FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易協議に対する懸念がやや後退を好感

米国株の主要3指数が上昇した流れを引き継ぎ、朝方から買いが先行した。米中貿易協議に対する懸念がやや後退する中、中国株がしっかり推移したことも日本株の支えとなった。米国企業決算は、これまで第2・四半期決算を発表したS&P500種の構成銘柄の約80%が予想を上回り、概ね好調となった。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らが来週29日に上海を訪問すると報じられたことなども好感され、米国株は検討に推移した。結局、前日比88円高の2万1709円と続騰して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の低下をながめドルの上値重い展開

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅が一時100円を超えたことに支えられて、108.28円付近まで小幅に値を上げた。しかし、前日の海外市場でつけた戻り高値108.29円が意識されると、上げは一服した。その後は、米長期金利の低下をながめたドル売りに押され、108.15付近へ軟化した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、108.10円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは1.11ドル台半ばで方向感を欠いた展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

 IMF世界経済の成長見通しを引き下げ:リスクは下方と警告

国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで2019年の成長率を4月の+3.3%から+3.2%に下方修正した。世界経済の成長は過去10年間で最低の伸びにとどまると見ている。米中の貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱の不透明性がくすぶり、主要リスクは下方だと警告した。また、物価圧力が弱く低金利が続くため、ショックへの対応の金融政策の余地を狭め、ショックを受けた低成長が通常よりも長引く可能性があると指摘した。IMFはさらに、米国のトランプ政権による貿易政策が米国経済以上に中国経済に害を与えていると指摘した。実際2019年の中国経済の成長率を6.2%と、4月6.3%から下方修正した一方で、2019年米国経済の成長率を2.6%と、4月の2.3%から引き上げた。中国との貿易交渉において、米国のレバレッジも高まる。関税が米国経済に与える影響が最小限にとどまる中、米国政府による追加関税は中国経済のみならず世界経済をもさらに悪化させることになる。

 

英国の呼びかけに欧州諸国が動く:中東情勢が複雑化

英国が中東ホルムズ海峡における船舶の安全確保に向け欧州諸国と連携する計画を打ち出したことに対し、フランス、イタリア、デンマークが賛同を示した。欧州連合(EU)の複数の外交筋が23日、明らかにした。 イランの精鋭部隊『イスラム革命防衛隊』は19日、英船籍の石油タンカー『ステナ・インペロ』をホルムズ海峡で拿捕(だほ)した。これを受け英国のハント外相は22日、同海峡を航行する船舶の安全確保に向け欧州が主導する態勢の構築を目指すと表明した。米国も6月下旬に北大西洋条約機構(NATO)で類似の連携を呼び掛けたが、欧州諸国は明確な反応は示していなかった。 EU外交官は『米国ではなく英国が呼び掛けたことで、欧州諸国は集結しやすくなる』と指摘した。ただ『航行の自由は必要不可欠なため、米国のイランに対し最大限の圧力を掛ける戦略とは区別して考える必要がある』とも述べた。

 

英国のジョンソン新首相が描く3つのシナリオ

シティクループ証券の24に津付けリポートで、英保守党の党首選でジョンソン前外相が勝利したことを受けて、24日にメイ現首相の後継首相に就任する。次期首相が描いているシナリオは次の3つあると指摘。①欧州連合(EU)との新しい離脱協定の締結(但しEUは否定的)、②関税と貿易に関する一般協定(GATT)24条に適用し、EU離脱後も通商協議中は現在の自由貿易協定(FTA)を維持しる、③世界貿易機関(WTO)ルールへの移行(つまりノーディール・ブレグジット)の3つのシナリオを指摘しつつ、①と②は現実的にはハードルは高く④EU基本法第50条による離脱再延長を経て、総選挙が実施される可能性が最も高いとし、④が起こりうる主観的な確率を50%と見込んでいる。さらに、この④基本シナリオに続くのが③ノーディール(同35%)だが、これにはジョンソン政権が主体的に選択するパターンと、英国以外の全ての加盟国が合意する必要があるEUの離脱延長承認が不調に終わるパターンがあると指摘している。野党労働党や保守党の穏健派の間にジョンソン新首相の不信任案を試みる動きもある。

 

マネー逃避先は金より日本円が有利:米ゴールドマンサックス

米ゴールドマンサックスが顧客向けリポートで、相場ショック時のマネー逃避先は金より日本円が有利と推奨し、金融市場で話題になっている。伝統的に日本円や金は安全資産として見なされ、投資家がリスク回避的になると買われやすくなる。金は足もとで約6年ぶりの高値圏にあり、円は相対的に割安と指摘している。米国株をはじめ世界の株式市場は、金融緩和期待から高値圏にある。ただ、世界景気の減速で、投資家の間で割高感が意識されている。英国のEU離脱問題や中東情勢など地政学リスクの高まりで、ショック時や弱気相場に入った場合の式逃避先が議論になっている。ゴールドマンは金を買う権利(コール・オプション)価格が、円のコール・オプション価格に比べて割高になっていると指摘し、円が相対的に有利と指摘している。

 

欧米イベント

○15:45   7月仏企業景況感指数(予想:106)
○16:15   7月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:51.6)
○16:15   7月仏サービス部門PMI速報値(予想:52.6)
○16:30   7月独製造業PMI速報値(予想:45.2)
○16:30   7月独サービス部門PMI速報値(予想:55.3)
○17:00   7月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:47.6)
○17:00   7月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:53.3)
○17:00   6月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比4.7%)
○17:00   6月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比4.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:45   7月米製造業PMI速報値(予想:51.0)
○22:45   7月米サービス部門PMI速報値(予想:51.7)
○22:45   7月米総合PMI速報値
○23:00   6月米新築住宅販売件数(予想:前月比6.0%/66万件)
○23:30   EIA週間在庫統計
○25日02:00   米財務省、5年債入札
○ボリス・ジョンソン氏が英首相に就任
○欧州連合(EU)財務相理事会(ブリュッセル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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