FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク選好の動きが強まり9日続伸

米中貿易摩擦の対立が一段と緩和されるとの期待が高まる一方、欧州中央銀行(ECB)の利下げが好感され、幅広く物色された。SQ(特別清算指数)を算出してから利益確定売りに押される場面があったものの、その後は売りを吸収して上げ幅を広げる展開となった。米国で減税など新たな景気刺激策が浮上し世界景気減速への懸念が和らぎ一時5月以来4ヵ月ぶりに節目2万2000円台を回復した。結局、前日比228円高の2万1988円と9日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:108円台で底堅い展開

ドル/円は、米中通商交渉が進展するとの期待から一時108.26円近辺まで上昇し、約1ヵ月半ぶりの高値を付けた。日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利が上昇したことも、ドル買い・円売りにつながった。しかし、今晩発表される米8月小売売上高を見極めたいとの雰囲気もあり、ドルの上げは一服した。午後は新規の手掛かり材料に乏しく、108.10円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは1.1070ドルを挟んで小動きの展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

世界の金融緩和が本格化:ECBはマイナス金利深堀り

欧州中銀(ECB)は12日の理事会で2018年12月に打ち切った量的緩和(QE)の3年半ぶり再開とマイナス金利深堀りを決めた。マイナス金利は銀行が中央銀行に余剰資金を預ける際の金利を現在のマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げる。
ECBのQE再開とマイナス金利深堀りは、米中貿易戦争の激化や英国「合意なきBrexit」を巡る先行き不透明感等を背景とした世界減速に歯止めをかける狙いがある。物価上昇率も2%目標を大幅に下回り低インフレ・低金利・低成長から脱出できない危機感がある。
米FRBも17-18日のFOMCでの追加利下げが確実視され、中国は預金準備率0.50%引き下げに動き、他の新興国にも追随緩和の動きが広がりつつあり再び世界的な金融緩和局面入りが旗幟鮮明となってきた。

 

早いトルコ中銀の利下げペース

トルコ中銀は昨日、政策金利を19.75%から16.50%に大幅に引き下げた。市場は17.25%への引き下げを予想していたが、市場予想を上回る利下げ幅となった。物価上昇率が縮小傾向で、金融緩和を進めて景気をテコ入れする好機だと判断したようだ。エルドアン大統領は8日の演説で『中銀は近く政策金利を一桁まで引き下げるだろう』と発言しており、『金融政策に介入するエルドアン大統領の意向が働いた可能性もある』という。なお、中銀は声明でリラ相場の安定に触れ『インフレ見通しは改善を続けている』『経済活動は緩やかな回復が続いている』と表明し、『一段の利下げの余地は小さい』と示唆した。市場では『今後はエルドアン大統領と市場との相反する要求の間で慎重な道筋を取る」と受け止められた。 為替市場ではトルコリラを買う動きが優勢となっている。

 

米国市場では8月小売売上高が公表

7月実績は前月比+0.7%で市場予想を上回った。幅広い品目で売上高が増加した。ただ、7月は一部通信販売における売り上げ増加の影響があった。8月については、複数の項目で売り上げは減少したとみられており、全体の売上高は小幅な伸びにとどまる可能性がある。

 

米国市場では9月ミシガン大学消費者信頼感指数が公表

参考となる同指数の確報値は89.8で速報値から下方修正された。ただ、8月のCB消費者信頼感指数は市場予想を上回る135.1となった。現況指数は177.2で2000年11月以来の高水準を記録しており、9月のミシガン大学消費者信頼感指数については、雇用や収入の増加が引き続き評価される可能性があることから、8月確報値を上回るとみられる。

 

欧米イベント

○15:00   8月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   7月トルコ経常収支(予想:12.4億ドルの黒字)
○16:00   7月トルコ鉱工業生産(予想:前月比1.4%)
○16:30   4-6月期スウェーデン国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比▲0.1%)
○18:00   7月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:175億ユーロの黒字)
         ユーロ圏貿易収支(季調前、予想:174億ユーロの黒字)
○21:30   8月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.4%)
○21:30   8月米小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.1%)
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:90.9)
○23:00   7月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○欧州連合(EU)非公式財務相理事会(ヘルシンキ、14日まで)
○中国(中秋節)、韓国(秋夕)、休場

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