FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易摩擦緩和期待から買い戻し

カナダ裁判所が中国ファーウェイ副会長の保釈を認め中国が米自動車輸入関税を引き下げ方針を示した。そのため、米中貿易戦争緩和期待に買いが広がりヘッジファンドや商品投資顧問(CTA)など海外短期筋の先物買いが続いた。結局、前日比454円高の2万1602円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は113円台半ばでこう着

ドル/円は、米中貿易交渉の進展期待から堅調となり、113.52円まで上昇した。日経平均株価の大幅反発や米長期金利が上昇したことも、ドル買い・円売りにつながった。ただ、メキシコ国境の壁建設予想を巡ってトランプ米大統領と民主党の上下両院トップの意見対立し、政府機関閉鎖の可能性が浮上していることから上げは一服し、113.45円を挟んでもみ合いとなった。午後は株価をにらみながら113.40円台を中心とした狭いレンジで取引された。今晩発表される11月米消費者物価指数を見極めたいとの雰囲気から、上下に動きにくくなった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台前半で小幅な値動きに終始た。欧州勢待ちの様相となっている。

 

メイ英首相は四面楚歌:もともとは離脱反対派

メイ首相は英国の欧州連合(EU)離脱に対して反対派でした。6月23日の国民投票ではEU残留に投票しましたが、結果は離脱となった。これを受けて当時のキャメロン首相が辞任し、保守党党首選に立候補した。当初は党首選に5人立候補したが、まるでダチョウ倶楽部のネタのように『どうぞどうぞ』と残りの4人は立候補を取り下げて、蓋を開けると立候補をしたのがメイ氏のみになってしまった。
 メイ首相の不幸はまだまだ続いた。2017年4月には野党・労働党の支持率が低いことで、解散総選挙に出た。最初は圧倒的に優位を保っていたものの、どんどん詰め寄られ単独過半数を失うという自体に巻き込まれた。この単独過半数を失ったことで、民主統一党(DUP)との閣外協力をせざる終えなくなったことも、現在のブレグジット交渉を複雑にしている。さらに、 遅々として進まないブレグジット交渉で、泥舟に乗ることを避けるため閣僚が次々と辞めている。 メイ英首相の提案した協定に関して、議会が承認する可能性が低下し、合意ない離脱の可能性が一段と強まっていることが警戒されている。さらに、昨日は英国与党保守党がメイ首相の不信任投票を採決することを要請した48の書簡が送られたとの噂で、政局不安がさらに深まった。BBCによると、まだ、投票実施条件となる48の要請書簡は集まっていないと報じており、情報が交錯している状態となっている。

 

影の欧州中央銀行(ECB)会合では金利引き上げ遅延の可能性を指摘

独経済紙ハンデルスブラット主催の影のECB会合では、2019年秋とみられているECBの金利引き上げが遅れる可能性を指摘している。ECBのインフレ目標は2%弱だが、影のECBは2020年までにインフレ率が1.5%の低下となる可能性があると指摘している。
 11月のユーロ圏インフレ率は2%前後だったが、多くのエコノミストは原油価格の上昇が主因と主張している。1年前の価格が低水準だったため、前年比では大幅な上昇となった。しかし、1年後はこの効果が剥落するとの見方だ。 加えて、第3四半期の独・伊の経済成長は鈍化。米中貿易戦争、英・欧州連合(EU)離脱や伊・EUの予算を巡る争いといった大きなリスクをいくつか抱えている。影のECBはECBが昨年9月に予測した成長よりも大幅に低い成長を予想している。金融政策を正常化の実現への疑念が増しているとしている。 明日13日のECB理事会でも、こうしたリスク要因が議論される可能性はある。

 

米国生産者物価指数(PPI)ではFOMCでの利上げを正当化

米労働省が発表した11月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.1%となり、10月+0.6%から低下したものの、市場予想0.0%を上回った。前年比では+2.5%と、予想通り10月+2.9%から低下し、1年ぶりの低水準に達した。
食料品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比+0.3%となり、10月+0.5%から低下したものの、市場予想の+0.1%を上回った。前年比では+2.7%と、低下予想に反して10月+2.6%から上昇。7月来で最高となった。インフレ率の上昇で、ドル買いが強まった。

 

米国市場では11月消費者物価指数が公表

10月実績は前年比+2.1%となった。中古車価格の上昇率は2009年以来の大幅な伸びを記録した。11月については、通信、娯楽、パーソナルケア製品の価格低下は一服することや居住費、被服費も小幅に上昇することから、コアインフレ率は10月実績をやや上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○17:00  11月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比5.1%)
○17:15   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○17:30   11月スウェーデンCPI(予想:前月比横ばい/前年比2.0%)
      コア指数(予想:前月比横ばい/前年比2.2%)
○19:00   10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比0.7%)
○20:00   10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.8%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比5.7%)
○22:30   7-9月期カナダ設備稼働率(予想:85.7%)
○22:30   11月米CPI(予想:前月比横ばい/前年比2.2%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○13日00:30   EIA週間在庫統計
○13日03:00   米財務省、10年債入札
○13日04:00   11月米月次財政収支(予想:1880億ドルの赤字)
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○12-13日   7-9月期ロシアGDP改定値(予想:前年比1.3%)
○コンテ伊首相とユンケル欧州委員長が会談
○メキシコ(聖母グアダルーペの日)、休場

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