FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:材料に乏しく方向感を欠く動き

朝方は利益確定売りが先行したものの、米国株高や為替の落ち着きなど良好な外部環境を背景にプラスに転じた。その後は国内手掛かり材料が乏しく、方向感に欠ける値動きが続いた。結局、前日比24円高の2万1745円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:108円前半の狭いレンジ内の展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、108.47円近辺まで上昇した。しかし、前日につけた戻り高値108.53円が意識されると、上げは一服した。その後は利益確定などのドル売り・円買いが入り、108.40円近辺でもみ合いとなった。午後も、108.30円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。米中通商交渉の行方を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台光波で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

豪州は減税と金融政策面から景気の浮上を図る

オーストラリアの保守連合政権は、大規模減税法案の可決に十分な支持を確保しつつある。法案可決の鍵を握る独立系議員らが2日、モリソン首相と合意する見通しだと明らかにした。フライデンバーグ財務相は4月、今後10年で主に中間所得層向けに総額1580億豪ドル(1100億米ドル)の減税を実施すると表明した。政府は昨年も1440億豪ドル規模の減税を実施している。

オーストラリア準備銀行は本日の定例理事会で、政策金利を0.25%引き下げ年1.00%にすると消えたと発表した。2年11ヵ月ぶりに利下げした6月に続き、2会合連続で政策金利を過去最低に引き下げた。6月の利下げ後もロウ総裁は一段の利さえに含みを持たせてきた。

豪準備銀行は声明で成長とインフレを支援するために必要なら政策調整を行なうと述べており、追加利下げの可能性があることを示唆した。市場関係者の間では、『次回の理事会でも0.25ポイントの利下げを行なう可能性があるが、金利調整の余地がより小さくなるため、9月以降になる可能性がやや高い』との声が聞かれている。

 

輸出企業の予約コストを含めると109円台後半から110円台前半が限界

日銀が1日に発表した短観で、2019年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業・製造業で1ドル=109.35円と足もとより円安・ドル買いとなった。新年度の計画を立てた時点で米中の貿易協議は何らかの形で『手打ちになる』との見方が多く、FRBの大幅利下げ観測がそれほど高まっていなかった。しかし、5月にトランプ米大統領が対追加関税の引き上げを唐突に発表すると、米中貿易摩擦への懸念が再燃して円高が進んだ。このタイミングの違いが影響した。輸出企業は為替リスクを回避するため、3ヵ月から9カ月先の為替予約をするケースが多い。為替予約コストは現在の為替レートと2つの通貨の金利差で決まる。日米金利差から算出される予約コストは3ヵ月物で70銭強、6ヵ月物で1円50銭弱、9カ月物では2円強となっている。輸出企業が為替予約のコストを勘案して円を108円台で確保したいと考えれば109円台後半から110円台前半にかけて円買い・ドル売り需要が強まりやすい。

 

イタリアリスクは後退でユーロ買い要因にも

イタリア政府は、2019年の財政赤字目標を引き下げた。財政政策を巡る欧州連合(EU)の是正措置を回避する狙いで、赤字目標の修正によってイタリアはEU規則を完全に順守することになるとの見方を示した。 EUの執行機関である欧州委員会は、イタリアが昨年の赤字削減目標を達成できなかったことから是正手続きを発動すると警告している。 コンテ首相は1日の閣議で財政問題を協議し、終了後に発表した声明で、予想以上の税収と予想を下回る歳出を受けて19年は構造的財政赤字も名目上の赤字も予想を下回るとの見通しを示した。

 

米国が対中関税第4弾を見送っても状況改善はなし

6月29日に行われた米中首脳会談で通商協議を再開することで双方は合意し、トランプ米大統領は対中関税第4弾の発動を当面行わないと表明した。週明け7月1日のアジア市場では、日本株、上海総合指数などの株価指数は強い動きを見せた。 ただ、市場関係者の間からは『株高が持続する保証はない』との声が聞かれている。中国国家統計局が6月30日に発表した6月の製造業PMIは49.4となり、経済活動の縮小・拡大の境目である50を引き続き割り込んだ。また、財新/マークイットが7月1日に発表した6月中国製造業PMIは49.4に低下し、こちらも節目の50を割り込んだ。
製造業の業況が悪化しているのは、第3弾に及ぶ賦課されている対中輸入関税の影響が大きいとみられている。米国が対中関税第4弾の発動を見送っても状況が改善されるわけではなく、中国の製造業に対する圧力が弱まることはないとみられている。

 

欧米イベント

○15:00   5月独小売売上高指数(予想:前月比0.5%/前年比2.7%)
○15:00   6月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○15:45   5月仏財政収支
○17:30   6月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.3)
○17:30   クノット・オランダ中銀総裁、バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁
、講演
○18:00   5月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.7%)
○18:30   ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○19:35   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:05   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
○24:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○新欧州議会招集(仏ストラスブール)
○OPECと非加盟産油国の閣僚会合(ウィーン)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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