FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:半導体関連株下げで相場全体を押し下げ

米中貿易戦争の休戦合意期待から前日のNYダウが208ドル高の5日ぶり反発となるも、米GPU(画像処理半導体)大手エヌピディアの業績鈍化懸念から東エレクや信越化といった半導体関連株が売りが出て相場全体を押し下げた。結局、前日比123円安の2万1680円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:株安を受けてリスク回避の円買い

ドル/円は、英国のEU離脱交渉を巡る政治の混乱を警戒したドル売り・円買いが入り、113.35円へじり安となった。日経平気株価の下げ幅が100円を超えたこともリスク回避の円買いを誘った。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら113.30円台を中心とした狭いレンジでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、予算案を巡るイタリア政府とEUの対立が解消に向かうとの観測から、持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り一時1.1340ドル台へ値を上げた。

 

混迷を深める英国のEU離脱:合意なしのEU離脱の可能性も

英国のラーブEU離脱担当相は15日、メイ首相の離脱協定案に抗議するため辞任した。ラーブ氏はツイッターの声明文で『EU離脱協定案に関する昨日の閣議を受け、私は遺憾ながら辞任しなければならない』と述べた。ラーブ氏は協定案を指示することができないと述べており、メイ首相の協定案では英国の一体性が脅かされるとの見方を示している。ラーブEU離脱担当相の辞任によって離脱協定案が議会で承認される可能性は低下しており、与党・保守党の離脱推進派はメイ党首の不信任投票を求める可能性があるとの見方も浮上している。なお、ラーブ氏の辞任表明後にマクベイ雇用・年金相も辞任を表明していおり、英国政治の不確実性は一段と高まっている。議会における採決や討論の方法については、議員からの提案を踏まえて今後決定される見込み。規定では『閣僚は欧州議会が投票する前に議論を行う努力をすべき』となっているが、協定案についての採決をすみやかに行うことは難しくなっており、市場関係者の間では『英国は合意なしのEU離脱を選択するかどうかの瀬戸際に追い詰められている』との声が聞かれている。状況の進展次第では、もう一段のポンド安の可能性もある。

 

米中貿易戦争で改めて世界経済先行き懸念

経済成長の鈍化は否応なく企業業績に反映される。実際、7-9月期の米企業決算の利益見通しが冴えない理由として、米中『関税報復』合戦をあげる企業が増えつつあり、米中貿易戦争が長期化すればするほど、企業利益の伸びが鈍化すると予想される。とりわけ、米中貿易戦争の株式市場への影響が懸念されるのは、ハイテク関連と一般消費財セクターとされるが、もちろん月末の米中首脳会談で摩擦緩和へと事態が動けば、その恩恵を最も大きく受けるのも同セクターであることは言うまでもない。
BOAメリルリンチ11月投資家調査が、『世界経済の減速を懸念する投資家が増えており、米株式相場は既に天井を打ったとみる投資家が増えた』と報じた。
同投資家調査(2-8日実施)によれば、世界経済の成長が今後12ヶ月間で『減速する』から『しない』とみる投資家を引いた値が44%と08年11月以来の水準に悪化した。19年の中国減速を『見込む』から『見込まない』とみる投資家を引いた値は54%と16年9月以来の高水準となった。要するに米経済の成長鈍化に中国の景気減速を見込む投資家が増え、改めて世界経済の先行き懸念が強まっていることが示唆された。

 

欧米イベント

○16:00   10月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   9月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○17:30   7-9月期香港域内総生産(GDP、予想:前期比0.6%)
○17:30   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○19:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.2%)
○22:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○22:30   9月対カナダ証券投資
○22:30   9月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.3%)
○23:15   10月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
       設備稼働率(予想:78.2%)
○17日01:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○17日06:00   9月対米証券投資動向
○16-19日   10月ロシア鉱工業生産(予想:前年比2.3%)
○17日 APEC首脳会議(ポートモレスビー、18日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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