FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国とメキシコの関税協議が合意に至らず

米国とメキシコによる移民・制裁関税を巡る協議や、週末の米雇用統計などを見極めたいとする向きが多く、様子見ムードが広がる中、指数寄与度の高い銘柄への買いが下支えとなった。しかし、米国とメキシコの関税協議が合意に至らず米大統領のメキシコ関税発動を辞さない姿勢が嫌気され下げに転じた。結局、前日比2円安の2万0776円と小反落で終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整のドル売りが優勢

ドル/円は、日経平均株価がマイナス圏からプラス圏に転じたことに支えられ、108.41円前後まで上昇した。しかし、FRBが年内に利上げを実施するとの観測が高まっているため、上値を追う動きは限られた。その後は、米長期金利の低下や中国株安を背景に、持ち高調整などのドル売り・円買いに押され108.25円前後までじり安となった。午後もこの流れは続き、日経平均株価のさえない動きをながめて、108.14円付近まで下落した。前日に発表された5月ADP全米雇用リポートが予想外に低調だったことも、引き続きドルの重石となった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

EUとイタリアの溝が深まる懸念

欧州委員会は昨日、拡大するイタリアの債務についてEUの財政規則違反と判断し、是正手続き開始を勧告した。しかしながら、モスコビシ欧州委員(経済・通貨担当)は制裁回避の可能性についても言及し、コンテ伊首相はEU側へ歩み寄り姿勢を示しており、最悪の事態は避けようとする当局の動きはみられる。ただし、サルビーニ伊副首相が態度を軟化させるとは考え難く、同氏の発言次第ではEUとイタリアの溝が深まる懸念は残る。

 

トルコリラはラマダン明けの砂糖祭り以降堅調推移

トルコがラマダン(断食月)明けの祭り・砂糖祭(4-6日)に入って以降、通貨リラは堅調な値動きとなっている。米の経済制裁につながるトルコのロシア製ミサイル導入が延期されるのではないかという期待感、米国の早期利下げ観測、原油安などがリラ買いを後押しした要因かどうか、砂糖祭最終日もリラの底堅さが続くか注目される。 

 

欧州市場ではECB定例理事会が開催

欧州中央銀行(ECB)は今回の理事会で、長期リファイナンスオペ(TLTRO)に新たな条件を付与することを決定する見込み。現行の政策金利は据え置きとなると予想される。市場関係者は融資目標を達成した銀行に対する2年物ローン金利は、▲0.25%から▲0.3%程度に設定される可能性がある。

 

IMFは2020年に世界の経済生産は下押しの見方

国際通貨基金(IMF)は、米中の報復関税合戦が2020年に世界の経済生産を0.5%ポイント下押しする可能性があるとの見方を示した。 ラガルドIMF専務理事は、今週末に日本で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議向け資料の中で、米中がすべての輸入品に関税を課した場合、4550億ドル相当の国内総生産(GDP)が失われると指摘した。『自傷行為は避けねばならず、それには最近導入した貿易障壁を撤廃し、今後もあらゆる障壁を導入しないことだ』と述べた。

 

7日の米5月雇用統計のネガティブサプライズに注意

米労働省は7日に最新5月の雇用統計を発表する。市場予想は失業率が3.6%とほぼ50年来の低水準を維持、非農業部門雇用者数は前月比18万人と、4月26.3万人から伸びが鈍化すると見ている。先行指標の中でも労働省が発表する雇用統計と相関関係が最も強いとされている民間の雇用統計となるADP雇用統計の5月分は前月比+2.7万人と、市場の予想外に10万人割れとなり9年ぶり低水準の伸びに落ち込んだ。雇用統計の結果でもネガティブサプライズに警戒される。万が一、10万人以下の伸び、または減少となった場合は、景気後退懸念や利下げ観測がさらに強まりドル売りに拍車をかける。一方で、米国経済の7割を消費が占めるため注目されるISM非製造業雇用の雇用は58.1と昨年10月来の高水準となった。2年ぶりの最低を記録した4月53.7から上昇した。活動の拡大と縮小の境目となる50は5年連続で上回っている。 市場予想:失業率:3.6%(4月3.6%)、非農業部門雇用者数:前月比+18万人(4月+26.3万人)、民間部門雇用者数:前月比+17.2万人(3月+23.6万人)、平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.2%(4月+0.2%、+3.2%)

 

欧米イベント

○15:00   4月独製造業新規受注(予想:前月比0.1%/前年同月比▲5.9%)
○15:15   インド中銀、金融政策決定会合(予想:5.75%に引き下げ)
○18:00   1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.4%/前年比1.2%)
○18:00   1-3月期南アフリカ経常収支(予想:1545億ランドの赤字)
○18:00   カーニー英中銀(BOE)総裁、東京で講演
○20:30   5月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○21:30   4月カナダ貿易収支(予想:28億カナダドルの赤字)
○21:30   1-3月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比3.5%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21万5000件/166万人)
○21:30   4月米貿易収支(予想:507億ドルの赤字)
○21:40   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○23:00   5月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日02:00  ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○6-7日   5月ロシアCPI(予想:前月比0.3%)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件
○トルコ(砂糖祭)、スウェーデン(建国記念日)、休場

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