FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:海外短期水の先物主導の手仕舞い売り

中国の政策期待から前日に節目2万0500円台に上昇した。しかし、達成感から利益確定売りが優勢となり、海外短期筋が先物の手仕舞い売りが出た。そのため、先物主導で下げ幅を一時200円超に広げたものの、売りが一巡すると下げ幅を縮めた。結局、前日比112円安の2万0442円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:108円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価が一時200円と軟調となり、一時108.37円まで下落した。一部米政府機関の閉鎖が続き、過去最長を更新していることもドルの重石となった。ただ、前日の海外市場でつけた108.33円が下値も目処として意識されると、下げ幅を一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、108.50円付近まで持ち直した。午後は、株価にらみの展開となり108円半ばでもみ合いとなった。明日の英議会で議決される『内閣不信任決議』の行方を見極めたいとの雰囲気から、積極的なばいばいは見送られた。ユーロ/ドルは、1.14ドル台前半で大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英議会はEU離脱協定案を大多数で否決

英議会がEU離脱協定案を230票差という歴史的な大差で否決した。ところで、今回の議決では多くの参加者が疑問を抱いたり、または慌てさせたことがあった。日本時間4時から始まった投票は、当初の予定では2時間後の6時前後に結果が表明されるはずだった。しかし、なんと202対432の結果が伝わったのは4時40分過ぎだった。これは、EU離脱案以外の、野党から提出されていた4つの修正案のうち3つが取り下げられたことから、予想外に早い時間帯の議決となった模様。市場では明日4時に議決される『内閣不信任決議』は否決されるとの認識となっている。メイ政権は来週週明けの21日までに『代替案』を提出する。ただ、その代替案も『恐らく否決される』との見通しとなっている。そして、問題はその後となるわけだが、『超党派でまとめた案が出される』可能性もあれば、『メイ英首相が解散総選挙を決断する』可能性も高まっている。デットラインである3月29日には『物理的に間に合わない』状況となるなか、EU側からの数ヶ月の延期容認も必要となってきている。

 

ギリシャに前倒し選挙観測が浮上

隣国マケドニアの国名改称問題をきっかけにギリシャの連立政権が崩壊した。ツィプラス首相は17日に内閣信任投票に臨む。一部の野党議員が信任に回るとみられるが、ぎりぎりの採決が予想される。不信任となれば5月に前倒しで議会選挙が行われる公算が大きい。最近の世論調査では、かつての政権与党・新民主主義(ND)が現政権与党・急伸左派連合(SYRIZA)をリードしている。次期首相への就任が濃厚なNDサミォタキス党首は、構造改革による競争力回復や国際金融市場からの信頼回復を目指している。昨年央に国際的な金融支援を脱したギリシャだが、財政再建、企業の競争力回復、銀行部門の建て直しなど課題は多い。

 

米政府機関閉鎖の長期化で米成長減速をさらに加速の可能性

トランプ政権は、一部政府機関閉鎖が経済に与えるコストは、80万人の連邦職員が休職となるため当初国内総生産(GDP)で隔週で0.1%の成長削減見通しをたてていた。しかし、そのほか、民間受託業者が失職するほか、政府機関閉鎖の機能が停止することを考慮することで、各週で0.1%の成長が削減されると、コストが当初の見通しの2倍になると修正した。 もし、政府機関の閉鎖が今月いっぱい継続することになると、GDPの成長を0.5%ポイント削減することになると、政府高官は明らかにしている。すでに見込まれているリスク、世界経済の弱さや米中貿易問題、減税の効果が薄れることに政府機関閉鎖の長期化が加わると、成長減速をさらに加速させる可能性も出てきた。

 

FOMCタカ派メンバーも利上げ休止示唆

2019年のFOMC投票権を有するジョージ米カンザスシティ連銀総裁は講演(経済と金融政策の見通し)で金利が正常化に近づいており、注意深い継続が必要で『金利正常化を打ち止める良い時期かもしれない』との見解を示した。超タカ派として知られている同総裁が利上げの休止を示唆したことは、サプライズとなった。

 

米国市場では12月小売売上高が公表:米政府閉鎖で再延期の可能性も

参考となる11月実績は前月比+0.2%だった。10月実績は同比+1.1%に上方修正されている。飲食店や自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除くコア売上高は前月比+0.9%の高い伸びとなった。12月については所得環境がやや改善していることから、11月並の伸びとなる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   12月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.7%)
○17:40   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○18:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、議会証言
○18:30   12月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.1%)
      CPIコア指数(予想:前年比1.8%)
○18:30   12月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.5%/前年比2.9%)
○18:30   12月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.4%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:24.00%で据え置き)
○20:00   11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   12月米輸入物価指数(予想:前月比▲1.3%)
○24:00   1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:56)
○17日00:30   EIA週間在庫統計
○17日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○17日04:00   英内閣不信任決議案の採決

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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