FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:新規材料乏しくもみ合い相場

前日の米株式市場が休場で新規材料が乏しくもみ合い相場となった。ただ、約2ヵ月ぶりの高値を付けただけに利益確定売りが先行した一方で、下値では押し目買いに支えられる展開となった。結局、前日比20円高の2万1302円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:黒田日銀総裁発言でショートカバーの円売り

ドル/円は、複数のメディアが『トランプ米大統領の非常事態宣言に反対し、カリフォルニアなどの16州が提訴した』と報じたことで、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、110.44円付近まで下落した。英国の政局混乱やEU離脱交渉を巡る先行き懸念によるポンド安・円高が波及した面もあった。しかし、今日から始まる米中通商協議の進展期待から下押しは限られ、110円台半ばでもみ合いとなった。午後に、黒田日銀総裁が『為替で経済・物価に何らかの影響が出て、目標達成に必要ならば追加緩和を検討』と発言すると、ショートカバーが持ち込まれて110.70円付近まで上昇した。ユーロ/ドルは、1.1300ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

2月5日の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨発表

議事要旨では『経済見通しについて著しい不確実性がみられる』、『金利の上昇・低下のシナリオは以前よりも均衡している』などの内容が明らかになったが、それほどハト派に寄っていたわけではなく、豪ドルの買い戻しにつながった。全般的に目新しいことは無かったためか、買い一巡後は売り戻しの動きになった。

 

中国新車販売台数は大幅減少

中国の自動車業界団体が18日発表した1月の新車販売台数は、前年同月比15.8%減の236万台と、前年実績を大幅に割り込んだ。月間ベースでは昨年7月から7ヵ月連続で減少した。米中貿易摩擦の激化で冷え込んだ消費者心理には、2019年に入っても改善の兆しが見えない。1月の減少幅は、12年1月(26.6%減)以来、7年ぶりの大きさとなった。これまで市場をリードしてきたスポーツ用多目的車(SUV)の販売が前年同月比18.9%減の87万台と、大幅に落ち込んだ。電気自動車(EV)など新エネルギー車は約2.4倍の9万6000台と好調を保った。

 

いよいよ自動車関税の交渉入り

トランプ大統領は昨年5月、米通商拡大法232条に基づき、輸入車や部品の輸入が米国の安全保障を脅かしていないか調査を指示した。商務省は270日間の調査期間の最終日となる17日夜、『本日、ロス商務長官は大統領に、自動車や自動車部品が米国の安全保障に与える影響についての調査結果を提出した』とする短い声明を発表した。
業界関係者は『商務省が報告を遅らせてきたのは、中国との通商協議を進めているなかで日欧との関係悪化を招きたくないとの思惑があった』と指摘する。3月1日を期限とする米中通商協議で一定の合意が得られれば、日本やEUとの交渉に注力できる環境が整う。報告書を当面、公表しなければ米側の意図をあいまいにしたまま20~25%とされる自動車関税をかける、という『脅し』の効果を維持することができる。

 

EUが米国の自動車関税交渉に対してけん制発言

EU欧州委員会の報道官は18日の記者会見で、米国が欧州からの自動車・同部品に追加関税を課すなどした場合、『欧州委は即座に適切な方法で対応する』と語った。米商務省が17日、自動車・同部品の輸入増加による国家安全保障への影響を分析した調査報告書をトランプ大統領に提出したことを踏まえた発言だった。米国が自動車・同部品の輸入を制限すれば、報復関税などで対抗する構えを改めて示し、米国をけん制した。ただ、ユンケル欧州委員長とトランプ大統領が昨年、米EU間の協議中は敵対的な措置を控えることで合意したことを踏まえ、報道官は『欧州委員長は米大統領の言葉を信じている』とも指摘した。交渉を通じた問題の決着に期待を示した。

 

欧米イベント

○17:30   1月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.7%/前年比2.2%)
      コア指数(予想:前月比▲0.7%/前年比2.3%)
○18:00   12月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:30   1月英雇用統計(失業保険申請件数推移/失業率)
○18:30   10-12月英失業率(ILO方式、予想:4.0%)
○19:00   12月ユーロ圏建設支出
○19:00   2月独ZEW景況感指数(予想:▲14.0)
○19:00   2月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:00   1月ロシア失業率(予想:4.9%)
○22:50   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○23:30   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○24:00   プラートECB専務理事、講演
○24:00   2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:59)
○米中次官級貿易協議開始(ワシントン)

 

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