FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀のETF買い入れの思惑や上海株持ち直しを好感

市場予想を下回る米建機大手のキャタピラーの決算等を受け、前日のNYダウが209ドル安の反落に投資家心理が悪化し景気敏感株中心に売りが先行した。上海総合株価指数の下落も重荷となりヘッジファンドなど海外短期筋の先物への売りで下げ幅を一時240円超まで広げた。日銀の株式ETF買入れの思惑や持ち直した上海株に連れ高となった。結局、前日比15円高の2万0664円と小幅続伸で終了した。

 

東京外国為替市場:株価の持ち直しでドル買い戻しの展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が200円を超えたことや中国株安が嫌気されて109.13円近辺まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。ただ、心理的節目の109.00円が視野に入ると、値ごろ感からドルを買い戻す動きもあり、109.20円前後でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価の持ち直しに支えられて109.30円台へじり高となった。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

NY市場では再びアップルショックのリスクも

米アップルが29日に発表する決算でクリアすべき水準は信じられないほど低く見えるかもしれない。だが実際はそうではない。確かに、期待値はかなり引き下げられてきた。アップルが初めてiPhone(アイフォーン)事業が不振に陥っているということを明かした11月の決算発表以来、同社の時価総額は30%も縮小し、世界第1位の座から転落した。

 

英国議会では代替案の賛否と問う採決

混迷が続く英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、英議会は29日、メイ首相の代替案と与野党の議員による複数の修正案を採決する。今回の採決はEUとの離脱協定としての是非を問う正式なものではなく、その前段階として代替案の方向性の賛否を問う。一方で一部の議員からは経済に混乱を及ぼす『合意なき離脱』の阻止を求める修正案が出る見通しで、この対応で政権内でも分裂の兆しが出始めている。

 

米中協議は難航の様相:すれ違う構造問題での妥協点

30-31日に開催される米中閣僚級協議の準備のため、中国側代表団が28日に米ワシントンに到着する予定となっている。協議にお互い積極姿勢を示しているものの、過度な期待は禁物である。技術移転の強要など中国の構造問題で意見が対立しているのは確かで、解決の糸口を見付けるのは簡単ではない。今回の協議でトランプ政権は貿易不均衡の是正だけでなく、中国の知的財産侵害や不適切な産業補助金など構造問題についても中国に対応を求める予定。中国は輸入額の大幅増を提案したと見られるが、構造問題で妥協しない限り、トランプ政権が関税などを巡り強硬姿勢を崩すことも考えにくい。米中貿易戦争と位置付けているものの、問題が商売の話ではなく、中国が構造問題で大きく譲歩することはないとみられる。米中協議は今後も続く可能性が高いと見ている。

 

中国の景気建て直しの難しさ:刺激政策の余地は少ない

中国国家統計局が今日発表した12月工業部門企業利益は需要と生産者物価の低調に圧迫され前年比1.9%減少し、6808億元と2カ月連続でのマイナスとなった。米中貿易戦争が長引き、物価の鈍化や弱い生産活動の悪影響を受ける結果となった。通年では10.3%増止まりの6兆6400億元と、2017年の21%増から大幅減少した。特に中小企業利益の落ち込みが目立っている。中国政府は今後景気刺激策を拡大する方針だが、巨額の債務を抱えていることや、不動産バブルへの警戒などをかんがみると、刺激政策に余地は少ない。米中貿易戦争は雇用や社会保障にも影響が出ており、市場では大規模な財政出動に動くとの見方が強い。ただ、財政出動の拡大は経済成長につながる一方で、国の債務を大幅に増加させるなど、大きなリスクを伴うことになる。中国政府は3月に開かれる全人代会議で景気刺激策の詳細を公表する。

 

米政府機関閉鎖は解除されたものの米経済指標の発表は遅延

米商務省経済分析きょく(BEA)は、政府機関が閉鎖していた影響で30日に発表を予定していた2018年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値の発表を延期すると発表した。 また、31日に予定していた18年12月の個人所得統計、2月5日の12月貿易統計もそれぞれ、発表を延期する。 一部政府機関が35日間にわたり閉鎖されていたことが要因。新たな発表の日程はまだ決まっていないとしている。 12月の耐久財受注、小売売上高、住宅着工件数、新築住宅販売も延期された。また、11月の貿易統計、建設支出、新築住宅販売も延期されている。米議会予算局(CBO)は、1月25日まで35日間続いた米政府機関の一部閉鎖で、2018年10-12月期と19年1-3月期のGDPが合計で110億ドル減少するとの試算を公表した。物資購入の停滞に加え、給与の支払い延期も響くとしている。

 

欧米イベント

○16:45   1月仏消費者信頼感指数(予想:88)
○19:20   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○23:00   11月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.9%)
○24:00   1月米消費者信頼感指数(予想:124.9)
○30日03:00   米財務省、7年債入札
○英議会、EU離脱協定の代替案と議員修正案を採決
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

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