★日経平均株価:上海総合株価指数の持ち直しに買いが優勢に
前日のNYダウが4日ぶりに83ドル安を受けて、利益確定売りが先行した。お昼休みに上海総合株価指数が持ち直し、投資家心理が改善したほか、日銀によるETF買い入れへの思惑から海外ヘッジファンドなど短期筋が継続的に先物に買いを入れ、現物株を押し上げた。結局、前日比40円高の2万1802円と反発して終了した。
★東京外国為替市場:111.35円を挟んだもみ合い相場
ドル/円は、日経平均株価のさえない動きや米長期金利の低下をながめて、持ち高調整などのドル売り・円買いに押され111.28円付近まで下落した。イランの革命防衛隊を『外国テロ組織』に指定したことで、両国の対立が一段と深まったことも、ドルの重石となった。ただ、下値では値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、111.35円付近へ切り返した。午後は、株価にらみながら111.35円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1265ドルを挟んだ方向感に欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。
★トルコの政権への不信感の高まりがリラの重石
トルコのイスタンブール市長選の敗北を受け入れられないエルドアン大統領が選挙結果に介入し、政権への不信感の高まりがリラ売りを強めた。また、シリアを巡り米国と再び溝が深まりつつあることもトルコ金融市場にとっては重石となっている。米国は、トルコがテロ組織としているシリア国内のグループに物質支援を継続している。トルコはそのテロ組織の掃討作戦を計画しているもよう。トルコの代表的な株式指数であるBIST100も軟調推移している。
今週は11日に2月トルコ経常収支が発表される。3カ月連続の赤字が見込まれているが、前回8.1億ドルの赤字からどの程度上下に振れるかが注目。また、週半ばにはアルバイラク・トルコ財務相が経済計画を発表するとも伝わっており、内容次第では相場の動意に繋がりそうだ。
★英メイ首相は保守党内の支持取り付けを諦めた可能性も
英国のメイ首相が欧州連合(EU)離脱期限の再延期を要請したことを受け、EUは10日の首脳会議で対応を協議する。そうした中、英国では与党・保守党と最大野党・労働党が、新たな合意の取りまとめに向けた動きを加速させている。メイ首相は先週、EUとの間でまとめた離脱協定案が議会で3回否決されたことを受け、労働党の協力を得て協定案の議会可決を目指す方針に転換した。その後、両党は協議を続けている。つまりメイ首相は、保守党内のEU離脱強硬派を説得して協定案への支持を取り付けることを諦めたようにも見える。
★10日にECB定例理事会開催
欧州経済は中国などの世界減速や貿易摩擦余波のほか、英国のEU離脱混迷などで景気悪化リスクが高まっている。ECB理事会で景気見通しが一段と下方修正されたり、利上げ時期の再延期や先行きの利下げといった緩和姿勢が示さると、ユーロの戻り売りが後押しされる。ただし、ECBによる景気配慮の緩和転換は、先行き欧州の景気や株価を下支えしていく。世界的にもリスク選好にプラスとなる部分があり、根深いユーロ安の圧力にあって、ユーロ/円はリスク回避のユーロ安・円高が抑制される可能性もある。
★決算発表時期は米国企業の自社株買いは自粛
米国株市場では12日前後から、1-3月期の決算発表がスタートする。決算発表時期には米国企業による自社株買いが自粛されるほか、決算内容自体への警戒感もあり、米国株は下落のリスクが警戒される。貿易摩擦や世界減速の先行きに不透明感が残されていることも、米国企業の決算見通しには悪材料になるものだ。その反面、米国株市場は昨年10-12月での大幅下落により、当座の減益リスクの織り込みも進捗してきた。今後については米金利低下や前年比での過度なドル高の一服、昨年の大規模な財政出動と減税の反動剥落の一回転、中国など世界減速の底入れ期待などが、業績悪化の歯止め要因として注目されやすい。
★欧米イベント
○21:00 2月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比2.9%)
○22:00 3月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.41%)
○10日02:00 米財務省、3年債入札
○10日06:00 クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○国際通貨基金(IMF)世界経済見通し発表
○独英首脳会談(ベルリン)
○仏英首脳会談(パリ)
○欧州連合(EU)・中国首脳会談(ブリュッセル)
○イスラエル総選挙
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