FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:利益確定売りに上値重い展開

朝方は米国株高を好感して先物主導で上昇し、つれて現物市場も輸出関連株を中心に買い優勢で始まった。しかし、買い一巡後は伸び悩み、商いは引き続き細った。22日からのジャクソンホール会議を前に株価反発で海外短期筋が利益確定売りに傾斜し上値を抑えた。結局、前日比9円高の2万0628円と小幅に反転して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下でドルの上値重い展開

ドル/円は、前日のNY時間に米株高で堅調となった流れを引き継ぎ、106.65円まで上昇した。しかし、20日につけた106.69円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いが入り、106.40円近くへ軟化した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。午後は、株価や金利動向をにらみながら、106.40円台を中心とした狭いレンジで取引された。明日のジャクソンホールで予定されているパウエルべりFRB議長の講演を前に、様子見ムードが強かった。ユーロ/ドルは、1.1085ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では8月マークイットユーロ圏製造業PMIが公表

7月実績は46.5だった。ドイツ製造業の業況悪化などによって指数の低下が続いている。8月についてはドイツとフランスの製造業の業況は改善していないことから、製造業PMIの改善は期待できない。

 

イタリア議会では新たな連立かそれとも総選挙か

イタリアのコンテ首相が辞表を提出したことを受け、マッタレッラ大統領は21、22の両日、新たな政権発足に向けた各党との協議を行う。連立交渉がまとまらなければ、議会を解散し総選挙を実施する可能性がある。与党右派『同盟』を率いるサルビーニ副首相は9日、連立を組む新興左派『五つ星運動』との対立激化を理由に内閣不信任案を提出した。早期の総選挙を主張している。一方、支持率が同盟を下回る五つ星は総選挙を回避したい考えだ。これに前与党の中道左派・民主党が同調する動きを見せており、新たな連立の枠組みが生まれるとの見方がある。同盟の議席数は五つ星を下回るものの、最近の支持率は約38%に上昇した。一方、五つ星は約17%で低迷している。総選挙が実施されれば、同盟の躍進は確実だ。

 

7月FOMC議事要旨ではハト派色強まらず

7月の利下げは①成長減速、②リスク管理、③低インフレが理由となったことが明らかにされた。『サイクル半ばの調整』と大半のメンバーが判断した。経済指標も前回会合時に比べ改善が見られると指摘している。世界経済が低迷する中、米国経済には弾力性があり、『成長を持続すること』が最も可能性のあるシナリオだとの見解が示された。FOMCメンバーは、貿易政策の不透明性のリスクは上昇し、貿易の逆風が長期化すると見ている。 議事録では数人のメンバーが金利据え置きを主張した一方で、2名のメンバーが50ベーシスポイントの利下げの必要性を主張した。ハト派で知られるカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁以外のメンバーが50ベーシスポイントの利下げを主張したことはサプライズととらえられている。米国債相場では議事録が期待されていたほどハト派色が強まらず、2年債利回りと10年債利回りは15日以降初めて、再び一時逆転した。市場はFRBの積極的な行動を求めている証拠となった。
議事録の内容は、今後のドルの行方を決定するようなカタリストにはならなかった。

 

トランプ大統領のドル高発言に無反応

トランプ米大統領はツイッターで『ドルは米国の歴史上最も高い』とツイートした。このツイートを読み、多くの市場参加者は、ドルインデックスを見ても、ドル/円、ユーロ/ドルなど主要通貨を見ても、何を根拠に歴史上で最も高いのかということが理解できません。市場はトランプ米大統領の度重なる発言に対して、ほぼ動意薄となっている。また、トランプ米大統領の発言はあまりにもクルクルと変わるため、狼少年扱いされている。 しかし、トランプ米大統領は中国との通商交渉や、米国の税金などについては朝令暮改のような言動が多いですが、ドル安を望んでいること、米連邦準備理事会(FRB)に対して不満を持っていることは、常に一貫した姿勢を貫いています。

 

米国市場では8月マークイット製造業PMIが公表

7月実績は50.4で2009年7月以来の低水準になった。8月については、米中貿易摩擦や世界的な需要低迷などの影響が続いていることから7月実績と同水準かわずかな改善に留まる見込み。

 

欧米イベント

○15:30   4-6月期スイス鉱工業生産指数
○16:15   8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:49.5)
○16:15   8月仏サービス部門PMI速報値(予想:52.5)
○16:30   8月独製造業PMI速報値(予想:43.0)
○16:30   8月独サービス部門PMI速報値(予想:54.0)
○16:30   7月スウェーデン失業率(予想:6.0%)
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.2)
○17:00   8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月24日-25日分)
○21:30   6月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.6万件/170.0万人)
○22:45   8月米製造業PMI速報値(予想:50.5)
○22:45   8月米サービス部門PMI速報値(予想:52.8)
○22:45   8月米総合PMI速報値
○23:00   7月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.2%)
○23:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.0)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○英仏首脳会談(パリ)
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「金融政策の挑戦」(ワイオミング州ジャクソンホール、24日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ