★日経平均株価:中国景気減速への警戒感強く上値の重い展開
前日に500円近い大幅安となったことで、自律反発期待の買いが先行した。しかし、上値には戻り待ちの売りが多く中国10月小売売上高の伸び鈍化に中国景気減速への警戒感から前引けにかけて下げ幅を広げたものの企業の自社株買いなどに下げ渋った。結局、前日比35円高の2万1846円と小反発して終了した。
★東京外国為替市場:米政権による輸入自動車関税先送りを好感したドル買い
ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられ113.99円まで上昇した。一部メディアが『トランプ米政権は輸入自動車への新たな関税適用当面保留する見込み』と報じられたことも円売りを誘った。ただ、前日の欧州市場でつけた114.14円が視界に入ると、上げは一服した。その後は、日経平均株価のさえない動きをながめ、利益確定売りなどに113.80円台へ押し戻された。午後は、今晩の10月消費者物価指数や米株動向を見極めたいとのムードが広がり、113.90円前後で方向感に乏しい値動きとなった。ユーロ/ドルは、2019年度予算案を巡るイタリア政府とEUの対立を警戒したユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ1.1290ドル付近へじり安となった。
★中国経済指標に米中貿易摩擦の影響がじわりと見られる
米中首脳会議まで人民元の下げは一段落する可能性はあるが、中国景気鈍化懸念で戻りは鈍い。中国経済の勢いはここ数カ月に軟化している。先週発表された10月の消費者物価指数(CPI)は9月から横ばいの前年比+2.5%となったが、同生産者物価指数(PPI)は前年比+3.3%と、4カ月連続で鈍化した。原材料需要が弱まり、製造業が減速するなど、米中貿易摩擦の影響が見られている。また、中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した10月末時点の中国の外貨準備高は3兆530億ドル)で、前月比339億2700万ドル減少した。3カ月連続で減少し、2017年4月以来の低水準となった。外貨準備高の減少は中国当局が、急激な元安を阻止するために外貨準備を使用し、ドル売り・元買い介入を行ったためだとの見方もある。本日発表された中国の10月小売売上高は市場予想を下回り、改めて貿易摩擦などによる中国経済の減速が警戒されている。一方で、鉱工業生産や固定資産投資に関しては、市場予想を小幅に上回る底堅さが示された。
★パウエル米FRB議長の討論会に注目:タカ派姿勢緩和期待も
米FRBのパウエル議長が14日にダラス連銀主催の討論会に出席する。パウエル議長は前回9月のFOMCで発表されたドットプロット(予測)を変更する可能性は少ないと見られている。9月のメンバーの金利予想では年内あと1回となる12月の利上げ、2019年3回の利上げが平均値となっている。市場の展開を強調する可能性も低いと見る。
パルエル議長は政策が指標次第であるとしながらも、金融状況が見通しに与える影響に言及するかどうかに焦点が集まる。世界経済の減速観測を背景とした需要鈍化懸念を受けた原油安、株安を受けて、一部の市場参加者は議長が『金融政策は中立に程遠い』とした先の発言を緩和する可能性もあると期待している。議長が『中央銀行は利上げのサイクルを過剰に加速しない』と、確認してくれることを期待している。
議長の発言やFOMCのメンバーの『中立水準以上に達するまで利上げを継続する』との見通しを受けて、FRBの利上げが行き過ぎる、または、FRBの政策の間違いへの警戒感も最近の株安の一因となっている。
★欧州市場では7-9月期ユーロ圏域内総生産改定値を公表
速報値はは前期比+0.2%、前年比では+1.7%にとどまった。域内景況感の海瀬は遅れており、成長率は4-6月期との比較で鈍化する可能性が高いと予想されている。イタリア、ドイツの成長率鈍化などが要因となっている。改定値については、速報値から上方修正される項目が少ないことから、速報値から上方修正される項目が少ないことから、速報値と同じ成長率にとどまる可能性が高いと予想される。
★米国市場では10月消費者物価コア指数が公表
9月実績は前年比+2.2%で市場予想通りとなった。家賃の伸びや鈍化しており、物価上昇率で突出している項目はなかった。10月については家賃上昇率の伸びは引き続き鈍化する可能性があるものの、上昇率は鈍化している項目は少ないことから、2%超のコアインフレ率となる可能性が高い。
★欧米イベント
○15:30 10月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比5.00%)
○16:00 7-9月期独GDP速報値(予想:前期比▲0.1%/前年同期比1.3%)
○16:45 10月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比2.2%)
○17:30 10月スウェーデンCPI(予想:前月比横ばい/前年比2.4%)
コア指数(予想:前月比横ばい/前年比2.6%)
○18:30 10月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.5%)
小売物価指数(RPI、予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
○18:30 10月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.4%)
○19:00 9月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.4%)
○19:00 7-9月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.2%/前年比1.7%)
○20:00 9月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.2%)
○21:00 MBA住宅ローン申請指数
○22:30 10月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.5%)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○24:00 クオールズFRB副議長、米下院金融委員会で証言
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