FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:押し目買いが下支え

朝方は前日まで4営業日で850円下落した反動から買い戻しや値ごろ感の買いが先行したものの、ドル/円が107円台後半まで円高に振れると為替と連動する先物売りで下げに転じた。上海株の下落も投資家心理を冷やした。反発の可能性について市場では『トランプ米大統領が何かしら投資家心理を緩和する発言をするか、米国株が上昇するかが必要だろう』との指摘もあった。結局、前営業日比2円安の2万0408円と小幅に5日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避継続も一方的な円高にはならず

ドル/円は、FRBが年内に利下げを実施するとの観測から下値を試す展開となり、一時107.82円近辺まで下落し、約5ヵ月ぶりの安値を付けた。日経平均株価の下げ幅が一時100円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、1月10日につけた107.77円が下値目処として意識されると、下げも一服した。その後は、国内輸入企業などが値ごろ感からドル買い・円売りに動き、108円近辺まで持ち直した。午後は株価にらみの展開となり107.90円台でのもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台半ばで小幅な動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では5月ユーロ圏消費者物価コア指数

4月実績は前年比+1.3%で市場予想を上回った。旅行費用の上昇が要因とみられている。コアインフレ率の上昇は一時的な減少となる可能性が高いことから、5月のコアインフレ率は4月実績を下回る可能性が高いと見られている。

 

イタリア市場の寄付きの動向に注目

イタリア政局が混迷の様相を強めている。昨日はコンテ伊首相が連立政権を構成する2党『五つ星運動』と『同盟』の溝の拡大を懸念し、関係修復ができなれば辞任との覚悟も示した。財政に対して伊政権内での意見の一致がなければ、欧州委員会から制裁の可能性が高まる。昨日は堅調なまま終えたイタリア株・債券市場だが、コンテ首相の発言は織り込んでおらず、本日の寄り付き動向には注目したい。

 

中国が米国に対してレアアースの禁輸ならば貿易摩擦も激化に

トランプ米政権が対中制裁関税第4弾の発動可能性がたかまりつつあるなか、中国が報復措置としてレアアースの禁輸を検討しているとの報道が伝わっている。中国は2010年に日本との尖閣諸島問題がエスカレートした際にレアアースの実質的な禁輸を行った過去がある。当時、日本や米国はレアアースの調達を中国に依存していたが、禁輸措置を受けて調達先の多元化やレアアースの代替材料の開発を進めました。そのために中国が再びレアアースを切り札としても大きな効果は見込めないとの見方も少なくい。ただ、中国は依然として世界のレアアース生産の80%近いシェアを持っており、米国はレアアース輸入の80%を中国に依存している。習・中国国家主席は先月、対米貿易交渉の責任者を伴ってレアアースの関連施設を視察した。習氏のこの行動はそのタイミングから見ても間違いなく今後を示唆する動きである。『レアアースの禁輸』の効果があるかどうかは別として、中国が禁輸措置に踏み切った場合、米中貿易摩擦は一段と激化する。

 

他のFOMCメンバーは利下げには慎重姿勢

2019年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有するブラード・セントルイス連銀総裁は講演で、インフレの低迷や世界貿易緊張からくる経済成長のリスク上昇で、近く利下げが正当化される可能性があると指摘した。長短金利差の逆転は3日、一段と悪化した。景気後退の有無を判断する上で注目されている3カ月物、10年物の利回り格差は一時‐27.8と、2007年6月来で最大のマイナスとなった。米国経済が景気後退に陥るとの見解が一段と強まり、ドル売り圧力を強めた。ただ、他のFOMCメンバーは利下げに依然、慎重姿勢となっている。ハト派として知られるカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁でさえ先週のインタビューで、『利下げを必要とする兆候はまだ見られない』と発言している。 米金利先物市場では年2回の利下げを織り込みつつあるが、バークレイズ銀の米国チーフエコノミストは年内75ベーシスポイント、あと3回の利下げを予想している。貿易の緊張が一段と深刻化する可能性が強いと見ており、国内総生産(GDP)の成長率が低下すると予想している。

 

欧米イベント

○15:45   4月仏財政収支
○17:30   5月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○18:00   4月ユーロ圏失業率(予想:7.7%)
○18:00   5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.3%)
○18:00   5月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.9%)
○18:30   1-3月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率▲1.7%/前年同期比0.7%)
○18:30   ロウRBA総裁、講演
○21:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○22:55   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、あいさつ
○23:00   4月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.9%)
○4日04:45   ブレイナードFRB理事、パネルディスカッションに参加
○米英首脳会談(ロンドン)
○トルコ(砂糖祭)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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