FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国の利上げ後退観測から買い優勢

米FRBの正常化に向けた利上打ち止め観測から前日のNYダウが434ドル高と続伸したことが好感された。海外ヘッジファンドの先物の買い戻しなどに朝方一時上げ幅を313円へ広げた。ただ、1ドル=108円台後半への円高を嫌気して買い一巡後は伸び悩む展開となった。結局、216円だかの2万0773円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米金利先高観測後退で総じてドル売り

ドル/円は、FOMC声明やパウエル米FRB議長の会見が利上げに慎重なハト派寄りの内容だったことを背景に、108.85円付近まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。午後もドル売りの流れは続き、米金利先高観が後退する中で108.70円程度まで軟化した。ユーロ/ドルは、FRBの利上げ打ち止め観測から一時1.1508ドルまで上昇した。約3週間ぶりのユーロ高・ドル安となった。

 

米中通商協議では両国とも引けず今後も継続か

30-31日予定されている米中通商協議に注目が集まっている。米中貿易戦争の影響で、中国の景気減速が鮮明になり、中国政府はその対応に追われている。一方、トランプ米大統領は中国経済の勢いが弱まっていることで米中交渉に楽観的で、強気姿勢を崩していない。中国政府はトランプ政権の行動は、世界経済で優位に立つのが必然となっている中国を抑え込もうとするのが目的で、米国が求める構造改革に簡単に応じるわけにはいかない。また、今後もことあるごとに『追加関税』で脅しをかけられることも警戒している。今月末の協議では懸案の構造問題で大きな進展があるとは思えず、両国ともに一定の進展があったと表明する可能性が高い。トランプ政権は3月2日までに協議がまとまらなければ、追加関税を導入するとしており、期限ぎりぎりまで協議は続くと予想される。

 

欧米市場では10-12月期ユーロ圏域内総生産を公表

7-9月期域内総生産(GDP)確報値は前年比+1.6%で改定値の同比+1.7%から下方修正された。10-12月期については、12月のユーロ圏総合PMIが11月の52.7から51.1に絵地価していることから、成長率の鈍化が予想される。前期比+0.2%、前年比では1%台前半にとどまる可能性がある。

 

先行き不透明感の強い英国のEU離脱協議

英国議会は29日、議会主導での協議期限延長を可能にする修正動議を否決した一方、北アイルランド・バックストップの変更を求める修正動議を可決した。メイ首相はバックストップ変更でEU側と近く再折衝を開始、2月14日を目処に合意受け入れの是非を問う二度目の下院採決を行う方針となっている。 バックストップの終了時期や終了方法を付帯文書や附則で合意する案が英EU双方で受け入れ可能かは予断を許さない。二度目の下院採決も否決されれば、政府は協議期限の延長に舵を切る展開が予想される。 期限延長後も協議の膠着が続く場合、合意なき離脱や協議期限の再延長よりも、国民投票のやり直しの可能性が高まった。

 

FOMCの声明で経済活動の勢いが弱まっているとの認識

米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場予想通りに金利の据え置きを決定した。声明では 『労働市場が引き締まり続け、経済活動は堅調なペースで拡大している』と前回の『力強い』から『堅調』に変更し、勢いが弱まっているとの認識を示した。また、『いくらかのさらなる緩やかな利上げが適切』と文言を削除し、『世界経済および金融動向、インフレ圧力の低下を考慮すると、委員会は適切な政策金利の決定にあたり辛抱強くなれる』との文言を加えた。 さらに、今回は声明文とは別に長期的な政策方針に関する追加資料も開示し、金融政策の実施とバランスシートの正常化に関する声明を公表した。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月トルコ貿易収支(予想:27億ドルの赤字)
○16:00   12月独小売売上高指数(予想:前月比▲0.6%/前年比1.5%)
○16:00   1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○16:45   1月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.6/前年比1.2%)
○17:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○17:55   1月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化▲1万人)
○18:30   12月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.5%/前年比5.9%)
○19:00   12月ユーロ圏失業率(予想:7.9%)
○19:00   10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%/前年比1.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○19:15   メルシュECB専務理事、講演
○21:00   12月南アフリカ貿易収支(予想:90億ランドの黒字)
○21:30   1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30   11月カナダGDP(予想:前月比▲0.1%/前年比1.6%)
○22:30   12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.2%)
○22:30   12月カナダ原料価格指数(予想:前月比4.0%)
○22:30   10-12月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.8%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/172.1万人)
○23:45   1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:61.5)
○24:00   11月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.9%/56万件)
○2月1日01:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○1日06:00   11月対米証券投資動向
○米中閣僚級貿易協議(ワシントン、最終日)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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