FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高進行や上海株が軟調だったことを嫌気

日米の金融政策イベントを前に手控えムードが出る中、半導体・電子部品株などが利益確定や調整で売られた。米利下げ思惑から円高進行し自動車関連株も軒並みや巣となった。上海株や株価指数先物がやや軟調に推移したことも上値を重くした。先週の決算発表の内容を嫌気した売りが目立った。一時下げ幅を130円超へ広げたが後場押し目買いに支えられた。結局、前週末比41円安の2万1616円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下と日本株安を嫌気した円買い

ドル/円市場は、米長期金利の低下や日経平均株価のさえない動きをながめ、108.39円近辺まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。しかし、26日に発表された4-6月期米国内総生産(GDP)速報値が予想を上回り、米経済は底堅いとの見方が広がっているため、下げは一服した。その後は値ごろ感からドルの押し目買いが入り108円半ば近辺に戻した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、108円台半ばもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半でユーロの上値が重い展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドイツ銀行のなりふり構わぬリストラコスト回避

ドイツ証券の株のリスクビジネスをBNPパリバが引き取るという噂がある。日銀などの顧客ビジネスが出来るという触れ込みがある。しかし、既に退職者が多く、実質的に機能していないとみられるチームをパリバに引き取ってもらう背景には、ドイツ銀行にとってなりふり構わぬリストラコスト回避の狙いがあるのではないかと見られている。

 

コメ先物の試験上場延長を申請:堂島商取

大阪堂島商品取引所は29日の臨時総会で、8月7日に期限が迫る試験上場のコメの先物について、試験上場の延長を農林水産省に申請することを決議した。延長申請は4度目となる。当初、目指していた常設の本上場への移行は断念し、2年間の試験上場でコメ先物の存続を目指す。堂島商取の岡本理事長は『本上場への移行はかなわなくなったが、試験上場で承認を得るチャンスはあるので、全力を尽くしたい』と述べた。農水省は申請を受け、8月7日までに延長を認めるかどうか判断する。堂島商取は7月16日に本上場を申請したが、22日に農水省から取引量が前回の試験上場期間から4割減っており、移行の基準を満たさないとの連絡を受けていた。試験上場は本上場より取引量など審査基準が厳しくはない。ただ、過去に4度の試験上場が延長された例はないだけに、許可されるかどうかは予断を許さない。2011年に試験上場で72年ぶりに取引が復活したコメ先物は前回3度目で商品先物が試験上場延長の最多回数を更新している。今回許可されれば期間でも10年となり、ブロイラー先物の9年を抜いて最長となる。

 

ECBは9月会合で追加緩和に踏み切る可能性も

ECBは先週24日定例理事会で予想通り、政策金利据え置きを決定した。同時フォワードガイダンスを必要であれば『少なくとも2020年上半期まで現行の政策金利を維持』から『少なくとも2020年上半期まで現行の金利または、それ以下の水準を維持する』に変更した。また、『金利階層化を含む選択肢の検討を指示、潜在的な新たな資産購入の選択肢を検討』と加え、9月会合での追加緩和に踏み切る可能性を示唆した。一部では低調なドイツやフランスの製造業PMIを受けて7月会合でECBのサプライズ利下げの期待もあったため、政策金利の据え置きで失望感が一時強まった。

 

米貿易赤字は拡大で為替に関する言及が増える可能性も

トランプ米大統領は、2020年11月の米大統領選挙での再選を目指して貿易不均衡是正を目論んでおり、通商政策として関税を引き上げることで貿易摩擦・戦争を仕掛けてきた。しかしながら、2017年の就任以来の米国の貿易赤字は減少するどころか、拡大傾向にあり『中国と欧州は為替操作ゲームを興じている。我々も同じ事(為替操作=ドル売り介入)をやるべきだ』と警告している。日本への言及が無かったのは、参議院選挙前だったからであり、今後は容赦されないことで、予断を許さない状況が続く。国際通貨基金(IMF)は、年次の『対外部門の安定性に関する報告書』で、ドルは短期のファンダメンタルズに基づくと6-12%過大評価されているとの見解を示している。また、経済協力開発機構(OECD)の購買力平価モデルによると、ユーロはドルに対して20%程度、人民元は48%程度、円は10%程度過小評価されていると示している。

 

米トランプ政権は為替介入を排除していない

ラリー・クドローNEC委員長が26日に米経済専門チャンネルのCNBCのインタビューで、為替介入について協議したものの『最終的に見送ることを決めた』との見解を示した。これについて、JPモルガン証券は29日付けのレポートで、『もっともその後、日本時間27日(土)午前9時頃にトランプ大統領が『介入を排除したわけではない』、『ドルの価値にたいして何も行動を起こさないとは言っていない。やろうと思えば2秒でできる』と発言したと伝えられている。ドルの実質実効レートはプラザ合意直前に比べればはるかに低水準だが、ハイテクバブルの頃の水準にはだいぶ近づいている』と指摘した。その上で『今後の米国のドル政策に対しては注意が必要だろう』とし、実質実効レートのドル高が進む中、トランプ政権の為替政策の先行きを警戒している。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比8.50%)
○17:30   6月英消費者信用残高(予想:9億ポンド)
○17:30   6月英マネーサプライM4

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