★日経平均株価:アジア株式市場が底堅い展開で下落幅縮小
世界景気の減速懸念や米政府機関の閉鎖継続などを嫌気した売りが優勢だった。ただ、NYダウ先物や中国・上海などアジア株式相場の上昇が支えとなり、日経平均株価はは上げに転じる場面もあったが続かなかった。1月第3週では海外投資家は10週連続の売り越しとなった。結局、前日比19円安の2万0574円と3日続落で終了した。
★東京外国為替市場:アジア株主要株価が堅調でドル底堅い展開
ドル/円は、日経平均株価のさえない動きをながめて持ち高調整などのドル売り・円買いが入り109円43円付近まで下落した。前日にハセット大統領経済諮問委員会委員長が『政府機関の閉鎖が続くようならば、第1四半期の米成長率はゼロになる可能性がある』と傾向したことも、引き続きドルの重石となった。しかし、アジア主要株価が総じて堅調推移したことから、下押しは限定的となった。その後は値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ109.55円近辺まで切り返した。午後は、株価をにらみながら109円台半ばを中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会を控えて様子見ムードが強く1.13ドル台半ばで小幅な値動きとなった。
★直近貿易統計では減少傾向にあるものの対米の貿易黒字額は高水準
財務省が23日発表した2018年の貿易統計速報では、米国に対する貿易黒字が前年比8.1%減の6兆4548億円となった。2年ぶりに減少したものの、金額ベースでは依然高水準が続いている。新たな対米貿易協定交渉を控える日本は、米国から厳しい要求を突き付けられる可能性が高い。日米の貿易協定をめぐっては、米通商代表部(USTR)が昨年末、交渉目的を公表した。モノの関税に限定せず、投資ルールやサービス分野も含む方針を明らかにした。日本は関税分野を中心に交渉を進めたい考えである。しかし、貿易赤字削減に向けた成果を要求するトランプ大統領の動きは読めず、自国の輸出に有利な通貨安誘導を抑制する『為替条項』の導入を迫ってくる恐れもある。
★景気の悪化が先か株価の下げが先か:株価下落が先
『景気が悪化するから株価が下がるのではなく、株価が下がるから逆資産効果で消費が落ち込み景気が悪化する。』日本のGDPは6割強を占める消費である。そして、米国に至っては7割を占める消費が景気動向を大きく左右する。因果関係は、株価下落が先、株安『逆資産効果』が消費を減退させ景気を悪化させる。
★ダボス会議では楽観的な見方も
22日-25日にスイスで開催されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、前日と打って変わって投資家の楽観的な発言が目立ち、投資家の安心感につながった。 国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長見通しを引き下げたのち、昨日のダボス会議では、ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるダリオ氏が 『次の世界経済の不況が最も恐ろしい』と述べ、『米国経済は2020年にも景気後退に陥る大きなリスクがある』と警告した。FRBが利下げを強いられる可能性を指摘し、投資家の不安感につながった。しかし、P&Gなど米企業の好決算に加えてバンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)が『FRBの利下げ見通しは時期尚早』と発言し、警戒感が後退した。
★欧州市場ではECB定例理事会が開催
ECBはこの会合で金融政策を据え置く見通し。フォワードガイダンスも据え置かれると見られる。 一方で、第4四半期の域内経済の弱さは深刻で、ECBは景気の弱さやインフレ見通しの低下を認識し、見通しリスクの判断において、下方リスクに傾斜していることを指摘する必要がある。米連邦準備制度理事会(FRB)と同様、柔軟性を強調する可能性がある。 ECBは12月に資産購入プログラムを終了した直後であることや新たな予測の発表もないことから、ECBが今回の会合で、行動するのは『時期尚早』との見方が台頭している。このため、結果を受けてユーロの反発予想もあるが、上昇が継続するとは考えにくい。 ECBは同時に、昨年10月、12月のFRBのように『成長やインフレ指標の弱さを無視している』と市場に判断されることも回避したい。万が一、金利のフォワードガイダンスが変更された場合、ユーロ売りに拍車がかかることになる。 ECBの定例理事会を前に金融政策決定会合を開催した日本銀行は、政策金利は市場の予想通り据え置いたものの、海外リスクの高まりを理由に物価見通しを引き下げた。
★欧米イベント
○16:00 10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:9)
○17:15 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:49.9)
○17:15 1月仏サービス部門PMI速報値(予想:50.5)
○17:30 1月独製造業PMI速報値(予想:51.3)
○17:30 1月独サービス部門PMI速報値(予想:52.1)
○17:30 12月スウェーデン失業率(予想:5.8%)
○18:00 1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:51.4)
○18:00 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○18:00 ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.75%で据え置き)
○21:45 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30 ドラギECB総裁、定例記者会見
○22:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/173.5万人)
○23:45 1月米製造業PMI速報値(予想:53.5)
○23:45 1月米サービス部門PMI速報値(予想:54.1)
○23:45 1月米総合PMI速報値
○24:00 12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○25日01:00 EIA週間在庫統計
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、25日まで)
※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。
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