FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀が緩和姿勢を明確化したことで買い優勢に

10連休を控えて様子見ムードが強かったが、為替が円安基調で推移したことが安心材料となった。日銀金融政策決定会合で、少なくとも2020年春頃まで、現在の極めて低い長短金利の水準を維持すること想定していると緩和姿勢を明確化したことで低金利の恩恵を受ける不動産株や金利敏感の鉄道株・建設株などが買われた。結局、前日比107円高の2万2307円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:現状112円台はドルの売り需要強い

ドル/円は、日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、112.23円付近まで上昇した。ただ、前日の米国市場でつけた年初来高値112.40円が視野に入ると上げは一服した。その後は、米長期金利の低下や上海総合株価指数の下落をながめて利食い売りなどに押され111円台後半まで下落した。大型連休を前に、国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら111.90円台を中心とした狭いレンジ内での展開となった。ユーロ/ドルは、1.11ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

韓国の第1四半期GDPは金融危機以来の弱さ

韓国中銀が発表した第1四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済みで前期比0.3%減と、市場予想に反して世界的な金融危機以来の弱さとなった。2018年第4四半期の1%増からマイナスに転じ、3.3%減を記録した2008年第4四半期以来の落ち込みとなった。この統計を受けて市場では、中銀が緩和スタンスにシフトする公算が大きく、企業信頼感の悪化や対外リスクに対抗するため利下げに踏み切る可能性もあるとの見方が強まった。

中銀は第1四半期のGDPについて、メモリーチップ部門の低迷が予想以上となり設備投資が落ち込んだほか、米中貿易摩擦を背景とした輸出の減少が個人消費の増加分を相殺したと指摘した。また、昨年第4四半期の成長が良好だったことも、前期比GDPを押し下げた要因と付け加えた。

 

カナダ中銀も慎重な金融政策方針い転換

カナダ中央銀行は金融政策決定会合で市場の予想通り政策金利(翌日物貸出金利)を1.75%に据え置くことを決定した。同時に、原油ショック、貿易緊張、住宅市場の弱さを理由に、2019年の国内総生産(GDP)成長予想を従来の+1.7%から+1.2%へ引き下げた。声明では将来の利上げに関する文言を削除し当面利上げを見送る方針を表明した。成長の弱さは「一時的」と見ており、今後の政策も『利下げ』よりも 『利上げ』の可能性が強いとしながらも、金融政策は『今後の指標次第』としFRBと同様、両方向に動く方針に大きく転換し、利下げの可能性も示唆した。世界経済の成長減速が具体化する中、米FRBのみならず各国中央銀行が慎重な方針に転じ始めた。

 

米中貿易摩擦は中国の思惑が外れ譲歩を余儀なくされた

弊社ワシントン情報筋によれば、「米国は2500億ドル分の中国製品に課す制裁関税の一部を残す考えだったが、中国が『履行検証機関』設置で歩み寄ったことで、中国が要求する関税全廃を受け入れ、米中首脳会談で関税戦争『終結』が手打ちされよう」と打ち明ける。中国はトランプ大統領が「ロシア疑惑」で政権弱体化する可能性を注視していたが、ロシアとの共謀が証明されず、米政権が貿易交渉で強気スタンスを崩さないことで譲歩を余儀なくされた。18年後半に急落したトランプ政権の「命綱」である米国株が、米FRBの利上げ停止等で持ち直してきたことも強気の交渉姿勢に繋がっている。

 

米国がイランの経済制裁再開でNY原油は高止まりか

アメリカがイラン産原油の禁輸に向けた経済制裁で一部の国に認めていた例外措置を来月以降は認めない方針を示したことに対し、イランのザリーフ外相は、対イラン強硬派として知られるボルトン大統領補佐官を名指しで批判するなど強く反発した。
ザリーフ外相は、トランプ政権がイラン産原油の禁輸に向けた経済制裁で、日本や韓国などに認めてきた制裁の適用除外を来月2日以降延長しない方針を発表したことに関連して『ボルトン氏のチームがアメリカの政策を破滅へと導こうとしている』と述べ、対イラン強硬派として知られるボルトン大統領補佐官を名指しで批判した。
そのうえで『イランは今後も買い手を探すし、原油を売る。ホルムズ海峡はすべての当事者にとっての安全な輸送路だが、アメリカがイラン産原油の輸出を妨げるなら、その結果、起きることにアメリカは備えるべきだ』と述べて、アメリカの今後の行動しだいではホルムズ海峡を閉鎖する可能性も示唆して、強くけん制した。

 

米国市場では3月耐久財受注が公表

2月実績は前月比▲1.6%となった。民間航空機・同部品が前月比▲31.1%と大幅に減少し、全体を押し下げた。輸送関連を除くと新規受注額は+0.1%となった。3月については輸送関連の新規受注が増加する見込みであることから、全体の受注額は増加する見込みとなっている。

 

欧米イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.25%で据え置き)
○18:30   3月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比5.4%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:24.00%で据え置き)
○21:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:30   3月米耐久財受注額(予想:前月比0.8%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:20.0万件/169.9万人)
○26日02:00   米財務省、7年債入札
○オーストラリア、ニュージーランド(アンザックデー)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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