★日経平均株価:内需株に買いが入り上げに転じた
前日にNYダウが3日ぶりに小反発したにも関わらず、日本固有の材料に乏しく様子見を決め込む投資家の利益確定売りが先行した。しかし、後場に内需関連への物色が続いて上げに転じた。結局、前日比23円高の2万1711円と反発して終了した。
★東京外国為替市場:111.05円を挟んだもみ合い相場
ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ111.12円付近まで上昇した。しかし、日経平均株価や上海総合株価指数がさえない動きとなったことから伸び悩み、111.05円前後でもみ合う展開となった。中国国家統計局が発表した3月消費者物価指数は、前年比+2.3%となり市場予想の+2.4%を下回ったものの、市場の反応は限定的だった。午後は株価をにらみながら111.05円を挟んだもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1280ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★条件付きで英国の離脱期限
EUサミットも、『英国の10月31日までの離脱期限延期』が決定されたが、5月末に行われるEU議会に参加し、きちんと拠出金も出して、加盟国としての義務を果たすことが最低限の条件となった。それさえも確約できないのであれば、選挙後の6月1日に離脱することになりそうです。トゥスクEU大統領からは、何度この言葉を聞いたか定かではありませんが、再び『全ては英国の手の中にある』状況となった。英国議会の大人の決断を待つことになる。市場は既に『この話題には飽きてきている』わけで、たいした反応もないが、2回目の国民投票といった選択肢が現実的になってきたことは事実である。市場はとりあえずは仕切り直しで新たな方向性が出てくるのを待つしかない状態となっている。
★ECBは一段と下押しするリスクに警戒を強め現状維持
ECBは10日理事会で19年入り後のユーロ圏経済が英国EU(欧州連合)離脱に伴う混乱などで一段と下押しするリスクに警戒を強め、金融緩和の現状維持を決めた。
ドラギECB総裁はこの日の理事会後の会見で、『必要であればECBはあらゆる手段を調整する用意がある』、『欧州経済の見通しに対するリスクは依然下振れ方向に傾く』、『マイナス金利の影響を軽減する必要性があるか検討』等と発言、改めて欧州経済の脆弱性に『ハト派』継続を強調した。
ECBは現在の超低金利を少なくとも19年末まで続けるが、物価上昇率2%という目標を達成すべく必要であれば、さらに緩和の長期化を視野に入れている旨表明した。
国際通貨基金(IMF)が9日公表した世界経済見通しでドイツとイタリアの19年成長率を0.8%、0.1%といずれも僅か3ケ月前比0.5ptも下方修正した。米中貿易戦争などを契機に世界経済減速が輸出主導ドイツの景気を冷やし悪影響が欧州主要国に広がっている。
★米国のインフレ率はFRBが利上げを急ぐほどではない
米労働省が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と市場予想通り1月来の高水準となった。前年比では+1.9%と、2月+1.5%から予想以上に上昇し、昨年12月来で最高となった。 また、変動の激しい食品やエネルギーを望くCPIは前月比+0.1%と上昇予想に反して2月と同水準を維持した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している前年比では+2.0%と、予想外に2月+2.1%から低下し、ほぼ1年ぶりの低水準。しかし、FRBの目標値である2%を保った。
★FOMC議事要旨では柔軟な金融政策方針を確認
米連邦準備制度理事会(FRB)は3月19-20日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表した。FRBはこの会合で、中国や欧州経済の成長鈍化を理由に利上げを見送り、景気判断・見通し、インフレ、金利見通しをそれぞれ引き下げ年内の利上げを見送る方針を示した。
議事録の中で、リスクの上昇で、大半のメンバーが年内の金利据え置きが正当化されると見ていることが再確認された。同時に、一部のメンバーはもし、経済の成長が長期の潜在的水準を上回った場合は、『年後半の利上げが適切』と主張している。数人のメンバーは経済動向次第で、金利政策が『利上げ』『利下げ』どちらの方向にもシフトする可能性に言及するなど、委員会の柔軟な姿勢が示された。
景気判断では、さまざまな不透明感から、昨年10-12月期の成長減速が1-3月期も継続すると見ている。リスクには英国の欧州連合(EU)離脱、国内の消費の弱さが長期化すること、欧州や中国経済の成長減速の深刻化などを挙げた。ただ、景気減速やリスクが存続する中、景気の弱さは『一時的』との判断で、メンバーは概ね経済活動は拡大が続き、労働市場も引き続き強く、インフレも2%前後で推移すると見ている。FOMCは万が一、リセッションの兆候などが見られたら利下げに踏み切る準備があることを証明したものの、現時点で利下げは予想していないようだ。
★欧米イベント
○15:00 3月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比1.3%)
○15:45 3月仏CPI改定値(予想:前月比0.8%/前年比1.1%)
○16:00 2月トルコ経常収支(予想:8.5億ドルの赤字)
○16:30 3月スウェーデンCPI(予想:前月比0.2%/前年比1.8%)
コア指数(予想:前月比0.1%/前年比1.8%)
○21:30 2月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○21:30 3月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比1.9%)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.4%)
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.1万件/173.8万人)
○22:30 クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:40 ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○12日02:00 米財務省、30年債入札
○12日03:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ツイッターで質疑応答
○12日05:00 ボウマンFRB理事、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、12日まで)
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