FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株:米中貿易摩擦懸念後退を好感

前日のNYダウが157ドル高に反発したことや、米中貿易摩擦懸念後退を手掛かりに買いが先行した。また、円安やアジア株高も投資家心理の改善に寄与した。結局、前日比213円高の2万1816円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:株高を好感してドル買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅が200円を超えたことに支えられ、113.50円近辺まで上昇した。米長期金利が小幅ながら上昇したことこも、ドルの押し上げにつながった。ただ、前日につけた113.52円が上値の目処として意識されると、上げが一服した。午後は、株価をにらみながら113.45円を挟んでもみ合いとなった。来週予定されているFOMCのイベントを控え、上下に動きにくくなっている。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会を控えて動意に乏しく、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英ポンド乱高下の裏側:乱高下の主犯は人工知能(AI)?

英ポンドは相場は早朝乱高下した。投票の結果そのものはメイ首相の勝利に終わったが、ポンド相場はわずか2分ほどの間に上下に大きく揺れ動いた。メイ首相の信任投票の結果は、信任200票に対し、不信任117票でメイ首相が勝利した。この結果を受け、保守党はメイ首相に対する不信任投票の申し立てを向こう1年間できなくなる。しかし、好材料となるはずの今回の結果に対して、一旦ポンドは0.2%急騰したものの、次の1分後には0.6%も急落した。AIのアルゴリズムによる売買では、ニュースのヘッドラインが出た瞬間に自動的に売買が発動される。今回は最初の一方で『メイ首相の勝利』が伝えられると、『不信任の票数が市場の事前予想の100票以下を上回った』とAIが判断を修正し、今度は瞬時にポンド売りに転じた。急激な乱高下の後、ポンドは結局投票結果前とそう大きく変わらない値位置に戻った。今後も、重要なニュースが出れば即座にAiの売買注文が誘発され、人間のトレーダーにとって予測不可能な値動きが起こりやすい。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会を開催

政策金利は少なくとも2019年夏の終わりまでインフレ回復のために据え置くとの方針が維持されるほか、保有債券の償還期再投資も当面継続される見込みとなっている。7-9月期の域内成長率改定値は前期比+0.2%にとどまった。ドイツ経済の停滞、イタリアの財政不安などを考慮してECB理事会では、金融政策の急速な縮小を避けることで一致すると見られている。

 

FRBの保有資産に含み損が積み上がる:利上げ打ち止めの理由に

米FRBが抱える4兆1000億ドル(約465兆円)規模の債券ポートフォリオで含み損が積み上がっている。最新の四半期報告によれば、FRB保有証券の含み損は9月30日の時価基準で665億ドルとなった。純資産の391億ドルを大きく上回る事実上の債務超過となっている。しかしながら、FRBは普通の銀行とは異なり、保有資産を時価会計で処理しない。従って当局者らは理論上の損失が持つ意味を重視せず、『特異な非営利機関』として金融政策を運営、もしくは財務省に利益を納付する能力に影響はないと主張する。それでもトランプ大統領が、中国という貿易戦争の敵よりFRBの方が大きな問題だと批判する現状において、FRBの財政悪化という認識が広がるのであれば、議会や国民に対する立場を悪くするリスクがある。

 

米11月の物価指標では12月の利上げを後押しする結果

米労働省が発表した11月消費者物価指数(CPI)は前月比+0%となり、市場予想通りとなった。10月+0.3%から低下し、3月来で最低となった。前年比では+2.2%と、やはり予想に一致した。10月+2.5%から低下し、2月来で最低となった。一方、連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注視しているコア指数は前月比+0.2%となり、市場予想や10月の伸びに一致した。また、前年比では+2.2%となり、市場予想通り10月+2.1%から上昇した。 原油価格の下落で総合インフレは低下したものの、コア指数は上昇した。FOMCの段階的な利上げを後押しする結果となった。

 

欧米イベント

○16:00   11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比2.3%)
○16:45   11月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.2%/前年比1.9%)
○17:15   11月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.1%)
○17:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:30   11月スウェーデン失業率(予想:5.7%)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.75%で据え置き)
○18:30   11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比6.8%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:24.00%で据え置き)
○20:00   10月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比3.2%)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○22:30   10月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.9%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22万5000件/165万人)
○14日03:00   米財務省、30年債入札
○14日04:00   11月米月次財政収支(予想:1880億ドルの赤字)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、14日まで)

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