FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外投資家からの買い優勢

国内の買い材料は特に伝わっておらず、市場では前日までの3日続落で値ごろ感を意識した海外投資家の先物への値幅取り狙いの継続的な買いが入った。上海・香港株の上昇も追い風となり上げ幅を広げた。結局、198円高の2万0773円と4日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の上ををながめドル底堅い展開

ドル/円は、日経平均株価の反発に支えられ、109円台半ばから109.80円近くまで上昇した。米上院で政府機関閉鎖解除に向けた新たな交渉の取り組みが始まったことも、ドルの押し上げにつながった。午後もこの流れは続き、米長期金利の上昇をながめて109.86円まで上げた。しかし、心理的節目となる110.00円ではドル売り・円買いオーダーが厚いとの観測があり、上げ一服した。その後は、週末を引けて利食い売りも見られ109.70円台を中心とした狭いレンジの展開となった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドイツ経済の鈍化傾向強まる:リセッション水準に落ち込む

ドイツの最新1月製造業PMIは50を割り込み2013年以降6年ぶりのリセッション水準に落ち込んだ。貿易や関税に絡み、ドイツの自動車セクターの低迷が響いた。さらに、ドイツ政府は、2019年の経済成長見通しを従来の1.8%から1.0%へ大幅に引き下げた。2020年は1.6%を予想している。世界経済の弱さや英国のEU離脱への不透明感を理由に挙げた。

 

メイ首相の方針転換もあり得るのか

英国と欧州連合(EU)で合意したEU離脱案を承認できず混迷が続く英議会で、与野党議員から3月末の離脱の延期を求める修正案が相次いで提出された。修正案には与野党が共同提案したものも含まれており、議会で可決される可能性もある。3月末の離脱にこだわるメイ首相が議会から方針変更を迫られる展開もあり得る。

 

ECB定例理事会では経済見通しリスクが下方に傾斜

欧州中央銀行(ECB)は市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。『少なくとも2019年の夏まで、金利を据え置きへ』というフォワードガイダンスを維持した。同時に、 『最初の利上げ後も、長期にわたり保有債券償還金の再投資を継続する』としたことはややハト派要因と見られている。ドラギ総裁は会合後の会見で、今回の会見では、経済の見直しが主要議題になったとし、『経済見通しリスクが下方に傾斜した』との判断で全会一致したことを明らかにした。 リスクとして、保護主義の台頭、中国の景気減速、米国の財政策の効果が薄れること、地政学的リスクの上昇などを挙げた。しかし、いずれ、こういった問題も解決され、欧州の経済の弱さも後退、インフレもいずれ目標に達するとドラギ総裁は楽観視している。落ち込んでいたドイツの製造業も反動を見せていると加え、域内の経済がリセッションに陥るとは予想していないことを強調した。 ECBは昨年12月の会合で資産購入プログラムを終了後、予測の発表もなく、ドラギ総裁は次回の会合に向けた対応を示唆できなかった。しかし、新たな予測が出る3月の定例理事会では、ガイダンスの変更、または、ECBが長期資金供給の金融政策の一環TLTROに踏み切るかどうかが焦点となる。

 

長引く政府機関一部閉鎖でリスクが残る

メキシコ国境の『壁』建設57億ドルを実現すべく米大統領が上下両院で可決した『つなぎ予算』に署名せず、政府機関一部閉鎖が33日目に入った。壁を巡って対立する両者の主張には隔たりが大きく、合意する気配がない。米中通商協議、米債務上限引き上げ問題等の不透明感を背景に月間の米国『経済政策不確実性指数』が高止まりしたまま、通商や投資、生産面で依然としてリスクが残る。

 

大富豪のロス米商務長官の本音による失言

ロス米商務長官がCNBCとのインタビューで、政府機関の一時閉鎖で一時解雇され、給料を得ることが出来ない労働者に対して、『食料援助を貰いに行かず、金は必要ならば銀行に行きローンを組んで来い』と発言したことで物議をかましている。しかし、さすがにこの発言はまずかったと思ったのか先ほどのFOXとのインタビューでは『我々は政府関係の労働者の困難に心を痛めている』と発た。

そもそも純資産29億ドルにも上る世界有数の大富豪でもある、商務長官にとって『お金がない』という感覚が分からず、銀行家でもあったのに簡単にローンを組めると思っている感覚が一般人には理解が出来ない。クリントン政権の21日を大幅に超えている政府閉鎖でも、トランプ米大統領や商務長官や大金持ちを中心とした現在の政権スタッフには、政府閉鎖はひとごとにしか感じず、閉鎖をやめたいのは自分の人気が下がるから懸念しているだけと思われる。これだけ閉鎖が長引いているのは、この感覚の違いがあるからではないか。

 

欧米イベント

○18:00   1月独Ifo企業景況感指数(予想:100.6)
○22:00   12月ロシア失業率(予想:4.8%)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、最終日)

※米政府機関が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

 

 

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