FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:景気敏感株に買いが入り相場を支える

前日の米国株の反落にも中国景気の回復期待を受け、景気敏感株の一部に海外投資家の買いが入り相場全体を押し上げた。ただ、新規材料に乏しく積極的な売買手控えムードが広がった。結局、前日比52円高の2万2221.66円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は111.95近辺でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りが入り112.04円までじり高となった。4月の豪準備銀行議事要旨で利下げが適切となるシナリオについて議論されたことが判明すると、豪ドル売り・円買いが波及して、111.90円付近まで軟化した。黒田日銀総裁が衆議院財務金融委員会に出席『日本経済は堅調で緩やかな拡大が続く』、『今後も政策の効果と副作用を比較考慮し適切に政策運営していく』などと発言したものの、相場への影響は限定的だった。午後は、新規材料もなく積極的な売り買いは手控えられ、111.95円付近でもみ合う相場となった。ユーロ/ドルは、1.1300ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の輸出は弱含む基調変わらず

米中貿易摩擦を巡っては、合意が近いとの見方がある一方、世界経済を巡る不透明感が高まる動きも出るなど、中国にとって輸出の重石となることが懸念される。 今年は春節のズレが年明け以降の貿易統計のかく乱要因となり、3月の輸出額は前比+14.2%と上振れしたが、1-3月では同+1.4%に留まるなど弱含む基調は変わっていない。 米中貿易摩擦に伴いハイテク関連の輸出は鈍化が続く一方、アジアを中心に行き場を失った中国製品が雪崩れ込む動きが輸出を押し上げたが、先行きは世界経済の動向に揺さぶられる展開く可能性が高い。一方、3月の輸入額は前年比▲7.6%と4ヶ月連続で前年を下回るなど輸出以上に弱含んでいる。 米国からの輸入が大幅マイナスで推移するなか、米国以外からの輸入も弱含むなど幅広く鈍化している。

 

欧米通商交渉も開始の見込み

欧州連合(EU)加盟国は15日、米国と正式な通商交渉を開始することを最終承認した。通商交渉入りを巡っては、フランスの反発を受けて承認が数カ月遅れていた。
EU加盟国は、欧州委員会が提案した交渉権限を賛成多数で承認した。フランスは反対票を投じ、ベルギーは棄権した。 EUの執行機関である欧州委員会は、1)工業製品の関税引き下げを巡る方策と、2)製品がEUもしくは米国の基準を満たしていると企業が証明しやすくする方策について、交渉を始めたい考え。交渉開始にはEU加盟国の支持が必要だった。

 

米企業決算発表で一喜一憂

前週後半には米金融大手の決算が底堅さを示し、米国の株高とリスク選好の円安が後押しされたが、昨日はゴールドマン・サックスの決算を受けてNYダウがマイナス圏に沈むなど、米企業決算の結果に振れる展開となっている。米決算発表については、1)世界減速や昨年までの大型減税の剥落などによる減益リスク、2)減益リスクに対しての昨年10-12月の大幅株安での織り込み進捗、3)年初からの米株反発を受けた『収益見通し見合い』での割高過熱警戒の再燃、といった複雑な状況にある。4月後半にかけては個別企業の決算発表ごとに一喜一憂の不安定さが想定されるほか、日々の決算発表時点での市場センチメント(投資家心理)動向に市場反応が左右される地合いとなっている。

 

米4月NY連銀製造業景気指標では先行き不安も

米国の4月NY連銀製造業景気指数は10.1と、2年ぶり低水準に落ち込んだ3月3.7から予想以上に回復した。昨年12月来で最高を記録した。同時に、不安も残った。6カ月先予想での将来のビジネス景況指数は12.4と、前月の29.6から17.2ポイント低下した。そのため、3年ぶりの低水準に落ち込んだ。また、リセッション以降で2番目に低い水準となる。新規受注や出荷見通しも弱く、2019年の製造業は依然、苦戦していることが明らかになった。貿易摩擦に加えて、中国製造業の停滞などが影響している。 2019年の同指数の平均も6.6と、2018年の19.8を大きく下回ったままとなっている。また、FRBの様子見の方針を正当化する。

 

欧米イベント

○16:00   2月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○17:30   3月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2万件/失業率なし)
○17:30   12-2月英失業率(ILO方式、予想:3.9%)
○18:00   2月ユーロ圏建設支出
○18:00   4月独ZEW景況感指数(予想:0.8)
○18:00   4月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:30   2月対カナダ証券投資
○21:30   2月カナダ製造業出荷(予想:前月比横ばい)
○22:15   3月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
       設備稼働率(予想:79.1%)
○22:50   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○23:00   4月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:63)
○17日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○日米物品貿易協定(TAG)交渉(ワシントン、最終日)

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