FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:戻り待ちの売りに押される展開

米中の経済指標の改善を手がかりにした世界的な株高を好感して買いが先行し、一時上げ幅を200円超へ広げ約1ヵ月ぶり高値を付けた。しかし、戻り待ちや金融機関の利益確定売りに押されて下げに転じた。結局、前日比3円安の2万1505円と小反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株上げ幅縮小で111円台前半でもみ合い相場

ドル/円は、前日に発表された米3月ISM製造業景況感指数の上振れや米国株高を好感したドル買い・円売りが先行した。しかし、上値の111.48円が意識されると、上げは一服した。その後、日経平均株価の上げ幅縮小や米長期金利の低下をながめて利食い売りなどに押され、111.30円付近へ下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら111.30円台を中心とした狭いレンジ内のもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、豪ドル安・ドル高の流れが波及し、1.12ドル台を割り込んで1.1195ドル付近まで下落した。しかし、下値では値ごろ感からユーロを買い戻す動きも見られ、1.1210ドル付近へ切り返した。

 

英国のEU離脱問題も最終コーナー

メイ首相が退陣を条件に離脱合意の受け入れを迫った3度目の投票は、強硬離脱派の中心人物が土壇場で合意受け入れに方針転換したものの、58票差で再び否決された。
議会は1日に代替案の採決を予定、3日も代替案の審議時間確保に動いており、政府に関税同盟を中心とした穏健離脱の受け入れを一段と迫る模様である。対する政府は四度目の合意受け入れ採決を目指して、強硬離脱派や閣外協力する地域政党の説得を続けている。 穏健な代替案か政府案での離脱か、いよいよ最終決戦を迎える。四度目の採決が失敗に終わった場合も、メイ首相は保守党分裂の恐れがある穏健な代替案を受け入れるのではなく、議会の解散・総選挙に打って出る可能性が高い。

 

NYダウ輸送株指数が再反発

米国の内需や全体株に先行性のある『NYダウ輸送株指数』は、年初からの反発と2月後半以降の調整下落を経て、3月25日以降は再反発へと転じてきた。トレンド基調を示す前年比変化率(月間安値÷前年同月の月間高値)では、昨年12月の▲19.6%、今年1月の▲22.5%が最悪ボトムとなる形で3月は-7.9%と底入れ攻防に直面している。過去の株安局面における前年比大幅マイナスの最悪ボトムは、2016年1月、2012年7月、2009年3月、2003年3月などで観測されてきた。

 

米国の利下げ観測も後退気味

米供給管理協会(ISM)が発表した3月ISM製造業景況指数は55.3と、2年ぶりの低水準となった2月54.2から回復した。特に雇用の改善が全体指数を押し上げた。主要項目である新規受注は57.4と、2月の55.5から上昇した。雇用は57.5と、4カ月ぶりに上昇し2018年11月来の高水準を記録し労働市場が引き続きひっ迫している証拠となった。一方で、輸出:51.7(52.8)、輸入:51.1(55.3)それぞれ前月から低下し、2年ぶり低水準となった。対中貿易摩擦が引き続き影響し、成長を抑制している証拠となった。一方、米商務省が発表した2月小売売上高は前月比-0.2%と予想外のマイナスに落ち込んだ。悪天候が影響し建材(-4.4%、2012年4月来で最大の減少率)や食料雑貨(-2.3%)の売り上げが冴えず、全体指数に影響した。2月に北部、北東部は歴史的大雪に見舞われたほか、東南部は歴史的な雨量を記録した。
国内総生産(GDP)の算出に使用される自動車・建材・給油・食品を除いたコントロールグループは-0.2%と、やはり予想外に12月来のマイナスを記録した。ただ、1月分は1.7%に上方修正され、2001年10月以降ほぼ17年ぶり高い伸びを示し、まちまちの結果となった。
1-3月期GDPは平均で1.5%前後の成長が予想されている。米商務省と類似したモデルを使用しているとして度々注目されるアトランタ連銀の予想では1-3月期GDPで+2.13%を見込んでいる。

 

米国市場では2月耐久財受注が公表

1月の実績は前月比+0.4%だった。民間航空機・同部品が前月比+15.9%と大幅に増加したことが要因となった。輸送関連を除く新規受注額は前月比▲0.1%だった。2月については、民間航空機・同部品の受注額は大幅に減少すると予想されており、全体の受注額は減少する見込みとなっている。なお、1月の航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注額は前月比+0.8%だった。2月については若干減少する見込みとなっている。

 

欧米イベント

○15:30   3月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)
○16:00   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   3月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.8)
○18:00   2月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比3.1%)
○21:30   2月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.8%/輸送用機器を除く前月比0.2%)

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