FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は:権利落ちに伴う先物買い

期末配当の権利付き最終日で権利取りを狙った買いのほか、前日の急落を受けて自律反発を見込んだ買いも入った。ただ、前日の米国株や円相場は小動きで、外部環境はほぼ中立となっている。3月期末の配当金受け取りは概ね6月下旬頃となる。そのため、株価指数に連動した運用をする機関投資家は権利落ちのタイミングで、受け取る配当を再投資するため株価指数先物に買いを入れるとされている。1年前の権利付き最終日だった18年3月27日も日経平均は551円高と急伸した。結局、前日比451円高の2万1428円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:110円台回復も上値の重い展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅高に支えられ、110.24円近辺まで上昇した。しかし、22日に付けた110.33円が上値の目処として意識されると、ドルの上げは一服した。その後は、世界経済の減速懸念から利食い売りなどに押されて、110.05円近辺まで下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら110.10円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。今夜の欧米株価動向や経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、上下に動きにくかった。ユーロ/ドルは、米長期金利の低下一服をながめて持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り1.1305ドル近辺までじり安となった。

 

3月31日、トルコでは統一地方選の投票が実施

今回のトルコでは、大統領制(2017年4月、国民投票により承認)のもとで初めての地方選挙となるため、エルドアン大統領にとって大統領制の安定のためにも重要な選挙と位置づけられているようだ。地方選の注目の1つは、三大都市(アンカラ、イスタンブール、イズミル)の市長選となる。現職市長は、首都アンカラとトルコ最大都市イスタンブールはエルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)員、イズミルは最大野党である共和人民党(CHP)員が勤めている。今回の選挙はアンカラやイスタンブールでもAKP候補が油断できない状況のようだ。 トルコリラ安がダメ押しとなり悪化したトルコ景気に対して、エルドアン大統領は回復への道筋を示せていない。高止まりしたインフレ率などにも嫌気し、大統領の求心力低下がCHP候補にとって追い風となっている。もし主要都市の市長選でAKPが敗れ、または議会の議席数を大きく減らすようなことがあれば、大統領は支持回復を目指してバラマキ政策やトルコ中銀に対して金融緩和を強制する可能性も考えられる。大統領が権力を振り回すことになれば、トルコへの信頼は低下し、これまたトルコリラにとっては地合いを悪くする要因となる。

 

トランプ大統領が任期を全うする意味とは

ムラー特別検察官は2016年の米大統領選におけるロシア介入とトランプ陣営との共謀疑惑に関する捜査を終了、報告書を提出した。バー司法長官は24日、トランプ氏やトランプ陣営がロシアと共謀した証拠はないと連邦議会に報告した。ロシア疑惑が晴れたことにより、トランプ大統領に対する弾劾への脅威が払しょくされた。トランプ大統領が任期を全うすることが確実となった。 一方で、ムニューシン米財務長官とライトハイザーUSTR代表が今週中国を訪問し、閣僚級協議が再開する。トランプ大統領が任期を全うすることが確実になったため、中国側がドランプ政権との合意に積極的に動くとの期待も広がった。 米中貿易協定で合意が成立した場合、世界経済への悲観的見方も後退し、景気も回復する可能性も高い。米国の利上げ観測が再燃する可能性もある。米連邦準備制度理事会(FRB)は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で世界経済の鈍化や貿易政策への不透明性などを理由に景気判断や見通し、金利見通しを大幅に下方修正した。米国債の3カ月物と10年物の金利差は逆転し、年内にも景気後退に陥るとの不安も高まり、年内の利下げ確率は80%近くにまで上昇している。

 

米国市場では3月CB消費者信頼感指数が公表

2月実績は131.4で1月の121.7から上昇した。雇用市場の拡大や株式相場の上昇が好感された。3月についてはビジネス環境の改善に対する期待が高いこと、個人消費がまずます順調であることなどから2月実績をやや上回る可能性がある。国内経済に減速感が広がりつつあるものの、市場予想を概ね一致すれば、ドル売りを抑制する材料となりやすい。

 

欧米イベント

○16:00   4月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:10.8)
○16:45   3月仏企業景況感指数(予想:103)
○16:45   10-12月期仏国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.3%)
○16:45   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○19:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、香港で講演
○20:00   ブロードベント・イングランド銀行(BOE)副総裁、講演
○20:00   マクチ・スロバキア中銀総裁、講演
○21:30   2月米住宅着工件数(予想:121.3万件、前月比▲1.4%)
        建設許可件数(予想:130.0万件、前月比▲1.0%)
○22:00   1月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○22:00   1月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.0%)
○23:00   3月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:10)
○23:00   3月米消費者信頼感指数(予想:132.0)
○27日02:00   米財務省、2年債入札
○27日04:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

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