FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:一時1万9000円割れたものの引けにかけて買い戻し

自律反発を見込んだ買いが先行し、一時上げ幅を375円へ広げるも米政権運営や金融政策など不透明感が強く、NYダウ先物が下げ幅を広げて下げに転じた。一時、心理的な節目となる1万9000円を割り込む場面もあった。しかし、引けにかけて買い戻しが入り上げて終了した。結局、前日比171円高の1万9327円と6日ぶり反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は110円半ば前後でもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅が一時300円を超えたことに支えられ、一意110.67円までじり高となった。しかし、110.80円付近がレジスタンスとして意識されると、ドルの上げはは一服した。その後は、短期筋などの利食い売りに押されて110.30円台へ軟化した。午後は株価をにらみながら110.40円前後でもみ合いとなった。休場明けとなる米国市場の動向を見極めたいとのムードも強く、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、クリスマス休暇を迎えて市場参加者が少なく、1.1405ドル付近で動意の薄い展開となった。

 

日銀のETF買い入れの速いペースでも下支え効果は限定的

日銀が25日にETF買い入れを実施し、703億円のETFを買い入れた。これで12月10回目のETF買いとなり、毎営業日に12億円買い入れている『設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF』を含めた今年の年間買入額は6兆4337億円に達する見込みとなった。あと1回、日銀が買い入れを実施すると6兆5000億円を超える見込みとなっている。25日に前場のTOPIXは4.99%安で終え、世界同時株安の流れが強まる中でETF買いは確実とみられたが、日経平均株価、TOPIX共に後場一段安となり、相場の下支え効果は限定的だった。日銀は今月10月のETF買いに踏み切り、10月(12回)以来のハイペースで買入を行った格好である。10月は22営業日のうち12回(54.5%)の買入となっている。

 

米国では国防・外交の経験のない国防長官代行が務める

マティス国防長官が実質上解任され(任期は年末まで)、パトリック・シャナハン国防副長官が長官代行に指名された。しかし米国で話題になっているのは、シャナハン代行には外交や防衛、そして従軍経験も一切ないこと。1年5カ月にわたりシャナハン氏はマティス長官のもと副長官を務めていたが、主だった職務は予算、内部改革、軍事宇宙開発、新たな軍事部門の設置など事務仕事が中心だった。前職も1986年以来約20年間ボーイング社に勤務をしていたわけで、国防や外交に関しては素人という声が出ている。新国防長官が決まるまでは、トランプ政権下では国防・外交の経験が一切ない新代行が受け持つことになる。それはすなわちお飾りの国防長官代行といる。日本をはじめアジア諸国にもこの問題は大きく影響するのは間違いない。

 

米国は8月以降物価指数が鈍化傾向:利上げを見送っても良かったかも

21日に発表された11月の米個人消費支出(PCE)統計で、FRBが利上げ判断で重視しるコアPCE物価指数が前年同月比1.9%上昇と4ヵ月連続で2%を下回った。同指数は7月まで順調に上昇してきたが、8月以降、明らかに伸びが鈍化している。また、24日時点でのFF金利先物(2020年1月限)は2.42%と、19年中に0.045%の金利上昇(0.25%の利上げの0.18回分)しか織り込んでいない。さらに1年後の21年1月期限のFF金利先物は2.245%と現状のFF金利誘導目標(2.375%:2.25~2.50%)よりも低下している。マーケットもFRBの追加利上げには同調する兆しはない。物価上昇スピードに鈍化の兆しが見えるなか、FRBには18年12月の利上げ見送りという選択肢もあったのかもしれない。

 

★欧米イベント

○23:00   10月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.9%)
○24:00   12月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:15)
○27日03:00   米財務省、5年債入札
○スイス、ドイツ、フランス、英国、カナダ、(以上、ボクシングデー)、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド(以上、セカンドクリスマスデー)、南アフリカ(善意の日)、休場

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