FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:輸出関連株の一部に買い戻し

米国利下げ観測を手掛かりとした前日の米株式相場の上昇を好感した買いが先行し米長期金利低下にも関わらず円高進行が小幅で自動車など輸出関連株の一部に買い戻しが入った。オマーン沖での石油タンカー攻撃などで地政学リスクが意識されたが、ドル/円や香港ハンセン指数などの落ち着いた動きが安心材料となった。結局、前日比84円高の2万1116円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108円台前半でのもみ合いに終始

ドル/円は、本邦実需筋のドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ108.40円前後まで上昇した。しかし、このところ発表されている米経済指標の下振れで、FRBの早期利下げ観測が高まっているため、上値を追う動きは限られた。その後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り108.30円近辺でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら108.30円台を中心とした狭いレンジ内でもみ合った。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国市場では5月小売売上高が公表:16:00発表

4月実績は前年比+7.2%で市場予想を大幅に下回った。衣類販売が10年ぶりの減少した。個人消費はやや低調だが、3月に増加した反動もあった。5月については、伸び率は4月実績を上回るとみられているが、個人消費の急回復は期待できないこと、貿易摩擦の影響が懸念されていることから、前年比+7%台の伸びにとどまる可能性がある。

 

南アランドの上値が重い:南アランド大統領への疑惑の目

ランドが弱含んだ要因は、南ア国営企業の人員削減報道(失業率の悪化懸念)、米中貿易摩擦への不透明感、南ア中銀の利下げへの思惑など幾つかみられた。くわえて、ラマポーザ南ア大統領への疑惑の目も通貨ランドの重石となっている。

17年のアフリカ民族会議(ANC)の党首選時に、ラマポーザ氏が運動資金として受け取った50万ランドが再び問題視されている。献金は、南アの企業ボササ(Bosasa)のCEOからラマポーザ大統領の息子名義の口座を通じて行われており、ラマポーザ氏も資金の流れについて認めていた。選挙違反ではないとされていたようだが、献金についての議会説明でラマポーザ氏が偽証したのではないかという疑いがでている。この件を調査した護民官(Public Protector)は、調査内容に対するラマポーザ大統領からの回答は21日から28日の間にされると述べている。

 

エコノミストの多くが米国の利下げを予想:WSJ紙

ウォールストリートジャーナル紙の調査によると、回答者の75%以上が米連邦公開市場委員会(FOMC)の次の行動が『利下げ』と見ていることが明らかになった。調査の対象となった46人のエコノミストのうちほぼ40%が7月の利下げを予想している。30%近くが9月の利下げを予想している。調査は、59人の学者、エコノミストを対象に6月7日から11日にかけて実施された。ただ、6月18-19日に開催される次回連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを予想しているエコノミストは回答者46人のうちわずか2人のみとなっている。貿易緊張の深刻化、世界経済の減速、米国国内経済の成長が減速する兆候などを鑑み、FRB高官は今後、数カ月で利下げの可能性を熟考していくことになる。5月の予想を下回った雇用が利下げを正当化する可能性もある。米商務省が14日にワシントンで発表する5月小売売上高で米国経済に最も重要な消費動向を判断していく。今年に入って消費の鈍化が鮮明になりつつあり、成長が抑制されるとの懸念に繋がっている。

 

米国市場では5月小売売上高が公表

4月は主要13項目のうち7項目で売上が減少した。3月が1.7%の高い伸びを記録したため、反動が出た。5月については4月に減少した反動で増加すると予想されるが、個人消費はやや伸び悩んでおり、わずかな伸びにとどまる可能性がある。

 

米国市場では5月鉱工業生産が公表

4月実績は前月比▲0.5%となった。製造業の減少が目立った。5月については、4月にさえない状態が続いているとみられている。ただし、鉱業は順調であることから、市場予想の前月比+0.2%程度の増加となる可能性が高いとみられている。

 

欧米イベント

○15:00   5月独卸売物価指数(WPI)
○15:30   5月インドWPI(予想:前年比3.10%)
○15:45   5月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
○16:00   5月中国鉱工業生産(予想:前年比5.5%)
○16:00   5月中国小売売上高(予想:前年比8.1%)
○16:00   4月トルコ経常収支(予想:15.0億ドルの赤字)
○16:30   5月スウェーデンCPI(予想:前月比0.1%/前年比2.0%)
      コア指数(予想:前月比0.1%/前年比2.0%)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.50%に引き下げ)
○21:30   5月米小売売上高(予想:前月比0.6%/自動車を除く前月比0.3%)
○21:55   カーニー英中銀(BOE)総裁、東京で講演
○22:15   5月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
       設備稼働率(予想:78.0%)
○23:00   6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:98.0)
○23:00   4月米企業在庫(予想:前月比0.5%)
○EU財務相理事会(ルクセンブルク)
○日米閣僚級貿易協議(ワシントン、15日まで)

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