FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク選好でも利益確定売りに押される

米FRB利上げ打ち止めが早まるとの思惑で前日のNYダウ617ドル高の大幅3日続伸で投資家心理が改善し米中首脳会談の関税凍結合意の期待と相まって買い優勢となり、一時上げ幅を260円に広げた。しかし、5日続伸で高値警戒感から利益確定売りに押された。結局、前日比85円高の2万2262円と5日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:パウエル米FRB議長発言後ドルが総じて弱い展開

ドル/円は、前日に行われたパウエルFRB議長の講演が前回よりハト派的な内容と受け止められ、ドルが主要通貨に対して下悪した流れを引きつぎ113.40円付近まで下落した。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が、中国からの輸入車に対する関税について強硬姿勢を示していることも、ドルの重石となった。午後もこの流れが続き、米長期金利の低下や日経平均株価の上げ幅縮小をのがめてさらにドル売り・円買いが進み113.23円付近まで下落した。ユーロ/ドルは、FRBの利上げペースが鈍化するとの思惑から持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り1.1390ドル付近へじり高となった。

 

貿易関税で米小売企業の受注減少で中国のサプライヤーも窮地に

米小売り大手は、関税発動による痛みが広がるのに伴い、発注の削減や値下げ要求などを通じ、中国のサプライヤーへの圧力を強めている。
広報担当者の話や決算会見によると、小売り大手ウォルマートやホームセンター大手ホームデポは、関税が引き上げられたり対象が拡大したりする可能性に備え、発注を前倒ししている。関係筋によると、ネット小売り大手アマゾン・ドット・コムは、関税の影響で他社よりも安い価格で販売できない一部の自社製品について、発注を減らしている。

 

米国住宅指標が低水準に:米国金利上昇の影響がじわり

米商務省が発表した10月新築住宅販売件数は54.4万戸となり、市場予想57.5万戸を下回り、2016年3月以降2年半ぶりの低水準となった。一方、9月分は59.7万戸と、55.3万戸から上方修正された。新築住宅が住宅市場に占める割合は小さいが、契約時点での統計であるため、住宅市場の先行指標として注目される。5カ月連続の減少で米国の住宅市場の停滞が再確認された。 同時刻に発表された米国の11月リッチモンド連銀製造業指数は14と、予想外に10月15から低下。4月来で最低となった。

 

米国の7-9月期GDPは予想通りで景気は底堅いも

米商務省が発表した7-9月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率+3.5%となり、市場予想通り速報値の水準を維持した。7-9月期個人消費改定値は前期比年率+3.6%。伸びは予想+3.9%を下回り、速報値+4.0%から下方修正された。GDP価格指数改定値は前期比+1.7%と、予想に一致し、速報値から修正はなかった。
同時刻に発表された10月前渡商品貿易収支は772憶ドルの赤字となった。赤字幅は過去最高に達しとなり、市場予想770憶ドルを上回った。輸出が大幅に減少。

 

米国市場では10月PCEコア指数が公表

9月実績は前年比+2.0%となった。また、10月消費者物価コア指数は前年比+2.1%で上昇率は鈍化した。10月のコアPCEは、家賃、保険、衣料品価格の上昇率がやや鈍化するかの巣英があることから、全体の物価上昇率は9月実績を下回る可能性がある。

 

米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表 

11月7-8日開催分のFOMCの議事要旨が公表されるが、ハト派寄りの意見が多く含まれていた場合、2020年まで利上げスタンスは継続しないとの観測が広がりやすい。また、12月利上げ期待もやや低買いしており、ドル売りが本格化する可能性も残る。

 

欧米イベント

○15:00   10月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.05%)
○15:45   7-9月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%/前年比2.9%)
○16:45   10月仏消費支出(予想:前月比0.5%)
○16:45   7-9月期仏GDP改定値(予想:前期比0.4%)
○17:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:30   7-9月期スウェーデンGDP(予想:前期比0.3%)
○17:55   11月独雇用統計(予想:失業率5.1%/失業者数変化▲1万人)
○18:30   10月英消費者信用残高(予想:10億ポンド)
○18:30   10月英マネーサプライM4
○18:30   10月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.6%/前年比6.3%)
○19:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲3.9)
○19:00   11月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:109.0)
○22:00   11月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%)
○22:30   7-9月期カナダ経常収支(予想:115億カナダドルの赤字)
○22:30   10月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
       個人所得(予想:前月比0.4%)
        PCEコアデフレータ(予想:前月比0.2%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万件)
○23:00   10月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.5%)
○30日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月7-8日分)
○30日04:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、討議に参加
○30日05:00   カプラン米ダラス連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、討議に参加
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(アルゼンチン・ブエノスアイレス)

 

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