FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:半導体・電子部品株がけん引して上昇

前日の米国市場でハイテク株が上昇した流れを引き継ぎ、半導体・電子部品株に買いが先行した。米インテルや中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に関する前向きな報道で、今晩の米国株高への期待も高まり、徐々に上げ幅を拡大する展開だった。ヘッジファンドなど海外短期筋が先物買いを強めて一時上げ幅を270円に広げた。結局、前日比204円高の2万1620円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好のドル買い優勢

ドル/円は、一部メディアが『トランプ米大統領は中国の通信機器大手華為技術(ファーウェイ)との取引を求めるIT企業に対し、販売ライセンスを付与することに同意した』と報じた。この報道を好感して日経平均株価が堅調になると、ドル/円はリスク選好の円売りが強まり、108円台を回復した。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの下支えとなった。午後もこの流れは続き、日経平均株価が上げ幅を拡大すると、ストップロスのドル買い・円売りオーダーを巻き込みながら108.20円近くへ上伸した。ユーロ/ドルは、25日のECB理事会で金融緩和や利下げが示唆されるとの思惑から、持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り1.119ドル付近まで軟化した。

 

英国では23日に与党・保守党の党首選で勝者が決定

現状ではEUからの『合意なき離脱』も辞さない強硬派、ジョンソン前外相の勝利が濃厚となっている。10月末のEU離脱期限にかけて、英国経済の混乱リスクがポンドの戻り売り要因や先安リスクとして警戒される。ただし、短期的には『一旦の材料出尽くし』により、ポジション調整的なポンド買い戻しにも注意する必要がある。

 

欧州中央銀行(ECB)は24-25日に定例理事会を予定

ECBはこの会合で、金融政策を据え置く見通し。同時に、追加緩和を示唆する可能性が強いと見られている。域内最大の経済に回復が見られず、今週の会合では、域内経済に追加金融刺激策が必要かどうかを協議していく。 特に輸出依存型のドイツ経済は、国際的な貿易の緊張、英国の欧州連合(EU)離脱の不透明性が大きく影響した。ドイツ連邦銀行は22日発表した月報の中で、第2四半期国内総生産(GDP)のドイツ経済がマイナス成長に落ち込む可能性があると警告している。特に鉱工業分野の落ち込みが継続し、すでに弱い輸出に打撃を与えると指摘した。さらに、英国の欧州連合(EU)離脱も追い打ちをかける可能性を警告した。ECBの政策金利はすでにマイナス金利となっている。一部では今回の会合で、追加利下げの可能性を指摘するアナリストもいる。大半のアナリストはECBが域内の経済の底入れを目指し、9月までに追加利下げを決定すると見ている。世界各国の中央銀行が緩和政策に転じる傾向にある。ただ、緩和策実施の時期や幅で各国金利差に多少変動がでる可能性はあるものの、為替への影響も限定的となる可能性がある。

 

7月30-31日のFOMCに向けた利下げ思惑でドルの不安定続く

前週は18日にNY連銀のウィリアムズ総裁が緩和前向き(ハト派)な講演を行い、31日の0.5%という大幅利下げ期待の高まりとドル安が後押しされた。その後、NY連銀事務局が「講演は学術的なもので、政策決定には影響しない」と釈明し、大幅利下げ観測の後退でドルは小反発に転じている。同時に19日には緩和積極派であるセントルイス連銀のブラード総裁が、『現時点での経済指標に基づくと、次回会合は0.25%の利下げが望ましい』、『利下げは必ずしも緩和サイクル入りを意味するものではない』などと発言した。ドル/円は6月以降の基本レンジである107-109円という、『ドルの上値は重いが過度なドル安も限定的』という流れが維持されている。引き続き31日のFOMCにかけては、0.25%の利下げ観測や、0.25%利下げの場合の今後の利下げ継続思惑(利下げ打ち止めの遅延)などが、ドルの戻り売り圧力として意識されやすい。

 

米国市場では6月中古住宅販売件数が公表

5月実績は3ヵ月ぶりの水準に増加し、前月比+2.5%の534万戸だった。4地域全てで販売が伸びた。中古住宅価格(中央値)は前年同月比+4.8%の27万7700ドルだった。6月については、販売件数の減少につながる要因は少ないことから、5月実績に近い数字となる可能性がある。

 

欧米イベント

○未定   7月月例経済報告
○22:00   5月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○23:00   7月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:5)
○23:00   7月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.2)
○23:00   6月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲0.2%/年率換算533万件)
○24日02:00   米財務省、2年債入札
○国際通貨基金(IMF)世界経済見通し発表
○英与党・保守党党首選の結果発表

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