FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日の米国株安を受けて軟調

前日のNYダウ551ドル安の大幅続落を受けて投資家のリスク回避姿勢が強まり売りが先行し、一時下げ幅が300円超へ広がった。しかし、半導体関連株などに押し目買いが入って下げ渋る展開となった。結局、前日比75円安の2万1507円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円の戻りも限定的

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、112.93円までじり高となった。米長期金利が時間外取引で3.07%付近へ上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、心理的節目の113.00円に接近すると上げは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら112.80円台を中心とした狭いレンジ内の展開となった。22日は、感謝祭で米国市場が休場となるため、積極的な取引は手控えられた。ユーロ/ドルは、欧州委員会が2019年度のイタリア予算案に対する最終判断を発表する予定となっており、結果を見極めたいとの様子見ムードが強まり1.13ドル台後半で動意は乏しかった。

 

エネルギー関連商品の急落はヘッジファンドへも影響

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版などによると、商品ファンドの『オプションセラーズ・ドットコム』がエネルギー相場で大きな損出を出し、創業者のジェームズ・コルディエ氏がユーチューブに謝罪するビデオメッセージを出した。11月第3週に天然ガスやWTI原油先物が急落する中、プットオプションを売る戦略が裏目に出た。ブルームバーグは全資産が失われたとしながら、推計でその額を1億5000万ドルと報じた。WSJによれば290名の顧客に影響が及ぶ可能性がある。オプションセラーズはCFTCに商品投資顧問業者(CTA)として登録されており、ホームページに残された記録から最低25万ドルから同ファンドに投資できる。WSJによればホームページの内容は全て削除されており、どのくらいの資金が費やされたかは不明。市場からは『恐らく天然ガスのオプションでレバレッジをかけて裸で売って運用資産を全て飛ばしたのだろう』との指摘がある。CMEグループによれば14日にエネルギー関連の先物・オプションの1日の取引量は510万3881枚となり、これまでの過去最高を更新した。天然ガス先物の建玉は160万2673枚で前日に記録した過去最高水準を連日更新した。オプションセラーズ・ドットコムの高リスクな取引がエネルギー相場の急変に影響した可能性があるのなら、足もとでエネルギー相場の高ボラティリティな展開が収束する余地があるのかもしれない。

 

カショギ氏の事件で再びトルコと米国の溝深まるとトルコリラの重石

トルコリラ/円は20.90円前後で推移している。昨日は約3%下落したトルコ株価指数を嫌気し、リラ円も21円前半から20.60円近辺まで急落した。欧州序盤にアルバイラク・トルコ財務相が『来月発表される10月経常黒字は過去最高になり、11月インフレ指標はポジティブ』との見解を示したが、リラの支えにはならなかった。トルコのサウジ領事館で殺害された反体制派カショギ氏の事件について、ムハンマド・サウジ皇太子が指示したかどうかにかかわず、トランプ米大統領はサウジとの関係維持を表明した。トルコは真相究明に努めており、トランプ大統領の態度にエルドアン・トルコ大統領が意を唱える可能性はある。トルコと米国間に再び溝ができるようであれば、トルコリラの重しにもなりそうだ。

 

欧米イベント

○17:00  10月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比5.1%)
○21:00  MBA住宅ローン申請指数
○22:30  9月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○22:30  10月米耐久財受注額(予想:前月比▲2.5%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○22:30  前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万5000件)
○24:00  10月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.1%)
○24:00  10月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.0%/年率換算520万件)
○24:00  11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:98.3)
○22日00:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○22日00:30   EIA週間在庫統計
○欧州委員会、伊予算案に対する最終判断
○米財務省2年・5年・7年債、インフレ指数連動2年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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