FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い安心感が広がり先物主導で上昇

新年度入りした東京株式市場では、前週末の米国株式市場の上昇や中国景況感改善を受けて投資家心理が上向いたこともあり、海外勢を中心に株価指数先物に買いが入った。また、外国為替市場で1ドル=111円台まで円安・ドル高が進行し輸出関連株を中心に買いが広がり、一時上げ幅は500円に迫る場面もあった。ただ、午後になると、利食い売りなどにより上げ幅を縮小する展開となった。結局、前日比303円高の2万1509円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りも111円台では上値重い

ドル/円は、日経平均株価の大幅高や米長期金利の上昇に支えられ、111.18円まで上昇した。財新・マークイットが発表した3月中国製造業PMIが50.8と市場予想の49.9を上回ったことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、今晩発表される米2月小売売上高や米3月ISM製造業景況指数を見極めたいとの雰囲気もあり、上げ幅は一服した。午後は、日経平均株価指数の上げ幅縮小をながめて利食い売りなどに押され、111.00円近辺まで小緩んだ。ただ、下値では本邦実需筋のドル買い・円売りが入り、111.05円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、ポンド/ドルのポンド高・ドル安が波及、1.1240ドル台へ値を上げた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

新元号で『レイ』が買われる:利食いも早そう

CM向け映像やイベントの製作を手掛ける『レイ(4317)』に買いが集まっている。後場には買い注文が膨らみ、買い気配のまま商いが成立していない。株式市場の昼休み時間中に、平静の次の元号が『令和』になると発表された。社名に新年号『令和』の『レイ』の読みが入っていることで、個人投資家を中心に思惑買いが入った。ただ、市場では『改元はきょうの大きなテーマなので個人投資家が買っているが、業績などの材料で買われているわけではない以上、直ぐに利益確定売りに押さえれる』との指摘がある。

 

中国景気も底打ちの兆し

中国政府が3月31日に発表した3月の製造業購買部担当者景気指数(PMI)は前月比1.3ポイント上昇の50.5となり、景況感の分かれ目となる50を上回って昨年9月以来の高水準となった。中国メディアの財新などが1日に発表した民間版の製造業PMIも0.9ポイント上昇の50.8となり、好調だった。中国政府が過去1年以上にわたり実施してきた各種の景気対策が奏功し始めた可能性が高い。

 

米格付け会社のコメントを受けトルコリラ弱含み

米格付け会社ムーディーズは、通貨下落を止めるためにリラ買い介入を行ったトルコ中銀の独立性に懸念を表明した。また、今後も不透明な金融政策が続くようであれば、トルコからの資本逃避が増加する可能性についても言及した。

 

景気減速を示唆するような日銀短観結果

大企業・製造業の企業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス12となった。前回2018年12月調査のプラス19に比べて7ポイントの悪化となり、悪化は2四半期ぶりとなった。7ポイントの悪化は12年12月の9ポイント悪化以来となる。先行きについてはプラス8と、さらに4ポイントの悪化を見込んでいる。製造業の中堅企業のDIはプラス7と前回のプラス17から10ポイントの悪化となり、先行きプラス3と4ポイント悪化を見込んでいる。製造業の中小企業のDiはプラス6と前回の14ポイントから8ポイントの悪化となり、先行きはマイナス2と8ポイントの悪化となりマイナスに転じるとの見込みとなった。

非製造業をみてみると、大企業は足もとプラス21とプラス3の悪化、先行きは1ポイントの悪化を見込んでいる。中堅企業は足もと18と1ポイントの改善、先行きは6ポイント悪化を見込んでいる。中小企業は足もとプラス12と1ポイントの改善、先行き7ポイントの悪化を見込んでいる。

2019年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業・製造業で1ドル108.87円としている。現在のところは為替想定レートを上回っている。

短観の結果をみてみるとすでにピークアウトしたことが伺える。

 

米国市場では2月小売売上高が公表

1月の実績は前月比+0.2%で市場予想をやや上回った。自動車・関連部品を除いた売上高は同比+0.9%となった。インライン・ストアなどの無店舗小売は+2.6%となった。2月については自動車・関連部品売上高の反動増が予想されることや、無店舗小売りは順調であるとみれており、売上高の伸びは1月実績をやや上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:30   2月スイス小売売上高(予想:▲0.3%)
○16:00   3月トルコ製造業PMI
○16:30   3月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:53.6)
○16:50   3月仏製造業PMI改定値(予想:49.8)
○16:55   3月独製造業PMI改定値(予想:44.7)
○17:00   3月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.6)
○17:30   3月英製造業PMI(予想:51.0)
○18:00   2月ユーロ圏失業率(予想:7.8%)
○18:00   3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.5%)
○18:00   3月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.9%)
○21:30   2月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:45   3月米製造業PMI改定値(予想:52.5)
○23:00   3月米ISM製造業景気指数(予想:54.5)
○23:00   2月米建設支出(予想:前月比▲0.3%)
○23:00   1月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○2日04:10  ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○1-2日   10-12月期ロシア国内総生産(GDP、予想:前年比2.0%)
○1-2日   3月ブラジル貿易収支(予想:55億ドルの黒字)
○欧州は3月31日から夏時間に移行済み

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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