FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

米経済分析局は統計発表を停止予定:米政府機関閉鎖の影響

米商務省経済分析局は26日、2019会計年度(18年10月-19年9月)の支出を手当てする暫定予算案を議会が承認するまでの間、業務を停止せざるを得ないと発表した。今週の当初の発表予定には、11月の米新築住宅販売(27日)や国勢調査局の対外貿易統計(28日)が含まれていた。
予算を得た段階で統計の発表を再開し、政府機関閉鎖で経済統計の公表が延期された場合は、新たな統計リリーススケジュールを発表する。経済分析局が公表する統計には、国内総生産(GDP)や個人所得も含まれる。

 

日経平均株価:NYダウにつれて大幅高で終了

前日のNYダウが過去最大の1086ドル高の上げ幅を記録するなど、世界的な株価下落や景気減速への懸念が急速に後退した。先物への継続的な買い戻しなど幅広い銘柄に買いが膨らみ一時上げ幅を884円に広げた。結局、前日比750円高の2万0077円と大幅続伸して2万円台を回復して終了した。

 

東京外国為替市場:駆け込み的なドル売りで上値重い

ドル/円は、前日のNY時間に急伸した反動から利食い売りに押され一時110.90円付近へ下落した。年末を迎えて国内輸出企業による駆け込み的なドル売り・円買いも観測された。午後もこの流れが続き、110.84円まで下落した。しかし、今晩の米株動向を見極めたいとの雰囲気から下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価が一時800円を超える上昇となると、ショートカバーが入って111.20円近辺まで値を上げた。ユーロ/ドルは、休場明けとなる欧州勢待ちの様相となっており、1.13ドル台後半で方向感を欠いた値動きとなった。

 

開いた口が塞がらない米国株の急騰誘導

トランプ米大統領に『今が絶好の買い場だ』と強烈に後押しされたクリスマス休暇開けのNYダウは、引け1時間前からの怒涛のプログラム買いを受けて何と1086ドル高といった、今まで目にしたことがない、史上最高の上げ幅を記録して取引を終えた。休暇前の4日間で1500ドルの下落となっていたことを思えば、『まだ足りない』ということになるが、『急落を招いた張本人による急騰誘導』とあって、市場からは『開いた口が塞がらない』との声も多く聞こえてくる。また、WTI原油先物などはなんと10%近い暴騰とあって、市場流動性が極端に薄くなってきているなかで、『行き過ぎたリスクオフ』のセンチメントが巻き戻された結果だったといえる。

 

米国の農業関係者の苦悩:12月30日からTPP11が発効

中国向け輸出の急減に直面する米国の農業関係者は今、アジアで中国に次ぐ2番目の市場に向けた輸出の減少も強く懸念している。その市場とは日本だ。
日本は、環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国の協定『TPP11』が発効する12月30日から、関税の引き下げや輸入割り当ての緩和を開始する。その対象国にはカナダやオーストラリア、ニュージーランド、チリなど、農業分野の対日輸出で米国の最大級の競争相手が含まれている。

 

12月24日までのNYダウの下げ幅は単月で過去最大

12月のNYダウの下げ幅は24日までに4188ドルと単月では過去最大、2番目に大きいリーマンショック直後の08年10月1525ドルの3倍近い。下落率は16%に達し、12月としては大恐慌時1931年(17.0%)に次ぐ過去2番目の大きさとなった。1ヵ月後に始まる米企業決算が一段の売りを招く恐れもあり、すでに『底なし沼』の様相を呈する。『新債券王』の異名をとるダブルライン・キャピタル率いるジェフリー・ガンドラック氏は、『FEDの利上げで米国株は弱気相場に入った』宣言、著名投資家ソロス氏の愛弟子ドラッケンミラー氏は米WSJ紙に寄稿し、米景気減速を理由にFedの利上げと資産圧縮に疑問を投げかけた。一方、FRBは19日の米FOMCで今年4回目の利上げを決め、強い米経済を念頭に来年も2回の利上げ見通しを示した。これが『タカ派』懸念を招いたが、NY連銀ウィリアムズ総裁は『利上げを続けると約束したわけではない』と21日に釈明し、FRBが進める資産圧縮についても『経済データをよく見て正しい判断をしたい』と柔軟姿勢を示した。今回の米国株『上げ相場』は09年3月から114ヵ月、10年に迫る未曽有の『強気相場』が終焉した可能性が高い。問題はNYダウの下げ調整期間だが、トランプ大統領が再選をかけた2020年の大統領選までを逆残すれば19年後半には株価が底入れしておく必要がある。折しも、1990年7月中旬の高値からの調整期間は、10月中旬の底入れまで僅か3ヶ月だった。因みに、2007年10月のサブプライム住宅金融バブル崩壊時のダウ平均は2009年3月の底入れまで18ヵ月(1年6ヶ月)の下げ相場、2000年3月のITバブル崩壊時は、2002年10月の底入れまで31ヵ月(2年6ヶ月)を擁している。

 

欧米イベント

○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21万7000件/167万5000人)
○23:00   10月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○24:00   11月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.9%/56万件)
○24:00   12月米消費者信頼感指数(予想:133.7)
○28日03:00   米財務省、7年債入札

 

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