★日経平均株価:米国発の貿易摩擦の激化懸念で売り優勢
米国発の貿易摩擦が激化したことで世界景気の減速懸念が強まり、リスク回避の売りが先行した。外国為替市場で1ドル=108円台前半まで円高が進行し、輸出企業の採算悪化も懸念された。短期筋の先物売りで一時300円近い下げとなったが、長期資金の打診買いなどが入って下げ渋った。また、中国経済指標が底堅かったことも支えになった。結局、前週末比190円安の2万0410円と4日続落して終了した。
★東京外国為替市場:FRBの年内の利下げの思惑からドル軟調地合い
ドル/円は、トランプ米政権による保護主義的な通商政策の影響で、FRBが年内に利下げを実施するとの思惑から調整色が強まり、108.10円前後まで下落した。日経平均株価の続落も、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、一意108.04円まで値を下げ、約4ヵ月半ぶりのドル安・円高をつけた。ただ、今晩発表される米5月ISM製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り、108.20円近辺へ値を戻した。ユーロ/ドルは、1.11ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★4日の豪中銀定例理事会で利下げ確立は100%
オーストラリア準備銀行は4日に定例理事会を開き、政策金利を決定する。オーストラリア証券取引所の金利先物から算出される利下げ確立は前週末時点で100%と、利下げが確実視されている。豪中銀のロウ総裁は5月21日の講演で、『2週間後の利下げが必要か検討する』と述べている。現在の豪中銀の政策金利は過去最低の1.50%で、2016年8月以降、変わっていない。米中摩擦の激化を背景とした世界的な金利低下で、足もとの豪10年債利回りは1.4%台後半に下落し、政策金利を下回る水準となっている。
★中国の包商銀行の公的管理に対して平静を呼びかけ
内モンゴル自治区の包商銀行が先月、当局の管理下に置かれたことを巡って、中国人民銀行は2日、ほかの銀行を管理下に置く計画は現時点ではないと強調し、投資家の懸念払拭に努めた。人民銀行は、金融市場を安定させ銀行システムの流動性を高めるため、さまざまな金融政策ツールを活用するとの姿勢を示したが、より幅広い緩和については言及しなかった。さらに、人民銀行は声明の中で『6月の流動性に影響するさまざまな要因を完全に把握、準備を整えている。市場の現金需給の状況に応じて、リバースレポや中期貸し出しファシリティーを柔軟に活用する』と表明した。
★米国の対メキシコ5%関税引き上げで日系自動車メーカー営業利益下押し
米国政府がメキシコからの全ての輸入品に対する関税を5%へ引き上げると発表した。ゴールドマン・サックスは31日付けリポートで、5%の関税引き上げで、日系自動車メーカー4社の2020年3月期の営業利益にはいずれも下押し要因となると指摘した。『トヨタが1%減、ホンダが2%減、日産が15%減、マツダが10%減』と推定した。①日系メーカーでメキシコに生産拠点を構える企業は、トヨタ、ホンダ、日産、マツダの4社。メキシコから米国への完成車輸出台数は、2018年時点でトヨタ14万台、ホンダ13万台、日産25万台、ホンダ13万台。②米国に輸入されるメキシコ製完成車の平均単価を250万円と仮定すると、5%の関税引き上げは1台当たり10万円強のコスト負担になる。③メキシコでの調達部品のコストアップも加味すると、1台当たりのコスト負担はさらに大きくなる。
★2年物国債利回りが1.95%まで低下すると利下げの可能性も
米国債市場は短期債と長期債の利回り差で逆転が生じるなど、米FRBに利下げを求める『催促相場』の様相を呈している。しかし、他の金融市場が織り込む景気の見通しは国債市場ほど悲観的ではなく、状況が一段と悪化しない限りFRBが国債市場の要求に屈することはない。ただ、物価が一段と低下したり、通商紛争の激化など他の要因で米景気が鈍化すれば、米国債市場の利回りは正しいシグナルを発していたことになるかもしれない。
米国債は2年債の利回りが足もとで2.08%と、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を30ベーシスポイント(bp)下回っている。シティグループによると、過去平均では2年物国債利回りがFF金利の78%に下がるとFRBが利下げに動いた。現在は87%程度の水準で、FRBが利下げに動くのは2年債の利回りが1.95%まで下がった場合ということになる。
★米国株市場では5月ISM製造業景況指数が公表
4月実績は52.8と市場予想を下回った。新規受注、雇用、生産が低下した。5月については、米中貿易摩擦によって輸出入の受注は伸び悩んでいることや、在庫は増加傾向にあることから、全体の指数は4月に近い水準にとどまる可能性がある。4月耐久受注などは低調となったが、先行指標とされる5月NY連銀死蔵業指数は改善されており、製造業の回復を見極める材料となる。
★欧米イベント
○15:30 5月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%)
○16:00 5月トルコ製造業PMI
○16:00 5月トルコCPI(予想:前月比1.30%/前年比19.10%)
○16:30 5月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:48.8)
○16:50 5月仏製造業PMI改定値(予想:50.6)
○16:55 5月独製造業PMI改定値(予想:44.3)
○17:00 5月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.7)
○17:30 5月英製造業PMI(予想:52.0)
○22:10 クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:45 5月米製造業PMI改定値(予想:50.6)
○23:00 5月米ISM製造業景気指数(予想:53.0)
○23:00 4月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○4日01:40 バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○4日02:25 ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○4日03:00 5月ブラジル貿易収支
○トランプ米大統領、欧州訪問(6日まで)
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