★日経平均株価:リスク回避姿勢が後退して先物主導で上昇
米5月雇用統計発表の米国株高を好感したほか、米国の対メキシコ関税発動が見送られたことで、リスク回避姿勢が後退し主力輸出株に買い戻しが先行した。朝方に上げ幅を260円を超えたが、その後は戻り待ちの売りにも出て高値圏で一進一退となった。ヘッジファンドなど海外投資家の先物買いが主導した。結局、前週末比249円高の2万1134円と続伸して終了した。
★東京外国為替市場:日本株が堅調だったことで円売り・ドル買い
ドル/円は、日経平均株価の続伸を背景に、108.50円前後へ上昇した。週末に米政府がメキシコからの全輸入品に対する関税発動を見送る方針を表明したことも、引き続き円売り要因として意識された。午後もこの流れが続き、日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利上昇にも支えられ、108.67円前後までじり高となった。また、黒田日銀総裁が一部メディアのインタビューに応じ、『大規模な緩和を行う余地がある』と発言したことも、円売りを誘った。ユーロ/ドルは、高値警戒感から利益確定売り持ち高調整のユーロ売り・ドル買いに押され、1.1303ドル前後まで下落した。
★日本の景気の底堅さを確認
内閣府が発表した1-3月期実質国内総生産(GDP)2次速報値は前期比0.6%増となった。年率換算では2.2%増で1次速報から上方修正された。1次速報は前期比0.5%増、年率2.1%増だった。民間設備投資は前期比0.3%増(1次速報は同0.3%減)とプラス転化した。内閣府幹部は、GDP2次速報値を受けて『景気認識は1次速報時と変わりない』と述べている。設備投資は、卸売り、小売り、サービス業など非製造業関連が上方修正されており、弱めな製造業に対して、非製造業が確りしてる構図となっている。
★GSは関税リスクを踏まえて人民元相場の見通しを元安に修正
ゴールドマン・サックス(GS)は9日のリポートで、米中の貿易戦争懸念が高まっていることを踏まえてトランプ政権が7月までに中国の3000億ドル規模の製品に対して10%の関税を課す可能性が60%あると見込んでいる。関税が撤廃される可能性もあるとしつつ、それは早くても2019年後半から2020年初めになると指摘した。6月末に行われるG20 サミットの機会を利用して米中首脳会談が行われる希望があるにも関わらず、米中合意に至らないことを予想している。その上で、ドル/陣減相場の見通しをドル高・人民元安に修正し、今後3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月先でそれぞれ1ドル=7.05元、6.95元、6.80元と見込み、従来の(6.95元、6.65元、6.60元)から大きく修正した。
★南アの国営企業改革の袋小路を嫌気して上値の重い展開
南アランド/円は、先週末1月3日のフラッシュクラッシュ時の安値7.09円に近づく、7.15円まで下落した。ただ、メキシコペソ/円の買いにつれて2.255円まで小幅上昇したているが、上値も限定的となっている。 週末に福岡のG20に参加したモガジャネ国庫担当長官は『(国営会社)エスコムへの追加融資をしなくてはならない、それ以外の選択肢はない』と発言した。しかし先週クガニャゴ南ア準備銀行(SARB)総裁は『SARBは国営企業を救済することはない。なぜならばインフレ悪化に導くからだ』と述べ、『保証されていない企業に対して貸付を行うことは法律で禁止されている』とも発言し、中央銀行がエスコム支援に介入することを否定している。エスコムに対して際限のない追加支援に対しては格付け機関の多くが反対している一方、国営企業が健全に戻らない限り、南アの計画停電の影響で南アの企業に与える影響も大きい。南アの国営企業改革は袋小路に入っている。
★ムニューシン米財務長官と中国人民銀行易綱総裁が会談
ムニューシン米財務長官は9日、福岡市で開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に合わせ、中国の中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁と会談した。米中の閣僚級貿易協議は5月10日を最後に途絶えている。今回の会談は貿易交渉としての設定ではないが、協議のメンバーが会うことで対立緩和へ地ならしを試みる狙いがあるとの見方。 ムニューシン氏は会談後に『貿易問題で率直な議論を行い、建設的な会談だった』とツイッターに投稿し、前向きなメッセージを出した。中国にとって輸出が有利となる人民元安など為替問題を協議したとみられる。 一方、中国人民銀行は発表文で、両氏が『グローバル経済・金融情勢とG20の事務、その他の共通する関心議題について意見を交わした』とするにとどめた。
★欧州委員会はイタリアの財政規律違反に厳しく対処
欧州委員会のモスコビシ委員は、イタリアの財政規律違反に厳しく対処する方針をユーロ圏の財務相は『強力に支持する』との見通しを示した。イタリア政府が改善策を講じない場合、EUは7月にイタリアに対する『過剰財政赤字是正手続き』と呼ぶ制裁措置に踏み切る見通しとなっている。実際に同手続きに入れば、イタリアは制裁金を課される可能性があるが、何ヵ月もの検討が必要なほか、政治的にも発動は難しいとみられる。モスコビシ氏は、ユンケル委員長率いる欧州委は10月末に任期を迎えるが、イタリアのへの是正手続きは現在の委員会が最後まで実施すると説明している。
★欧米イベント
○17:30 4月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.1%)
○17:30 4月英鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.7%/前年比1.0%)
製造業生産高(予想:前月比▲1.0%)
○17:30 4月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:129.6億ポンドの赤字/47億ポンドの赤字)
○18:30 ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:15 5月カナダ住宅着工件数(予想:20万件)
○21:30 4月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比0.5%)
○オーストラリア(女王誕生日)、スイス、ノルウェー、ドイツ(聖霊降臨祭翌日の月曜日)、休場
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 1月 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |