★日経平均株価:前日米国株の下げが圧迫要因
前日の欧米株安が投資家心理を圧迫し、朝方から幅広い業種に売りが先行した。ドル/円が109円半ばで落ち着いた動きとなり、日経平均株価も一旦下げ渋る場面もあったが、その後に始まった上海総合株価指数が軟調に推移したことで、上値が重くなった。NYダウ先物が小じっかりとなったことや、日銀による株式ETF買いの思惑が支えにとなり、下げ幅を縮小した。結局、前営業日比60円安の2万0942円と続落して終了した。
★東京外国為替市場:ドル/円は米長期金利持ち直しでじり高で推移
ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、109.65円へ小幅上昇した。しかし、日経平均株価がさえない動きとなったことから伸び悩み、109.50円台を中心とした狭いレンジで値動きとなった。午後は、日経平均株価の下げ幅縮小で過度なリスク回避姿勢が和らぐと、持高調整などのドル買い・円売りが入り、109.72円前後までじり高となった。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ユーロ/ドルは、1.1135ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。
★日本の消費税が為替相殺関税となる可能性も
米財務省は、毎年4月中旬と10月中旬に『為替政策報告書』を公表しているが、今年2019年4月版は、米中通商協議が難航し、5月初旬には米中貿易戦争の休戦状態が破られたことで、5月28日に公表された。トランプ米大統領は、5月27日に『中国とディールする用意はない』と述べ、6月28-29日の大阪サミットでの米中首脳会談に向けて合意が期待されていた米中通商協議がデッドロックに陥っていることを示唆した。
米商務省は、自国通貨を割安にする国から輸入品に相殺関税をかけるルール改正案を発表した。米国は自国通貨を割安にすることを輸出国側の補助金と見なして関税で対抗するが、割安か否かの判断は米財務省に委ねられる。トランプ大統領は、日本の消費税を『消費税輸出戻し税』による輸出企業への補助金と見なしており、10%への消費増税が10%の為替相殺関税となる可能性にも警戒が必要となる。
★米中貿易摩擦長期化で米国も景気後退懸念
米国政府は知的財産侵害を問題視し中国の通信機器メーカー、ファーウェイを米国市場から排除した。また、中国経済の5月見通しは悪化している。米国との交渉でレバレッジを高めるべく中国はレアアースを対抗手段にする準備を進めるという賭けに出る可能性がある。レアアースはiPhone,液晶テレビ、コンピューター、ハイブリッド車などになくてはならない原材料と言われており、米国政府も追加関税の対象から外している。中国は米国の政権交代の可能性なども視野に入れ、交渉を2020年の選挙以降まで持ち越す可能性も考えられる。この場合、問題は長期化する。さらに、トランプ政権は全中国製品に追加関税を課す可能性も強まる。米中貿易問題が長期化すると米国経済にさらに悪影響を与えるとの見通しも強まりつつある。米国の長短金利も再び逆転し、3カ月物と10年物の利回り格差は-14べーシスポイントと、その逆差は2007年9月以降で最大を記録した。一般的に、長短金利の逆転は景気後退を示唆すると考えられている。
★イランは米国との対話に応じる意向:トランプ大統領の発言待ち
米国とイランとの間で緊張が高まる中、イラン政府が近隣国に、『原油制裁が緩和されれば対話に応じる用意がある』と伝えていたことが、イラン政府関係者への取材でわかった。ロハニ大統領も29日、『不当な制裁を解除すれば、(交渉への)ドアは開かれている』と述べるなど、イランが経済の屋台骨とする原油への制裁次第では、米国との対話に応じると判断した可能性がある。イラン政府関係者によると、同国のザリフ外相やアラグチ外務次官は25~28日、オマーンやイラク、クウェートなどを相次いで訪問した。この際の外務当局との会談で今月2日に本格的に始まったイラン産原油の全面禁輸が緩和されるなら、イランは米国との対話に応じることがイラン側から伝えられた。オマーンは、2015年にイランと米英仏独ロ中が結んだ核合意につながるイランと米国との対話の仲介役を担ったとされ、イランと米国の窓口の一つとみられてきた。
★米国市場では1-3月期国内総生産改定値が公表
速報値では個人消費と企業設備投資は減速、在庫と純輸出が全体を押し上げた。改定値では、企業設備投資が上方修正される可能性は低いことや個人消費も速報値から改定さえる可能性は高くないと予想されており、GDP改定値は速報値と同じ伸びとなるか、わずかに下回る結果になると見られている。
★欧米イベント
○15:00 4月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.00%)
○16:30 ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○18:30 4月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.8%/前年比5.9%)
○21:00 1-3月期ブラジルGDP(予想:前年同期比0.5%)
○21:30 1-3月期カナダ経常収支(予想:180億カナダドルの赤字)
○21:30 1-3月期米GDP改定値(予想:前期比年率3.1%)
個人消費(改定値、予想:前期比1.2%)
コアPCE(改定値、予想:前期比1.3%)
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/166.2万人)
○23:00 4月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.9%/前年比0.1%)
○24:00 EIA週間在庫統計
○31日01:00 クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○スイス、ノルウェー、スウェーデン(キリスト昇天祭)、休場
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