FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク回避動きが強まり売り優勢

朝方は1踊る=109円台後半の円安を手がかりに輸出関連株に買いが先行した。一時上げ幅を86円台へ広げた。しかし、前日の米国株式市場が休場で海外投資家の取引が少なく、世界景気の減速懸念と欧州リスクに利益を確定する売りが優勢となり、下げ幅を広げた。結局、前日比96円安の2万0622円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い優勢に

ドル/円は、日経平均株価の反落や中国株安で調整色が強まり、一時109.50円まで下落した。米長期金利が小幅ながら低下したことも、ドルの押し下げにつながった。午後もこの流れが続き、日経平均株価の下げ幅拡大をながめてさらにドル売り・円買いが進み109.38円まで下落した。米政府がカナダで拘束されている中国通信機器大手の幹部について、身柄引き渡しを要求していることも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、休場明けとなる米国市場の動向を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り109.40円台でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、このところ低調なユーロ圏の指標が相次ぎ、欧州の景気減速懸念からユーロ売りが優勢となり、1.13ドル台後半から1.13ドル台半ばに水準を切り下げた。

 

日銀は22-23日に金融政策決定会合を開催

基本政策は現状維持予想ながら、一部では日銀が購入している株式ETF(上場投信)に関して、副作用低減などの観点で「日経平均型のウェートが低下される」といったテクニカル調整の警戒感がくすぶっている。実際に微調整が打ち出されると、日銀による購入減少につながる値がさ株などを中心として、短期的な株安とリスク回避の円高を促す余地を秘めている。その反面、22-23日の政策会合では、原油安などで物価見通しが下方修正される見込みだ。今年の日銀は政府・与党による10月の消費税増税に向けて、景気下支えの役割も期待されている。改めて物価2%目標への遠い道のりや、消費増税に向けた景気慎重姿勢が示されると、緩和長期化や緩和措置強化の思惑が円高・株安の歯止め要因となる。

 

米中貿易摩擦の悪影響が目に見えてきた

米中貿易摩擦は一時的に猶予されているが、中国経済に着実に悪影響を与えている。昨年10-12月の実質GDP成長率は前年比+6.4%と約10年ぶりの低い伸びに留まった。 昨年通年の経済成長率は+6.6%と成長率目標(6.5%前後)はクリアしたが、28年ぶりの低い伸びとなるなど勢いを失いつつある。前期比年率ベースでも昨年は4-6をピークに年末にかけて減速感が強まり、内・外需双方で下押し圧力が掛かっている。 12月の鉱工業生産は前年比+5.7%に加速し、内・外需の鈍化で多くの分野で減産の動きが続く一方、インフラ投資の進捗が関連財の生産を押し上げる動きが鮮明になった。 他方、12月の小売売上高も前年比+8.2%とわずかに加速しており、景気下支え策に加え、原油安に伴うインフレ圧力後退が下支え役になったとみられる。

 

中国は21日から春節の民族大移動の準備に

新年を旧暦で祝う中国で、来月上旬から始まる旧正月の春節の連休を前に21日から鉄道などが増便され、出稼ぎ労働者などの帰省ラッシュが始まった。新年を旧暦で祝う中国では、来月5日に旧正月の春節を迎えるのを前に21日から鉄道やバスなどが増便され、春節を故郷で過ごそうという人たちの帰省ラッシュが始まった。
中国政府によると、21日から3月1日までの期間中に鉄道や飛行機などを利用する人は延べ29億9000万人に上る見通しとされる。

 

欧州市場では24日にEC定例理事会を開催

10月までの利上げ準備や景気判断に関して慎重さが示されると、為替相場ではユーロ安の要因となりやすい。欧州の経済については現在、英国によるEU離脱手続き合意の混迷と3月の離脱期限接近なども景気への悪材料になっている。一方で現在は米中貿易協議の進展期待や中国での景気対策強化などにより、世界経済の過度な悪化懸念は緩和されてきた。ECBが米トランプ政権によるユーロ安・ドル高批判を未然抑止させる意味合いもあり、欧州経済の打たれ強さに自信を示すことでユーロを間接的に下支えさせる余地も残されている。

 

米企業による決算発表待ち

米国市場では、米企業による決算発表が本格化していく。年明けからはアップルの売上高・下方修正や中国減速による業績打撃などが米国の株安を促す場面があり、今後の収益見通しの先細りリスクが米株安とリスク回避の円高要因として警戒される。米国株市場では決算発表の期間中、自社株買いが自粛されることも株安リスクとなりやすい。その反面、米国株市場では当座の決算悪化を織り込む形で、昨年10月から大幅な株安が進展してきた。その意味で今週以降の決算発表では『実際の決算見合いでの株価の割安感』や『当座の悪材料の出尽くし』、『懸念ほどの悪化は限定的』といった要因が株高材料となる余地も残されている。

 

欧米イベント

○17:30   12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.5%)
○18:30   12月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2万件/失業率なし)
○18:30   9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○19:00   1月独ZEW景況感指数(予想:▲18.4)
○19:00   1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30   11月カナダ卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.9%)
○24:00   12月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.2%/年率換算525万件)
○EU財務相理事会(ブリュッセル)
○日ロ首脳会談(モスクワ)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、25日まで)

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