FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:中東の地政学リスク懸念からリスク回避

為替市場では心理的節目の107.00円を割り込み、106円台後半にへ下落した。そのため、円高に対する強いサポートは見当たらないとされる。米中首脳会議への期待はあるため株式は売りづらいものの、中東の地政学リスクなどが懸念されてリスク回避的に円が買われれば、ドル安・円高の流れが強まりかねず、日本株の圧迫要因となりやすい。米ブルームバーグが25日昼、『トランプ大統領が日本との安保条約破棄の可能性について側近に示していた』と報じて一部ヘッジファンドなど海外投機筋が先物に売りを出したことで下げ幅が拡大した。結局、前日比91円安の2万1193円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで一時107円台割れ

ドル/円は、国内輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれたことや、中国株安を背景に107.05円まで下落した。一部メディアが『トランプ米大統領は、日米安保条約を危険する考えを側近に示していた』と報じたことも、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利の低下をながめて、下値を模索する展開となった。心理的節目の107.00円を割り込むと、継続的にストップロスのドル売り・円買いオーダーを巻き込みながら106.75円近辺まで下落した。ただ、下値ではドルを買い戻す動きも見られ、107.00円近辺へ値を戻した。ユーロ/ドルは、このところ一本調子の上昇が続いていたため、利益確定などのユーロ売り・ドル買いが入り1.1390ドル台へ緩んだ。

 

トランプ大統領の発言がリスク回避の円買いに

トランプ米大統領は24日、中国や日本などを含め世界各国は原油輸送の要衝であるホルムズ海峡近辺を航行する自国の石油タンカーを自国で防衛する必要があるとの考えを示した。 トランプ氏は『米国はなぜ、何の報酬も受けずに(長年にわたり)他の国の航路を防衛しているのか。これらの国すべては、常に危険と隣り合わせの自国の船舶を自国で防衛する必要がある』とツイッターに投稿した。

また、トランプ米大統領は日本との安保協定を不公平と見なしている、などと考えているという。

 

G20 を控えバンカメ・メリルの顧客が米国株売り越す

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの25日付けの顧客フローのリポートによると、同社の顧客は17~21日の1週間に米国株を17億3900万ドル売り越した。売り越しは8週ぶりのこととなる。この週は18~19日に開かれたFOMCの結果が総じてハト派的な内容となったことを受け、S&P500指数が史上最高値を更新して堅調な相場展開となっていたが、月末のG20サミットを控えて米中の貿易戦争懸念が残る中で幅広い投資家が利食いに動いた。主体別動向ではヘッジファンドが10億800万ドルの売り越しとなり、2週連続の売り越しとなった。個人投資家は12億4100万ドルで6週連続の大幅売り越しだった。一方、機関投資家も6億9900万ドルで2週ぶりに売り越しに転じ、唯一の買い主体は企業の自社株買い(12億900万ドルの買い越し)だった。同リポートはバンカメ・メリルの顧客を対象としたものだが、様々な投資主体の動向を比較的早く知ることができるため重宝されている。

 

米中首脳会談が物別れなら世界の景気は後退

G20サミットが今週大阪で開催される。この会合で、米中首脳会談が予定されており、特に貿易協議での進展が見られるかどうかに焦点が集まる。不透明だった習国家主席のG20出席を中国側が正式に確認したほか、米中首脳会談の開催も確認したため、交渉が進むとの期待感も少なくない。交渉団はすでに交渉を再開している。
UBSは24日に顧客向けレポートの中で、もし、米中首脳の交渉が物別れに終わり、米国のトランプ政権が警告していた通り2000億ドルの中国製品の関税を25%に引上げ、残りの3250億ドルにも25%関税を発動した場合、今後6四半期の世界国内総生産(GDP)で成長見通しが75ベーシスポイント大きく引き下げられ、『緩やかな世界景気後退入り』する可能性を警告した。そのリセッションの規模は、欧州危機や94年末から95年にかけてメキシコで発生した大規模な通貨危機(テキーラ危機)の規模に並ぶと予想している。

 

米国市場では6月CB消費者信頼感指数が公表

5月実績は134.1となった。先行指標となる6月ミシガン大学消費者信頼感指数は97.9で5月実績を下回った。6月については、貿易摩擦継続の影響は無視できないものの、5月の期待指数は6ヵ月ぶりの高水準だったことや、賃金上昇のペースは前年比+3%レベルを維持していることから、5月実績に近い水準になるとみられる。

 

欧米イベント

○15:45   6月仏企業景況感指数(予想:106)
○16:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:30   4月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.2%)
○21:45   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○22:00   4月米住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○22:00   4月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比2.6%)
○23:00   6月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:2)
○23:00   5月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.9%/68万件)
○23:00   6月米消費者信頼感指数(予想:131.2)
○26日01:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○26日02:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○26日02:00   米財務省、2年債入札
○26日02:15   クーレECB理事、講演
○26日04:30   バーキン米リッチモンド連銀総裁、討論会に参加

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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