FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中協議進展期待と円安を好感

米中協議の進展期待の高まりや、外国為替市場でドル/円が円安に振れていることなどを好感して、輸出関連株を中心に幅広く買われた。前日までは、朝方の変動が一巡した後は、動きが止まったものの、この日は買いが一巡した後にじり高の展開となるなど、動きにうねりが出てきたことが注目された。トランプ米大統領が、日本との貿易交渉が基本合意したことを受け、日本車への追加関税を考えていないとの意見を表明したことも注目された。結局、前日比195円高の2万0456円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下からやや円買い優勢に

ドル/円は、月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いや米長期金利の低下を背景に105.60円近辺までじり安となった。香港政府トップのキャリー・ラム行政長官が『デモによる暴力行為には我慢に限界がある』と発言したことこ、デモ拡大による混乱を警戒した買いを誘った。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、105.70円前後でもみ合う展開となった。再開が予定されている米中通商交渉の行方を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.1100ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米国景気にも陰りが出ていた昨日の米経済指標結果

米商務省が発表した7月耐久財受注速報値は前月比+2.1%となった。伸びは鈍化予想に反して6月+1.8%から拡大。1年ぶり最大となった。一方で、変動の激しい輸送用機を除いた耐久財受注速報値は前月比-0.4%と、6月+0.8%から予想外のマイナスに落ち込み3月来で最低。国内総生産(GDP)の先行指標となる航空機を除く非国防製造業出荷・資本財速報値は前月比-0.7%と、予想外に3月来のマイナスに落ち込み2016年10月以降ほぼ3年ぶりの低水準を記録した。
同時刻に発表された米国の7月シカゴ連銀全米活動指数は-0.36と、やはり予想外に4月来のマイナスに落ち込んだ。

 

輸出依存度が低い米国だから通商協議に強気

輸出依存度・輸出性向とは、一国の経済が輸出に依存する割り合いを示す。名目の国内総生産(GDP)や国民所得などに対する輸出額の比率で表す。 日本は1990年半ばの8%台から2007年には16%近辺まで依存度が高まったが、その後は上昇が一服した。2017年の輸出依存度(輸出額÷名目GDP)は14.3%だった。他国の輸出依存度は、韓国は約37.5%、またスイスなども42.5%と高いが、さらに依存度が強いのは78%超のオランダ。これらと比較すると、日本は貿易立国というよりも内需依存型になっている。主要7カ国首脳会議(G7サミット)が、フランスのビアリッツで開催された。日本以外6カ国の17年・輸出依存度は、ドイツの39%が一番高く、その次にイタリア26%、カナダ25.5%が続く。フランスは20.7%となり、英国が日本と近くて16.7%だった。G7で日本より輸出依存度が低いのは7.9%の米国のみであり、内需依存型といえる。そのため、トランプ大統領が各国への通商協議に強気に出れるのは、輸出依存度がひくいからである。

 

米企業の自社株買い減少で下落時の警戒感高まる

米企業の自社株買いが1年半ぶりの低水準に減速している。法人税改革を受けた自社株買いの勢いが弱まるにつれ、この先市場のボラティリティーが一段と高まる兆しかもしれない。S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの推計によると、S&P500種構成企業が2019年4-6月期に実施した自社株買いは総額約1660億ドル(約18兆円)と、1-3月期の2058億ドル、前年同期の1906億ドルをともに下回った。これは2017年10-12月期以来の低水準で、2四半期連続の減少となる。米中貿易摩擦の激化で相場のボラティリティーが高まったなかで企業が自社株買いの手を緩めたことに、一部投資家は警戒感を強めている。S&P500種株価指数は5月に7%近く下落したが、自社株買いデータからは、企業が18年10-12月期のように株価の下支えに踏み出さなかったことがうかがえる。これは企業が支出を引き締めている可能性を示す。企業幹部は対中貿易摩擦が長引く中で新たな関税の脅威にさらされているうえ、業績軟化や世界的な成長減速の兆候、連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策を巡る不確実性にも直面している。

 

米国市場では消費者信頼感指数が公表

7月実績は135.7だった。堅調な雇用情勢や金利低下期待が指数の上昇に寄与下。8月については、雇用情勢は変わらず良好であることやビジネス環境の改善が期待されていることから、消費者信頼感は相対的に高い水準を伊jいする可能性があるが、7月実績には届かない見込み。

 

欧米イベント

○15:00   4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比0.4%)
○15:00   4-6月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比横ばい)
○15:45   8月仏消費者信頼感指数(予想:102)
○15:45   8月仏企業景況感指数(予想:104)
○21:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:00   6月米住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
       4-6月期米住宅価格指数(予想:前期比0.2%)
○22:00   6月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比2.4%)
○23:00   8月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲2)
○23:00   8月米消費者信頼感指数(予想:129.5)
○28日02:00   米財務省、2年債入札

 

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