裁定売り残のショートカバーの買いがまだ続きそうだ。東京証券取引所が11日発表した6日時点の裁定買い残は4週ぶりに減少、前週比-1165億円の3720億円と16年9月以来約3年ぶりの低水準となった。一方、裁定売り残は前週比+1281億円の2兆0666億円と2兆円を突破し、東証がデータ公表始めた1991年以来の過去最高を7週連続で更新した。そのため、2兆円を突破した裁定売り残に象徴される内外機関投資家の売りポジション解消の怒涛の買い戻しが日経平均2万4000円の戻り高を後押す可能性が出てきた。

 

英中央銀行政策金利発表:政策金利は据え置きの見込み

英議会は来年1月末まで離脱期限を延期するよう欧州連合(EU)に要請することを義務付ける離脱延期法を可決したが、EUからの英国の離脱を巡る情勢は依然流動的であり、離脱期限も正式に確定していない。英中央銀行は今回も金融政策の現状維持を決定し、状況の変化に応じて機動的に対応する見込み

 

欧州の新車販売台数の減少止まらず:フランスの落ち込み大きい

欧州自動車工業会(ACEA)が18日発表した2019年8月の欧州主要18カ国の新車販売台数(乗用車)は、前年同月比8.4%減の93万2501台だった。マイナスは12カ月連続となった。18年8月に規制変更前の駆け込み需要があった反動が出た。19年1~8月の累計は前年同期比3.6%減った。国別ではドイツが0.8%減、フランスが14.1%減、英国は1.6%減だった。

 

NY連銀は連日のレポ取引にて資金供給:短期市場金利上昇

米連邦準備理事会(FRB)傘下のニューヨーク連銀は18日、フェデラル・ファンド(FF)金利を誘導目標の2.00─2.25%の範囲内に維持するため、レポ取引を通じて750億ドルの資金供給を実施した。NY連銀は前日はレポ取引を通じて531億5000万ドルの資金を供給した。前日の資金供給オペは約10年ぶりのもので、NY連銀は18日もレポ取引を通じた金融調節を実施し、最大750億ドルを供給すると表明していた。資金供給を受け、銀行や企業が資金調達する際に支払う翌日物レポ金利は低下した。
リフィニティブによると、18日米東部時間午前8時37分(日本時間午後9時37分)時点で、翌日物レポ金利は2.25─2.60%。資金供給実施前は2.60─3.00%だった。NY連銀が18日公表したデータによると、FF金利の実効レートは17日に2.30%に上昇し、金融危機以来約10年ぶりにFRBの誘導目標を超えた。

技術的な要因が背景と言われているものの、根本的に流動性が不十分である証拠となる。また、今回は信用ひっ迫の結果ではないものの短期金利の突然の急伸は、急激で無秩序なリスクに繋がるため度々警戒材料となる。

 

FOMCの年内の追加利下げが不鮮明に

連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利のFF金利誘導目標を25bp引き下げ1.75%-2.0%に設定した。声明の中で、世界経済の成長減速やインフレの低迷で利下げを実施したことを再表明した。 声明では前会合からの修正は少ない。消費は『強いペースで伸びた』(前回:消費の伸びは年初に比べて加速)と上方修正された一方で、企業の投資や輸出は弱まった(前回:企業の設備投資は軟化)と下方修正された。 利下げの軌道に関しては、メンバー内の見解の相違がより拡大。前回は8対2で利下げを決定したが、今回は7対3と反対票が増えた。前回も据え置きが必要と主張し利下げに反対したローゼングレン・ボストン連銀総裁とジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁が再び据え置きを主張した。一方で、新たに、ブラード・セントルイス連銀総裁が50ベーシスポイントの利下げを主張した。また、四半期に一度公表されるスタッフ予測の中で、5人のメンバーが2%-2.25%の水準で据え置くべきと見ていたほか、他の5人のメンバーが9月の25bpの利下げ後据え置きが必要と見ていたことが明らかになった。その他の7人のメンバーがさらに1回以上の利下げが必要と予想した。計10人のメンバーが年内の追加利下げが必要ないと判断している。年内の追加利下げが必要とした7人を上回った。年内の追加利下げの可能性が一段と不鮮明になった。

 

★欧米市場イベント

○未定  9月月例経済報告
○16:30  スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き
○17:00   7月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:1.25%で据え置きと1.50%に引き上げで拮抗)
○17:30   8月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比横ばい/前年比2.9%)
      英小売売上高指数(自動車燃料除く、予想:前月比横ばい/前年比2.6%)
○19:00   レーン・フィンランド中銀総裁、議会証言
○19:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○20:00   MPC議事要旨
○21:30   4-6月期米経常収支(予想:1278億ドルの赤字)
○21:30   9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:11.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.3万件/167.2万人)
○23:00   8月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.1%)
○23:00   8月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲0.4%/年率換算537万件)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○米中次官級貿易協議(ワシントン、数日間の見込み)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

 

 

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