FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:小型株中心に個人投資家物色に上げに転じる

前日のNYダウが26ドル安と反落したことや、米中通商協議の進展期待の後退もあり、海外短期筋の先物への売りが株価を押し下げた。ただ、小型株中心に個人投資家の買いに上げに転じた。結局、前日比42円高の2万1608円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:FOMCを控え全般様子見ムードの強い展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りに支えられ、111.69円付近まで上昇した。日経平均株価の持ち直しで、リスク回避姿勢が後退したことも、円売りを誘った。ただ、15日高値111.90円が上値の目処として意識されると、上げ幅は一服した。その後は、米中通商交渉をめぐる先行き不透明感から利食い売りも見られ、111.60円を挟んでもみ合い展開となった。午後は、日経平均株価や上海総合指数をにらみながら111円台半ばで取引された。FOMC会合の結果を控え、様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台半ばで方向感のない値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中通商協議は長期化の様相

米中通商協議は実務レベルで今も水面下で交渉が続いているが、協議はなかなかまとまらない。双方から『協議は進展している』とのコメントや、『中国が米国産物の輸入増を提案』などのニュースが良く出ているものの、肝心の『構造改革問題』で進展がない。これでは協議がいくら進展してもまとまるはずがない。この『構造改革問題』はトランプ米政権が重要視しているが、習中国政権も譲れない問題であり、どちらかが譲歩しない限り通商協議は長期化するだけでなく、激化するリスクが大きい。

 

南アランドは格付け発表を控えポジション手仕舞いで上値重い

市場の最大の注目は来週29日に予定されている、ムーディーズ社の南ア債の格付けの発表になる。ムーディーズ社は唯一3大格付け機関で南ア債をジャンク債扱いにしていないが、格付けもしくは見通しの変更があるかに注目が集まっている。ここ最近のZARが重い理由として国営企業のエスコムの計画停電の影響以外にも、ムーディーズ社の発表前にポジションを手仕舞っているとの声も市場から聞こえている。

 

英国の無秩序な離脱への懸念残る

昨日18日には下院議長が、『一度否決された案を採決することは不可能』として、メイ首相が予定していた離脱延期を含んだ政府の離脱協定案を巡る3回目の採決を阻止した。このため、今週、採決が実施される可能性は少なくなり、無秩序な離脱への警戒感が広がった。 しかし、ドイツのメルケル首相は19日、29日の離脱期日まであまり余裕はないが、『秩序ある英国のEU離脱のために戦う』と断固とした方針を示した。欧州連合(EU)は英国に離脱延期を提案した。さらに、英国のメイ首相もどうにかして、離脱協定案を巡る採決を実施する意欲を見せたため、秩序のある離脱が可能だとの期待が強まった。

 

原油価格が高止まりする可能性も:サウジの戦略的思惑

サウジアラビアが原油生産を絞り込んでおり、1、2月と石油輸出国機構(OPEC)の協調減産の合意より踏み込んで減らし、さらに削減する構えとなっている。自らのシェアを落とし、原油高を嫌うトランプ大統領の怒りを買いかねない。それでも減産を主導するのは、価格下支えと同時に『拡大OPEC』ともいえる生産調整の枠組みを確立するためかもしれない。サウジの生産量は1月に日量1024万バレルとなり、目標としていた1063万バレルより少ない。さらに3月以降も一段と減らす姿勢を重ねてアピールしている。国際エネルギー機関(IEA)によると、サウジの2月の減産順守率は153%となり、OPECで減産に取り組む11カ国でみても94%と高いのは、サウジの貢献が大きい。また、ロシアの減産の出足が鈍いのを補う面もある。冬は設備の凍結を防ぐため、ロシアは生産水準を落としづらい事情がある。トランプ大統領は2月末、ツイッターで原油価格上昇を改めてけん制し、協調減産の緩和を暗み求めた。ただ、サウジは昨年と異なり、減産を緩めるそぶりを見せていない。一時的に身を切っても、サウジがこの大勢の結束力を高める動機は十分にある。

 

米国市場ではFOMC会合の結果公表:ハト派姿勢でドル売り材料

最近のFRB高官の発言から、FRBが今回のFOMCでハト派姿勢を表明するとの見方が強くドル売り材料となりやすい。FRBはこの会合で、欧州や中国経済の成長鈍化や貿易政策への不透明感から、政策金利を据え置く公算である。さらに、当面利上げを見送る方針を再確認すると見られている。FRBはまた、現在実施している4兆ドル規模のバランスシート縮小策を巡る方針を明確化する見通し。FRB高官は流動性をひっ迫させるバランスシートの縮小を年末には終了させる必要があるとの見解を示している。今回会合で発表されるFRBスタッフ予測では、昨年12月時点の予想が、2019年2回から1回に引き下げると見られている。また、バランスシート縮小策を協議、発表する見通しで、年末までに終了する方針が発表される可能性もある。

 

欧米イベント

○16:00   2月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○17:00   2月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.9%/前年比4.1%)
○18:30   2月英CPI(予想:前月比0.5%/前年比1.8%)
      CPIコア指数(予想:前年比1.9%)
      小売物価指数(RPI、予想:前月比0.7%/前年比2.5%)
○18:30   2月英PPI(食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.3%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   1月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.1%)
○22:00   2月ロシア失業率(予想:4.9%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○21日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:2.25-2.50%で据え置き)
○21日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○21日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○21日06:00   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○英中銀金融政策委員会(MPC、21日まで)

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