FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中首脳会談の結果を好感した買い優勢

29日の米中首脳会談が市場の期待通りの結果となったほか、トランプ大統領が米企業による華為技術(ファーウェイ)への部品供給を一部認める方針を示したことも好感された。半導体・電子部品株がほぼ全面高となった。設備投資関連株なども買われた。米中首脳会談では通商協議の再開が決まり、米国は第4弾の対中追加関税の発動を当面先送りすると表明した。予想通りの結果だが、米中対立がひとまず緩和したことで市場に安心感が広がった。一時上げ幅を483円に広げた。結局、前週末比454円高の2万1729円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の動きが続き108円台前半で推移

ドル/円は、週末に行われた米中首脳会談で、貿易戦争が一時的に『休戦』となったことを好感したドル買い・円売りが先行し一時108.51円まで上昇した。しかし、東京市場に入ると、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いに押される展開となり、108.10円付近まで軟化した。財親・マークイットが発表した6月中国製造業PMIが、低調な数字となったことも円買いを誘った。その後は日経平均株価の大幅高や中国株高に支えられ、108.20円台へ切り返した。午後はユーロやポンドなど欧州通貨に対するドル高が波及し、108.35円近辺までじり高となった。ユーロ/ドルは、下値のストップロスを狙った仕掛け的なユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ、1.13ドル台半ばから1.1323ドル程度まで下落した。

 

6月日銀短観は悪化傾向:市場予想を下回り前回3月調査から悪化

日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大基調製造業で+7と、前回3月調査に比べ5ポイント低下した。市場予想は+9だった。事業計画の前提となっている想定為替レートは、大企業・製造業2019年度通期が1ドル=109.35円となり、3月調査時は108.87円よりやや円安方向となった。

 

米中貿易戦争の終結には依然長い道のり:米中貿易戦争は継続

チャイナ・デーリーは29日遅く掲載した論説で『米国は交渉再開に向けた中国製品への追加関税発動を延期するこ戸に合意し、トランプ氏は交渉が終わるまで華為技術(ファーウェイ)に関する決定を延期する可能性があることも示唆したが、問題は依然未解決だ』と指摘した。『問題の90%で合意しても十分ではない。残りの10%で基本的な見解の相違がある。概念のレベルで引き続きかけ離れているため、現時点で100%合意に達するのは簡単ではない』との見方を示した。

 

豪州の住宅価格に下げ止まる兆候が

オーストラリア最大の都市シドニーで6月の住宅価格がほぼ2年ぶりに上昇し、同国の住宅価格の下落トレンドが終了しつつある新たな兆しが示された。コアロジックが1日公表したデータによれば、シドニーの6月の住宅価格は前月比0.1%上昇。ただ、州都、準州都、首都特別地域の全体では0.1%下落した。不動産市場への3つのプラス材料としては、①中央銀行が先月利下げ、②銀行監督当局が住宅ローン借り入れの基準緩和を提案、③加えて総選挙で野党・労働党が予想外の敗北を喫し不動産投資の優遇税制を撤廃・縮小する計画が消えた。

 

OPEC定例総会では産油量削減の延長予定

主要産油国で構成する石油輸出国機構(OPEC)は1日、ウィーンの本部で定例総会を開き、1月から実施している産油量削減の延長を決める。世界経済の減速懸念が強まる中、原油相場のてこ入れを図る。2日にはロシアなど非加盟の産油国との会合も開き、協調減産を決める方針だ。ロシアのプーチン大統領は6月29日、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれた大阪市でOPECの盟主サウジアラビアのムハンマド皇太子と会談後、『協調減産の延長で合意した』と表明した。
減産量については、OPEC加盟国と非加盟国の合計で日量120万バレルの減産を決めた現在の枠組みを据え置く方向。減産期間は7月1日から6~9カ月間となる見通しで、2020年にも減産を続ける可能性がある。

 

米国市場では6月ISM製造業景気指数が公表

5月実績は52.1で市場予想を下回った。生産指数と受注残高指数が低下したことが要因となった。6月については、生産指数の持ち直しが期待できないこと、受注残高指数の低下が予想されることから、5月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○15:15   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○15:30   5月スイス小売売上高
○15:45   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○16:00   6月トルコ製造業PMI
○16:30   6月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:49.0)
○16:50   6月仏製造業PMI改定値(予想:52.0)
○16:55   6月独製造業PMI改定値(予想:45.4)
○16:55   6月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化▲3000人)
○17:00   6月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.8)
○17:00   5月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比4.6%)
○17:30   5月英消費者信用残高(予想:9億ポンド)
○17:30   5月英マネーサプライM4
○17:30   6月英製造業PMI(予想:49.2)
○18:00   5月ユーロ圏失業率(予想:7.6%)
○22:45   6月米製造業PMI改定値(予想:50.1)
○23:00   6月米ISM製造業景気指数(予想:51.0)
○23:00   5月米建設支出(予想:前月比横ばい)
○2日03:00   6月ブラジル貿易収支(予想:53億ドルの黒字)
○1-2日   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比0.5%)
○石油輸出国機構(OPEC)総会(ウィーン)
○世界経済フォーラム夏季会合(夏季ダボス会議、中国・大連、3日まで)
○カナダ(建国記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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